8月12日の適用開始に向け、欧州委の担当者がPPWR対応実務を解説
この発表の要点
- EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)が2026年8月12日から適用開始され、日本企業も対応が必要となる。
- 主な要件は、重金属およびPFASの使用制限、製造事業者・輸入事業者による包装の適合性評価・確認義務である。
- 技術文書や適合宣言書(DoC)の作成、包装への識別情報表示、EU域内輸入者との協働が求められる。
企業・自治体への影響
EU市場に製品を輸出する製造業、食品業、小売業など、包装材を使用するあらゆる企業に影響があります。製品設計、サプライチェーン管理、品質保証、法務、輸出入関連部門において、新たな規制への適合確認と対応が必須となります。
対応すべきこと
- 自社製品がPPWRの対象となるか確認し、関連部署へ共有する。
- 2026年8月12日適用開始の要件(重金属・PFAS制限、適合性評価)への対応状況を確認・準備する。
- 技術文書や適合宣言書(DoC)の作成、包装への識別情報表示を進める。
- EU域内の輸入者やビジネスパートナーとの協働体制を構築し、今後発表される細則やガイダンスを注視する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-07-30 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月30日
日欧産業協力センターは7月14日、日本の経済産業省・農林水産省と共催で、ウェビナー「EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)の影響-欧州委員会担当者が解説する制度と実務対応のヒント-」を開催した。
欧州委員会・環境総局のアウレル・チョバヌ・ドルデア氏が基調講演として、PPWRの概要や、8月12日の適用開始が迫る中、日本企業が準備すべき内容について解説した。PPWRにより、EU単一市場で調和した規制となり、全ての国からの輸入品と域内事業者に同じ条件が適用される。「貿易パートナーは、規制への順守を、技術文書や適合宣言書(DoC、注1)を通じて文書化する必要がある」とし、日本企業に準備を呼びかけた。EU域内の輸入者がEU市場に上市する際に適合性を確認する「ゲートキーパー」の役割を果たすため、日本企業に対し、域内の輸入者やビジネスパートナーとの協働を推奨した。
また8月12日から適用開始される主な要件として、(1)重金属および食品接触包装に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の使用制限、(2)製造事業者・輸入事業者が包装の適合性を評価・確認する義務を挙げた。
(1)PFASの使用制限については、「(DoCによる)自己宣言のみでは不十分で、技術文書の作成が必要」と説明。一方、第三者機関などによる検査の実施については、高リスクの包装材から対応するリスクベースが原則であり、「意図的な添加を避けることが重要」とした。検査する場合は、同じ組成の包装であればサンプリングで対応可能であるとし、7月中に検査方法に関するガイダンスを発表予定と述べた。(2)適合性評価については、「製造事業者は懸念物質(重金属およびPFAS)の確認、技術文書の作成または入手、DoCの作成が必要」とした。
2030年から適用されるプラスチック包装のリサイクル材最低含有率義務については、現在、他の法的措置において飲料用PETボトルについてケミカルリサイクルを一定の条件のもと認めているところ、包装用途プラスチックのケミカルリサイクルを認める提案を2026年末までに行う予定と説明した。これにより、EUではリサイクル材の供給不足は想定しておらず、ケミカルリサイクルの活用により品質面の課題にも対応できるとの見方を示した。
続いて、EY新日本有限責任監査法人CCaSS事業部シニアマネージャーの井出陽一郎氏は、8月12日までに「事業者情報、識別情報の付与」が必要と強調した。技術文書・DoCと包装の現物をひも付けるため、製造事業者は、包装の識別情報、製造者情報、輸入者情報を包装に表示する必要がある。
最後にTOPPAN生活・産業BU製造・技術統括本部SXパッケージ開発本部CE推進部の藤井崇主席研究員は、「2030年には、リサイクル可能な設計などの要件についても適合しなければEU市場に上市できず、リサイクル性能が低い場合は拡大生産者責任(EPR)での費用負担が増加する」とPPWR対応の必要性を説明。今後発表される細則を注視しつつ、同社はモノマテリアル(単一素材構成)化やケミカルリサイクル材を利用したマスバランス認証(注2)を推進し、「PPWRに対応した包装材のソリューションを提供していく」と述べた(2025年6月17日記事参照)。
(注1)適合宣言書の記載事項や細則の発表予定などの詳細は、ジェトロ「EU PPWR概要資料(2026年7月時点)(1.0MB)」および特集「EU PPWR関連情報」参照。
(注2)環境配慮型の認証原料と通常の原料が混ざり合う場合に、投入した認証原料の量に応じて、製品の一部にその特性(バイオマスや再生原料など)を割り当てて証明する方法。
(川嶋康子、森友梨)
(EU、日本)
ビジネス短信 931b227a54867625
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8月12日の適用開始に向け、欧州委の担当者がPPWR対応実務を解説
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/931b227a54867625.html
時系列
- 2026-07-14 日欧産業協力センターがウェビナー「EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)の影響-欧州委員会担当者が解説する制度と実務対応のヒント-」を開催
- 2026-08-12 EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)が適用開始。重金属および食品接触包装に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の使用制限、製造事業者・輸入事業者による包装の適合性評価・確認義務が主な要件として適用される
- 2026-12-31 包装用途プラスチックのケミカルリサイクルを認める提案が欧州委員会により行われる予定
- 2030-01-01 プラスチック包装のリサイクル材最低含有率義務が適用開始
主な数値
| ウェビナー開催日 | 2026-07-14日付 |
|---|---|
| PPWR適用開始日 | 2026-08-12日付 |
| プラスチック包装のリサイクル材最低含有率義務適用開始年 | 2030年 |
| ケミカルリサイクルを認める提案予定時期 | 2026年末まで |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)が2026年8月12日から適用開始されるにあたり、日本企業が直面する具体的な対応課題と準備事項を明確に示しています。特に、EU単一市場における規制の調和により、域内事業者と輸入品に同じ条件が適用されるため、日本企業は技術文書や適合宣言書(DoC)の作成、重金属やPFASの使用制限への対応が急務となります。また、EU域内の輸入者が「ゲートキーパー」の役割を果たすことから、域内パートナーとの緊密な協働が不可欠です。2030年からのリサイクル材最低含有率義務など、中長期的な要件も示されており、企業は単なる法令順守に留まらず、包装材の設計変更やサプライチェーン全体の見直しを視野に入れた戦略的な対応が求められます。今後発表される細則やガイダンスを継続的に注視し、自社の製品がEU市場で競争力を維持するための計画的な準備が重要です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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