米ノースカロライナ州、PFAS汚染巡りケマーズなどと総額5億9,000万ドルで和解
最終確認日: 2026-09-15
この発表の要点
- 米ノースカロライナ州とケマーズ、デュポン等がPFAS汚染を巡り総額約5億9,000万ドルで和解に合意。
- 和解金4億5,500万ドルの支払いと、1億3,500万ドルの保証基金設置が含まれる。
- 企業再編後も過去の環境汚染に対する法的責任が承継会社等に及ぶ事例となった。
企業・自治体への影響
製造業や化学業界、M&A・海外進出を手がける企業・部門において、過去の環境負債が承継されるリスクや米国での規制・訴訟リスクに対する警戒が高まる影響がある。
対応すべきこと
- 米国でのM&Aや工場買収案件における環境デューディリジェンスの徹底
- 環境負債に関する補償条項の精査と法務・総務部門でのリスク共有
- サプライチェーンにおけるPFAS等規制動向の継続的なモニタリング
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ノースカロライナ州司法長官 |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-09-14 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月14日
米国ノースカロライナ州のジェフ・ジャクソン司法長官は9月10日、有機フッ素化合物(PFAS、注1)による環境汚染を巡り、化学メーカーのデュポンおよびケマーズなどとの間で総額約5億9,000万ドルで和解に合意したと発表した。州政府と11の自治体への4億5,500万ドルの和解金の支払いに加え、ケマーズが将来的な浄化義務を履行できなくなった場合に備える1億3,500万ドルの保証基金の設置が含まれる。州当局は、今回の合意を州史上最大の環境損害回復案件として位置付けている。
和解は、ノースカロライナ州フェイエットビル近郊の工場からのPFAS排出に関する訴訟に加え、PFASを含む泡消火剤(AFFF)に関連する州側の請求などを対象とする。同工場では、半導体や電子機器向け部材、データセンター向け冷却材などに用いられるフルオロポリマーを製造している。
今回、PFAS汚染が発生した当時に工場を所有・運営していた旧デュポンのEIDP、および現在の操業主体であるケマーズとその工場運営子会社が和解当事者となった。さらに、旧デュポングループの企業再編後の承継会社であるデュポンとコルテバも和解当事者に含まれている。和解金の負担割合は、ケマーズが50%、デュポンが35.5%、コルテバが14.5%とされ(注2)、履行保証のための基金はコルテバとデュポンが提供する。汚染発生当時の主体であるEIDPも和解当事者に含まれたが、和解契約上、和解金や保証基金の負担主体とはされていない。
本件は、企業再編や事業譲渡を経た後も、過去の環境汚染を巡る責任が追跡され得ることを示す事例だ。米国では製造拠点ごとに法人を分離する手法が一般的だが、環境汚染案件においては現在の操業会社だけでなく、汚染発生当時の事業主体や企業再編後の承継会社にまで責任が及ぶ場合がある。このため、日系企業が米国でM&Aや工場を買収する際には、対象資産の環境デューディリジェンスや環境負債に関する補償条項の精査が重要となる。
PFASは耐熱性や耐水性などの特性から半導体、電子機器、自動車部品など幅広い用途で使用されている。一方で環境中において分解されにくいことから、米国では連邦・州レベルで規制や訴訟対応が進められている(2026年4月17日付地域・分析レポート参照)。
ノースカロライナ州では2023年11月、米国環境保護庁(EPA)がケマーズによるオランダからのPFAS含有廃棄物(GenX)の輸入承認を取り消しており(2023年12月5日記事参照)、州政府はPFAS対策を継続して進めている。同州では、ケマーズやデュポンなどに対するPFAS関連訴訟がほかにも続いており、今回の和解は工場に起因する汚染問題の一部の請求の解決につながるものの、PFASを巡る法的・環境対応は引き続き注目される。
(注1)有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称で、1万種類以上の物質があるとされる。
(注2)ケマーズによると、2021年1月にデュポンおよびコルテバと締結した覚書により、和解金の同社負担割合は50%と決まっていた。
(紀井寿雄)
(米国)
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米ノースカロライナ州、PFAS汚染巡りケマーズなどと総額5億9,000万ドルで和解
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/0acb70629bfca9a8.html
時系列
- 2026-09-10 米国ノースカロライナ州司法長官が、ケマーズおよびデュポン等と総額約5億9,000万ドルの和解合意を発表
主な数値
| 和解総額 | 5億9,000万ドル |
|---|---|
| 州政府・自治体への和解金 | 4億5,500万ドル |
| 保証基金の金額 | 1億3,500万ドル |
| 自治体数 | 11自治体 |
| ケマーズの和解金負担割合 | 50% |
| デュポンの和解金負担割合 | 35.5% |
| コルテバの和解金負担割合 | 14.5% |
この事例から確認すべきポイント
本件は、企業再編や事業譲渡を経た後であっても、過去の環境汚染に対する法的責任が現在の操業会社のみならず、当時の事業主体や企業再編後の承継会社にまで遡って追及される実態を示している。米国における製造拠点ごとの法人分離手法において、環境汚染案件が抱える潜在的リスクの大きさが浮き彫りになっており、日系企業が米国でM&Aや工場買収等を行う際には、対象資産に関する周到な環境デューディリジェンスの実施および環境負債に関する補償条項の精査が不可欠である。現時点で取得できた本文からは、詳細を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-14 / 最終確認: 2026-09-15
執筆・確認主体
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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-15
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