消防・救助分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」開催、市民保護やAI活用が主要テーマに
この発表の要点
- INTERSCHUTZ 2026は、市民保護とAI活用を主要テーマにドイツ・ハノーファーで開催された。
- 55カ国から1,772社が出展し、144カ国から約14万人が来場するなど、国際的な規模が拡大した。
- 日本企業4社が「ジャパンパビリオン」として共同出展し、防災・消防分野の技術を紹介した。
企業・自治体への影響
消防・救助、市民保護、安全・セキュリティ関連製品・技術を開発する製造業、IT・ソフトウェア企業は、国際市場のトレンド把握や技術連携の機会として注目すべきです。特にAI、ロボット、通信システム開発企業は、新たな需要と競争環境を認識する必要があるでしょう。自治体の災害対策、市民保護を担当する部門は、国際的な先端技術や取り組み(AI活用、自然災害対応)を情報収集し、今後の施策立案に役立てるべきです。
対応すべきこと
- 関連企業は、INTERSCHUTZ 2026の公式報告書や出展者リストを確認し、最新の技術トレンドや競合動向を把握する。
- AI、ロボット、通信技術など先端技術の開発部門は、市民保護・災害対応分野での応用可能性を検討する。
- 国際展開を視野に入れる企業は、次回INTERSCHUTZ 2030への出展や視察を検討し、グローバルなパートナーシップ構築の機会を探る。
- 自治体の防災・危機管理担当者は、市民保護や自然災害対策におけるAI・デジタル技術の活用事例を調査し、導入可能性を検討する。
対象部門: 経営者 総務 情シス 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-14 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月14日
消防・救助、市民保護(Bevölkerungsschutz、注1)、安全・セキュリティー分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」が6月1~6日に、ドイツ北部ハノーファーで開催された。同見本市は消防をテーマとして1953年に初めて開催され、そのテーマを広げながら規模を拡大。今回は55カ国から1,772社が出展し、展示面積は約12万平方メートルに達した。また144カ国から約14万人が来場。海外来場者の割合は24%となり、新型コロナウイルス感染拡大前としては最後の開催となった2015年の13%から大きく上昇した。
今回のテーマは「Safeguarding tomorrow(未来を守る)」で、市民保護、救助サービス、消防、防護装備、通信・指令センターソリューション、防火の分野で製品・技術が紹介された。車両や装備、資機材に加え、人工知能(AI)を活用した通信・指令システムや救助ロボットなどの先端技術、各種実演プログラムが展示された。自然災害や異常気象、ハイブリッド脅威(注2)への対応を背景に、市民保護が中心テーマに据えられた。
屋外で行われた救助実演プログラムの様子(ジェトロ撮影)
市民保護分野では、ドイツ連邦国民保護・災害支援庁(BBK)が展示スペースを設け、市民保護関連の取り組みなどを紹介し、会期中に約9,000件の来場者対応を行った。BBKは会期を終え、ドイツおよび欧州の市民保護コミュニティーが高まる要求に共同で取り組んでいることが示されたと総括した。
会場ではデジタル化とAIも大きなテーマとなった。展示企業は、多言語の緊急通報を分析し、全体像を自動的に把握しこれまで以上に正確に緊急対応部隊を指揮・調整できる指令センターシステムや、救助要員の活動をより容易かつ安全にするロボットシステムを紹介した。また、気候変動への対応分野では、植生火災や森林火災対策をテーマとしたプラットフォームである「WildfireCamp」が初めて設置され、火災の早期発見や消火活動を支援する技術が展示された。
本展示会には、日本企業による共同出展として「ジャパンパビリオン」が設置された。同パビリオンはドイツメッセ日本代表部と東京ビッグサイトが共同で企画・運営し、日本企業4社が出展。防災・消防分野の関連製品・技術を紹介した。
ジャパンパビリオンの様子(左)と防災トイレの展示ブースに集まる来場者(右)(ともにジェトロ撮影)
前回のINTERSCHUTZは、当初2020年開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2度にわたり延期され、2022年に開催された。次回は2030年5月20~25日に、同じくハノーファーで開催予定。
(注1)災害や危機から市民や生活基盤を守るための非警察的・非軍事的な取り組み。予防・対応・被害抑制を含む。
(注2)サイバー攻撃や偽情報の拡散、経済的圧力、軍事行動など、複数の手段を組み合わせて行われる脅威。
(中山裕貴)
(ドイツ)
ビジネス短信 0230514b584855ff
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消防・救助分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」開催、市民保護やAI活用が主要テーマに
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/0230514b584855ff.html
時系列
- 1953 INTERSCHUTZが消防をテーマとして初めて開催
- 2015 新型コロナウイルス感染拡大前としては最後の開催
- 2020 INTERSCHUTZが当初開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期
- 2022 延期を経てINTERSCHUTZが開催
- 2026-06-01 INTERSCHUTZ 2026がドイツ北部ハノーファーで開幕
- 2026-06-06 INTERSCHUTZ 2026が閉幕
- 2030-05-20 次回INTERSCHUTZがハノーファーで開幕予定
- 2030-05-25 次回INTERSCHUTZが閉幕予定
主な数値
| 出展企業数 | 1772社 |
|---|---|
| 出展国数 | 55カ国 |
| 展示面積 | 12万平方メートル |
| 来場者数 | 14万人 |
| 来場国数 | 144カ国 |
| 海外来場者割合 (2026年) | 24% |
| 海外来場者割合 (2015年) | 13% |
| BBK来場者対応件数 | 9000件 |
| 日本企業出展数 (ジャパンパビリオン) | 4社 |
この事例から確認すべきポイント
INTERSCHUTZ 2026の開催報告は、消防・救助、市民保護、安全・セキュリティ分野における国際的な技術トレンドと市場の動向を明確に示しています。特に、自然災害やハイブリッド脅威の増加を背景に「市民保護」が中心テーマに据えられ、デジタル化とAI活用が喫緊の課題として浮上していることが確認できます。多言語対応の指令センターシステムや救助ロボット、森林火災対策プラットフォーム「WildfireCamp」などの先端技術の展示は、これらの分野におけるイノベーションの方向性を示唆しています。海外来場者割合の大幅な増加は、国際的な連携と情報共有の重要性が高まっていることを裏付けており、日本企業が「ジャパンパビリオン」を通じて参加したことは、国内技術の国際展開とグローバルな課題解決への貢献意欲を示すものと言えます。企業は、これらのトレンドを自社の研究開発や事業戦略に組み込むことで、新たな市場機会を創出できる可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-14
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