経済・産業トレンド 規則改正案(意見募集期間中)

チリ、鉱業投資促進へ環境影響評価制度見直しと許認可簡素化の規則改正案

チリ政府は鉱業投資促進のため、環境影響評価制度(SEIA)と鉱業許認可手続きの規則改正案を公表した。環境省はSEIA対象基準の緩和と意見募集を開始し、鉱業省は55件の許認可制度を31件に再編し、自己申告による代替認証手段を導入。これにより手続き簡素化と迅速な投資着手を促す。一方で、環境団体からは国家による事前審査の弱体化への懸念も示されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

チリでの鉱業事業を検討している企業や、既に操業中の鉱業関連企業は、環境影響評価や許認可手続きの変更により、事業開始までのリードタイム短縮や行政負担の軽減が期待されます。特に、代替認証手段(THA)の導入は、企業の法令順守体制と自己管理能力の重要性を高めます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理 広報

対応期限:意見募集締切あり

基本データ

企業・団体 チリ環境省、チリ鉱業省
業界 鉱業
発表日 2026-08-07
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月07日

チリ環境省は7月31日、環境影響評価制度(SEIA)の対象となる鉱業案件の基準値の見直しや適用除外拡大を盛り込んだ規則改正案を公表し、意見募集を開始した。また、チリ鉱業省は8月3日、鉱業分野の許認可手続きを簡素化する鉱業安全規則改正案の内容を発表した。

環境省が公表したSEIA規則改正案では、環境影響評価制度の対象となる鉱業案件の基準値の引き上げが提案された。具体的には、処理能力基準を現行の月間5,000トンから4万トンへ引き上げるなど、複数の基準値を見直す。また、既に環境認可(RCA)を取得している操業中の鉱山については、一定条件の下で鉱業廃棄物の再処理・有効利用事業を環境評価手続きの対象外とすることも盛り込まれた。環境省によると、制度の予見可能性を高めるとともに、環境への影響が大きい案件へ行政資源を配分することが狙いだ。意見募集は9月11日まで行われる。

一方、鉱業省が公表した鉱業安全規則改正案では、従来55件あった許認可制度を見直し、13件の許可制度と18件の代替認証手段(THA)へ再編する。THAでは、企業が宣誓供述書により法令順守を自己申告することで、一部の活動を事前許可なしで開始できるようにする。鉱業省によれば、手続きの簡素化を通じて投資案件への迅速な着手を促すことが目的で、安全基準や環境基準は維持される。

また、鉱業安全規則改正案では、許認可負担の軽い小規模鉱業の区分基準を月間5,000トンから1万トンへ引き上げるほか、月間1万トン超の案件については、国家地質鉱業庁(Sernageomin)が50営業日以内に審査結果を示す仕組みを設ける。さらに、紙媒体による管理帳簿を廃止し、関連手続きを電子化するとともに、審査業務の効率化で生じた人員を監督・検査業務へ重点的に振り向ける方針も打ち出した。

これらの制度見直しを通じて、政府は環境影響評価制度と鉱業許認可制度の両面から鉱業投資の促進を図る方針だ。一方で、環境団体からは、企業の自己申告方式の導入により、国家による事前審査が弱まるとの懸念も示されている。

(高橋英行)

(チリ)

ビジネス短信 386da73a7114c111

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チリ、鉱業投資促進へ環境影響評価制度見直しと許認可簡素化の規則改正案

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/386da73a7114c111.html

時系列

主な数値

SEIA処理能力基準(現行) 5000トン/月
SEIA処理能力基準(改正案) 40000トン/月
許認可制度数(従来) 55件
許認可制度数(改正案:許可制度) 13件
許認可制度数(改正案:代替認証手段THA) 18件
小規模鉱業区分基準(現行) 5000トン/月
小規模鉱業区分基準(改正案) 10000トン/月
Sernageomin審査期間 50営業日

この事例から確認すべきポイント

チリ政府による環境影響評価制度(SEIA)および鉱業許認可制度の規則改正案は、鉱業分野への投資促進を明確な目的としている。SEIAの対象基準緩和や許認可手続きの簡素化、電子化の推進は、企業にとって事業開始までのリードタイム短縮や行政負担の軽減に繋がる可能性がある。特に、代替認証手段(THA)の導入は、企業の法令順守体制と自己管理能力がこれまで以上に重要となることを示唆している。一方で、環境団体からの懸念が示されているように、簡素化が環境保護や安全基準の維持に与える影響については、企業側も慎重な評価と透明性のある情報開示が求められる。国際的な投資家やステークホルダーに対して、簡素化された手続きの下でも高い環境・安全基準を維持していることをどのように説明し、信頼を構築していくかが、今後の広報・IR戦略上の重要な課題となるだろう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-07

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