経済・産業トレンド

遼寧省と中央アジア・ロシアを結ぶ2つの越境道路輸送ルートが開通

中国・遼寧省瀋陽市において、TIRシステムを活用した「瀋陽~カザフスタン~アゼルバイジャン」の西進ルートと「瀋陽~モンゴル~ロシア」の北上ルートの2つの越境道路輸送ルートが新たに開通しました。西進ルートは冷凍飲料を積載し約13日間でバクーへ到着予定、北上ルートは自動車部品を積載した4台がロシアへ向かいました。瀋陽市のTIR集積センターは6カ国を結ぶ10路線以上を開設し、累計でTIR車両発送台数480台、輸送貨物額2億7,200万元の実績を示しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中国と中央アジア・ロシアを結ぶ物流ルートの選択肢が広がり、同地域で事業を展開する製造業や物流業の輸送時間短縮やサプライチェーン構築に影響を与えます。

対応すべきこと

対象部門: 総務 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 物流・運輸
発表日 2026-08-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月27日

中国・遼寧省瀋陽市で8月19日、TIR(注)システムを活用した「瀋陽~カザフスタン~アゼルバイジャン」(西進ルート)と「瀋陽~モンゴル~ロシア」(北上ルート)の2つの越境道路輸送ルートが開通した。西進ルートは瀋陽市から中央アジア、西アジア方面、北上ルートはモンゴル、ロシア方面を結ぶ新たな物流ルートとなる。

西進ルートの第1便は冷凍飲料を積載し、「道路輸送+フェリー」による複合一貫輸送方式を採用した。新疆ウイグル自治区のバクトゥ口岸から出境し、カザフスタンを経由した後、カスピ海をフェリーで渡り、約13日間でアゼルバイジャンの首都バクーに到着する見込みで、従来の陸路ルートと比べ約2,000キロメートル短縮されるという。一方、北上ルートの第1便は自動車部品を積載した4台の車両が内モンゴル自治区の二連浩特口岸から出境し、モンゴルを経由してロシアへ向かった。

遼寧省政府は、西進ルートを新疆ウイグル自治区との連携による対外開放の成果であり、同省の「一帯一路」構想への参画を進める重要な取り組みと位置付けた。また、北上ルートについては中国・モンゴル・ロシア経済回廊との接続を進める取り組みと位置付けた。

瀋陽市の発表によると、瀋陽市のTIR集積センターは2024年12月の運営開始以来、ロシア、ベラルーシ、モンゴル、カザフスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャンの6カ国を結ぶ10路線以上の越境輸送ルートを開設した。8月19日時点の累計でTIR車両の発送台数は480台、輸送貨物額は2億7,200万元(約65億2,800万円、1元=約24円)、TIR証明書発行数は943枚となった。

瀋陽市第15次5カ年(2026~2030年)規画では、瀋陽市のTIR集積センターの整備を加速し、ロシア、中央アジア、ASEAN諸国向けトラックの運行頻度をさらに増やす方針が示されている。

(注)Transports Internationaux Routiersの略。TIRシステムは、1949年に国際道路輸送連盟(IRU)によって設立された国際道路運送に関する国連条約(TIR条約)に基づいて確立された、物品輸送のための国際通関制度。TIR証明書があれば、承認された車両はTIR実施国間の税関を簡易に通過できる。

(李穎)

(中国、ロシア、中央アジア)

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遼寧省と中央アジア・ロシアを結ぶ2つの越境道路輸送ルートが開通

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/c9ef2a91e7cae332.html

時系列

主な数値

西進ルートの短縮距離 2000キロメートル
西進ルートの所要日数 13日間
北上ルートの出発車両数 4台
TIR車両の発送台数累計 480台
輸送貨物額累計 272000000元(約65億2,800万円)
TIR証明書発行数累計 943枚

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中国・遼寧省瀋陽市を起点とする中央アジア・ロシア・西アジア方面への新たな越境道路輸送ルート(TIRシステムを活用した西進・北上ルート)の開通に関するものです。国際物流におけるサプライチェーンの選択肢拡大や輸送日数短縮(西進ルートで従来の陸路より約2,000キロメートル短縮など)が示されています。中国から中央アジア・ロシア方面へ展開する製造業や物流業にとって、ユーラシア大陸を跨ぐ新たな輸送インフラの整備状況や、第15次5カ年規画に基づく今後の運行頻度増加の動向を把握するための重要な参考情報となります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-27

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