米連邦通信委、外国製ルーターの米国輸入・販売に対する許可拡大、認証規制強化の動きも
この発表の要点
- FCCは、スターリンク向け外国製ルーターの米国輸入・販売規制を2028年2月1日まで適用除外とした。
- FCCは、国家安全保障上の脅威となり得る「対象機器・サービス」リスト掲載企業が製造した特定の部品を組み込む機器の新規認証を禁止する規則を採択した。
- サプライチェーン開示義務の強化や「対象機器・サービス」リストの分割など、さらなる規制強化に向けた提案も進められている。
企業・自治体への影響
米国市場に通信機器を輸出・販売する製造業者、特にルーターや関連部品を扱う企業は、FCCの認証規制強化と「対象機器・サービス」リストの動向を注視する必要があります。ECプラットフォーム事業者も、未認証製品の販売規制強化に対応が求められます。
対応すべきこと
- 自社製品がFCCの「対象機器・サービス」リストに掲載された企業が製造した部品を使用していないか確認する。
- スターリンク向けルーターの輸入・販売規制適用除外の期限(2028年2月1日)を管理し、今後の動向を継続的に監視する。
- 改正規則の官報掲載状況を定期的に確認し、施行日や具体的な規制内容を把握する。
- サプライチェーン開示義務の強化など、今後の規則改正提案に対するコメント募集の動向を注視し、必要に応じて意見提出を検討する。
対象部門: 経営者 法務 広報 総務
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国連邦通信委員会(FCC) |
|---|---|
| 業界 | 通信機器製造 |
| 発表日 | 2026-07-30 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月30日
米国連邦通信委員会(FCC)は7月27日、スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」の利用者向けに提供される外国製通信ルーターについて、米国内への輸入・販売などに関する規制の適用対象外にすると発表した。2028年2月1日までの期間限定での措置となる。
無線通信機器を米国向けに輸出・販売する場合、原則としてFCCの認証取得が必要だ(注1)。一方でFCCは、国家安全保障と米国人の安全に容認できない脅威をもたらし得る「対象機器・サービス」リストを定めており、同リストに掲載されている品目については、認証の付与を禁止している。FCCは2026年3月、同リストに、外国で製造された消費者向けルーターを追加した(2026年3月30日記事参照)。その上で、戦争省(国防総省)または国土安全保障省が国家安全保障上のリスクがないという「条件付き承認(Conditional Approval)」を付与したルーターに限り、認証の申請・取得を認める制度を定めた(注2)。今回の発表は、戦争省がスターリンク用のルーターに対して「条件付き承認」を付与したことを受けたものだ。
消費者向けルーターの「対象機器・サービス」リストへの追加をめぐっては、その多くが米国外で生産されていることから、業界を問わず、ビジネスに大きな影響を及ぼす可能性が懸念されていた。ルーターに対する「条件付き承認」付与は今回の発表で17件目となり(注3)、現行の制度を前提としつつ、国内需要を踏まえた例外措置の拡大が進む。
通信機器の認証規制強化も進む
FCCは7月22日、「対象機器・サービス」リストに掲載された機器の製造企業(以下「リスト掲載企業」、注4)が製造した特定の部品を組み込む機器について、新たなFCC認証の取得を禁止する規則を採択した。23日付で発表された採択内容に関する報告書によると、リスト掲載企業が製造した「ロジック機能を備えたハードウエア部品(logic-bearing hardware components)」を組み込む製品が、新たな規制の対象となる(2026年7月30日記事参照)。
また、リスト掲載企業による製品の改造や、認証を受けていない製品の電子商取引(EC)プラットフォーム上での販売などについても規制を強化する。なお、前述の内容を含む改正規則の施行日は規則の官報掲載から原則30日後とされているものの(注5)、米国時間7月29日時点で官報未掲載だ。また、報告書には、認証申請段階でのサプライチェーン開示義務の強化や「対象機器・サービス」リストの分割(注6)といったさらなる規則の改正に向けた提案や、それらへのコメントの募集も含まれている(注7)。
(注1)無線通信機器の米国向け輸出に関する規則については、ジェトロのウェブサイトを参照。
(注2)なお、「対象機器・サービス」リストに掲載されている品目の多くは、中国やロシアの特定企業の通信機器やサービスとなっている。掲載品目の中で、製造企業を特定せず製品カテゴリー自体を掲載し、特定製品に「条件付き承認」を与える形式となっているのは、消費者ルーターおよび2025年12月にリストに追加された無人航空機システム(UAS)とその重要部品のみ。
(注3)「条件付き承認」が付与された消費者ルーターおよびUASのリストは、FCCのホームページに掲載されている。
(注4)「対象機器・サービス」リストで特定されている企業を指す。すなわち、消費者向けルーターやUAS、その重要部品を製造する企業全般を対象としたものではない。
(注5)一部の規則改正は官報掲載から6カ月後、または9カ月後となっている。
(注6)製造・サービス提供者(企業)ベースのリストと生産地ベースのリストへの分割が提案されている。
(注7)コメントの募集期限は官報掲載から30日後までとされている。
(滝本慎一郎)
(米国)
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米連邦通信委、外国製ルーターの米国輸入・販売に対する許可拡大、認証規制強化の動きも
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/409def4b2a370a98.html
時系列
- 2026-03 FCCが「対象機器・サービス」リストに外国で製造された消費者向けルーターを追加
- 2026-07-22 FCCが「リスト掲載企業」が製造した特定の部品を組み込む機器の新たなFCC認証取得を禁止する規則を採択
- 2026-07-23 採択内容に関する報告書が発表
- 2026-07-27 FCCがスターリンク向け外国製ルーターの米国輸入・販売規制適用除外を発表
- 2026-07-29 (米国時間)改正規則が官報未掲載
- 2028-02-01 スターリンク向けルーターの輸入・販売規制適用除外措置の期限
主な数値
| 条件付き承認が付与されたルーターの件数 | 17件 |
|---|---|
| スターリンク向けルーターの輸入・販売規制適用除外の期限 | 2028-02-01まで |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、米国連邦通信委員会(FCC)による通信機器に関する重要な規制変更を示しています。スペースXのスターリンク向け外国製ルーターに対する一時的な輸入・販売規制の適用除外は、国家安全保障と国内需要のバランスを取るFCCの姿勢を反映しています。一方で、国家安全保障上の脅威をもたらし得る「対象機器・サービス」リスト掲載企業が製造した特定の部品を組み込む機器の新規認証を禁止する規則の採択は、サプライチェーン全体のセキュリティ強化に向けた明確な動きです。さらに、リスト掲載企業による製品改造や未認証製品のEC販売規制強化、サプライチェーン開示義務強化などの提案は、米国市場で事業を展開する通信機器メーカーやECプラットフォーム事業者にとって、継続的な監視と対応が不可欠であることを示唆しています。一部規則の官報掲載の遅れは、規制環境が流動的であることを浮き彫りにしています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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