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バンコク首都庁、データセンターの建設許可を一時停止、タイ政府も法整備を急ぐ

タイのバンコク首都庁(BMA)は、都内で建設予定のデータセンターで騒音や揮発性有機化合物(VOC)検出などの苦情や問題を受け、業許可手続きを一時停止した。タイ政府も全国的な法整備を急ぎ、データセンター事業政策委員会を設置し、経済・社会・環境上の懸念に対応する方針である。政府が基準を策定する間、タイ全土で計166カ所の建設計画が一時停止となる。

この発表の要点

企業・自治体への影響

タイ国内でデータセンター事業を展開または計画するIT関連企業、建設会社、インフラ関連事業者に対し、許認可手続きの中断や新規の規制・ゾーニング基準適用の影響が生じる可能性がある。経営企画部門や法務部門において現地の法規制動向の把握が不可欠となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 情シス

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-09-11
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月11日

タイのバンコク首都庁(BMA)は9月4日、都内で建設予定のデータセンター3カ所について業許可手続きを一時停止すると発表した。タイ政府もデータセンター建設について、全国的な法整備を急ぎ行い、経済・社会・環境上の懸念に対応する方針だ。

BMAの公式フェイスブック投稿(9月4日付)によると、対象となったデータセンターは、発電機の夜間テストによる騒音について周辺住民より苦情を受けたため、関係機関が審査を受けている。また、バンコク都内のラマ9世通りにある別のデータセンターでは、油臭に関する苦情を受け、当局による調査の結果、揮発性有機化合物(VOC)が検出された。事業者には、油膜の除去などの改善を7日以内に行うよう指示した。

チャッチャート・シッティパン都知事は、現在(本稿執筆時点)、40カ所以上のデータセンターがオフィスビル内に設置されており、現行法ではデータセンターの定義や分類が明確でなく、倉庫として許可申請できるケースもあると明かした。同知事は今後、都市計画・建築・エネルギー規制を見直し、独立型データセンターに適した区域(ゾーニング)設定を検討する。そのため、データセンターを環境影響評価(EIA)報告書が必要なプロジェクトリストに追加する可能性にも触れた。

タイ全土のデータセンターに波及
BMAの発表を受け、タイ政府は関係閣僚らを集め、データセンター事業政策委員会を9月4日に設置・開催した。同委員会に対し、再生可能エネルギーの促進やデータ保護を含めて、データセンターの法的位置づけを定義することなどを指示した。委員会後の記者会見によると、アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は、タイはデータセンター投資を妨げないが、案件ごとに審査し、承認する方針に転換することを強調した。今後は経済・社会・環境上の観点から、公共への悪影響を防ぐため、データセンター事業者が順守すべき最低基準も定める。また、タイのネットゼロ目標や人工知能(AI)の発展に寄与させるため、タイ企業、特に中小企業に裨益(ひえき)するよう留意するという。

政府が基準を策定する間、166カ所(建設中49カ所、許可申請中117カ所)のデータセンター建設計画が一時停止となる(9月4日付「ネーション」紙)。タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)によると、現在タイでは35カ所のデータセンターが稼働している。現地紙「ザ・スタンダード」(9月4日付)は、データセンター投資額の半分以上が、設備などの輸入に充てられており、タイ国内への経済波及効果は限定的で、その恩恵は主に建設工事と土地取引に集中している、と報じている。

(藪恭兵)

(タイ)

ビジネス短信 30dae75b0a81de0e

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バンコク首都庁、データセンターの建設許可を一時停止、タイ政府も法整備を急ぐ

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/30dae75b0a81de0e.html

時系列

主な数値

建設予定の業許可手続き一時停止対象データセンター数(BMA発表) 3カ所
改善指示の期限 7日以内
オフィスビル内に設置されているデータセンター数 40カ所以上
政府基準策定中に一時停止となるデータセンター建設計画数 166カ所
基準策定中の一時停止対象のうち建設中の数 49カ所
基準策定中の一時停止対象のうち許可申請中の数 117カ所
現在タイで稼働しているデータセンター数 35カ所

この事例から確認すべきポイント

本事例は、海外におけるデータセンターの急増に伴う環境負荷や法規制の不備が引き起こした行政措置である。タイ国内では騒音やVOC検出といった環境問題が表面化し、首都庁による個別処分のほか、タイ政府主導での法整備や許認可の厳格化へと波及している。タイでの事業展開を計画するIT・インフラ関連企業や製造業等においては、現地の都市計画や環境影響評価(EIA)、再生可能エネルギー利用方針などの規制動向の変化を注視し、コンプライアンス体制を再点検する必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-11

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