中国日本商会2026年白書、予見性・透明性の確保されたビジネス環境などを要望
この発表の要点
- 中国日本商会が「中国経済と日本企業2026年白書」を発刊し、中国政府へビジネス環境改善を要望。
- 白書は、行政の予見性・透明性向上、公平な競争、対外開放を「建議の3要素」として提示。
- デュアルユース品目輸出管理の明確化、公平な競争環境の確保、経済活性化などが重点要望事項。
企業・自治体への影響
中国で事業を展開する日系企業は、本白書で示された要望事項や中国政府の政策動向を注視する必要があります。特に、製造業や貿易関連企業は、デュアルユース品目の輸出管理強化が事業に与える影響を評価し、対応を検討することが求められます。また、人的交流の円滑化に関する要望は、人事・総務部門における駐在員の派遣・管理にも関連します。
対応すべきこと
- 中国の法令・政策(特に輸出管理、政府調達、補助金、標準化)に関する最新情報を継続的に収集する。
- 自社の事業がデュアルユース品目の輸出管理強化の対象となるか確認し、必要な対応を検討する。
- 中国におけるビジネス環境の変化について、関係部門(経営企画、法務、海外事業部など)へ共有する。
- 在留邦人の安全確保やビザ免除措置の動向について、人事・総務部門で情報収集と対応を検討する。
対応優先度: 中 法令改正や行政処分に直接関わるものではないが、中国での事業展開に影響を与える政策提言であり、今後のビジネス環境の変化を予測する上で重要であるため。
対象部門: 経営者 法務 広報 人事 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国日本商会 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-06-15 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月15日
在中国日系企業などで構成する中国日本商会は6月11日、「中国経済と日本企業2026年白書」を発刊した。白書は、中国の中央・地方政府との対話促進を目的に、中国各地の商工会組織の日系企業が直面する課題の分析や、解決のための建議をまとめたもの。中国ビジネスに最前線で取り組む会員企業など約70人が執筆を担当し、中国日本商会白書委員会(事務局:ジェトロ)が企画・編集を行った。
2010年から作成を開始し、今回で第17版となる本白書は、全体コンセプトを「予見性・透明性と公平性の向上によるビジネス機会の確保」に設定した。また、建議を3つの柱に集約した「建議の3要素」については、前年と同様に「行政の予見性・透明性向上と円滑化」「公平な競争」「対外開放」とした。
加えて、重点分野を「安定的な日中関係に向けた環境作り」「予見性・透明性、公平性が確保されたビジネス環境整備」「持続的成長に向けた経済活性化」とした。
「安定的な日中関係に向けた環境作り」に関しては、安定的な日中関係の構築に向け、国家間の政治・外交的な問題を、企業活動や文化活動に波及させないことを希望するとした。また、円滑な人的交流を実現するため、在留邦人の安心・安全な環境づくり、日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置の常態化などを要望している(注1)。
「予見性・透明性、公平性が確保されたビジネス環境整備」に関しては、企業活動の安定には、法令・政策の予見性、透明性、公平性な運用が必要不可欠であるとした。そのうえで、両用(デュアルユース)品目に関する輸出管理措置(注2)について、明確な基準の提示と十分な説明、実務上の円滑な運用を要望するとともに、政府調達、補助金政策、標準化策定などの分野においては、内外企業を区別しない、公平な競争環境の確保を要望している。
「持続的成長に向けた経済活性化」に関しては、在中国日系企業のビジネスにとって、中国経済の持続的成長と内需の拡大が重要な基盤であるとしたうえで、個人消費の回復・拡大、民間投資の促進などを通じた経済活性化を要望している。
記者発表では、中国日本商会の本間哲朗会長が「中国の中央政府・地方政府と、中国日本商会との対話の持続的実施を期待する」としたうえで、「本白書を通じて日中両国の対話が促進され、両国間の絆がいっそう深まり、両国経済の発展につながることを切に願っている」と発言を締めくくった。
(注1)中国外交部は2025年11月、日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置について、2026年12月31日までの延長を発表している(2025年11月4日記事参照)
(注2)2025年の白書発表(2025年6月19日記事参照)以降、中国商務部は、2026年1月に日本に対する両用(デュアルユース)品目の輸出管理強化を発表したほか(2026年1月8日記事参照)、2月には計40の日本企業・組織を対象とした両用品目の輸出禁止・審査厳格化を発表している(2026年2月26日記事参照)。
(西島和希)
(中国、日本)
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中国日本商会2026年白書、予見性・透明性の確保されたビジネス環境などを要望
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出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/13a2f7b3a8d86044.html
時系列
- 2010-XX-XX 中国日本商会が白書の作成を開始
- 2025-11-XX 中国外交部が日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置の2026年12月31日までの延長を発表
- 2026-01-XX 中国商務部が日本に対する両用(デュアルユース)品目の輸出管理強化を発表
- 2026-02-XX 中国商務部が計40の日本企業・組織を対象とした両用品目の輸出禁止・審査厳格化を発表
- 2026-06-11 中国日本商会が「中国経済と日本企業2026年白書」を発刊
- 2026-06-15 本記事が発表
主な数値
| 白書の版数 | 17版 |
|---|---|
| 白書執筆担当者数 | 約70人 |
| 日本の一般旅券保持者に対するビザ免除措置延長期限 | 2026-12-31まで |
| 両用品目の輸出禁止・審査厳格化対象企業・組織数 | 40社・組織 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、中国に進出する日系企業が直面する課題と、それに対する中国政府への要望をまとめた白書の内容を伝えています。特に、法令・政策の予見性、透明性、公平な運用が企業活動の安定に不可欠であると強調されており、デュアルユース品目の輸出管理強化といった具体的な課題への対応が求められています。企業は、中国の政策動向、特に輸出管理や政府調達、補助金政策、標準化策定に関する情報収集を強化し、自社の事業への影響を継続的に評価する必要があります。また、ビザ免除措置の延長や人的交流の円滑化といった要望は、日中間のビジネス活動における実務的な側面にも影響を及ぼすため、関連部門は最新情報を把握し、適切な対応を検討することが重要です。中国市場での持続的成長を目指す企業にとって、本白書で示された要望事項は、今後のビジネス環境の変化を予測する上で重要な指針となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-15
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