最低賃金は2027年1月に全国平均で7.8%引き上げへ、国家賃金評議会の最終案決定
この発表の要点
- 2027年1月1日からベトナムの月額最低賃金が全国平均で7.8%引き上げられる最終案が決定された。
- 地域別では月額31万~39万ドン(約1,900~2,400円)の引き上げとなり、地域4が9.2%増と最も高い引き上げ率。
- 企業は人件費負担の増加への対応を迫られる可能性がある。
企業・自治体への影響
ベトナムに進出している日系企業を含む全ての企業は、人件費の増加に直面し、経営戦略や予算計画の見直しが必要となる可能性があります。特に製造業やサービス業など、労働集約型の産業では影響が大きいと見られます。経理部門は人件費予算の再計算、人事部門は給与体系の見直し、経営層は事業計画への影響評価が求められます。
対応すべきこと
- 政府による最終的な政令公布を注視し、詳細な内容を確認する。
- 自社の事業所が属する地域の最低賃金改定額と引き上げ率を正確に把握する。
- 人件費増加による財務影響を試算し、予算計画や事業計画への影響を評価する。
- 人事・経理部門と連携し、給与体系の見直しや生産性向上策の検討を開始する。
対象部門: 経営者 総務 人事 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月03日
添付資料(199 KB)
ベトナム政労使で構成する国家賃金評議会は7月16日、2027年地域別最低賃金2回目協議を行い、2027年1月1日から月額最低賃金を全国平均で7.8%引き上げる案を同評議会の最終案として決定した。同最終案は今後政府に提出され、首相の承認を経て正式に公布される見通しだ。今回の引き上げ率は、2026年の7.2%(2025年7月24日記事参照)を0.6ポイント上回る水準となった。地域別では月額31万~39万ドン(約1,900~2,400円、1ドン=約0.0062円)の引き上げとなる。
最低賃金額は、政令に基づいて地域別に設定される(注、添付資料表参照)。国家賃金評議会の提案によると、ハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市を含む地域1は531万ドンから570万ドン(7.3%増)、地域2(バクニン省、ダナン市、ドンナイ省など)は473万ドンから508万ドン(7.4%増)、地域3(フンイエン省、ゲアン省など)は414万ドンから445万ドン(7.5%増)、地域4(地域1~3以外)は370万ドンから404万ドン(9.2%増)へ改定する。特に、地域4では34万ドン引き上げとなり、引き上げ額では地域3(31万ドン)を上回った。これは、最も賃金水準の低い地域の労働者の生活水準改善を目的とした調整だ。
労働者代表の労働総同盟(VGCL)のゴ・ズイ・ヒエウ副会長は「7.8%の引き上げ率は近年では高水準であり、経済の前向きな動きを反映している」と評価した。また、最低生活を保障できる賃金水準の確保は、政府が掲げる2桁成長目標の達成にも資するとの見方を示した。
一方、使用者代表のベトナム商工連盟(VCCI)のホアン・クアン・フォン副会頭は、厳しい経済環境の中で、企業負担の増加への懸念を示しつつも、今回の引き上げ案に同意した。その上で、労働者側にもスキル向上や労働規律の強化、生産性向上に取り組む必要があるとの認識を示した。
統計局によると、2026年上半期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.38%上昇した。特に住宅・水道光熱費・建設資材は6.7%上昇した。
また、VGCLが2026年3~4月に実施した調査では、賃金が日常生活費だけでなく、住宅取得や貯蓄、将来設計にも大きく影響することが示された。今回の引き上げ案が正式に決定された場合、企業は人件費負担の増加への対応を迫られる可能性がある。
(注)2025年7月1日の地方省・市再編後の最低賃金の地域区分の詳細は、政令128号(128/2025/ND-CP)付録1に記載されている。
(グエン・ラン)
(ベトナム)
ビジネス短信 231fe0a6bbef9985
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最低賃金は2027年1月に全国平均で7.8%引き上げへ、国家賃金評議会の最終案決定
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/231fe0a6bbef9985.html
時系列
- 2025-07-01 地方省・市再編後の最低賃金の地域区分が政令128号(128/2025/ND-CP)付録1に記載
- 2025-07-24 2026年の最低賃金7.2%引き上げに関する記事が参照された日
- 2026-03-01 労働総同盟(VGCL)が賃金に関する調査を開始(2026年3~4月実施)
- 2026-06-30 2026年上半期の消費者物価指数(CPI)が前年同期比4.38%上昇
- 2026-07-16 国家賃金評議会が2027年地域別最低賃金2回目協議を行い、全国平均7.8%引き上げの最終案を決定
- 2026-08-03 本記事が発表された日
- 2027-01-01 月額最低賃金引き上げの施行予定日
主な数値
| 全国平均引き上げ率 | 7.8% |
|---|---|
| 2026年引き上げ率 | 7.2% |
| 引き上げ率の差(2027年対2026年) | 0.6ポイント |
| 地域別月額引き上げ額 | 31万~39万ドン |
| 地域1改定後月額 | 570万ドン |
| 地域1引き上げ率 | 7.3% |
| 地域2改定後月額 | 508万ドン |
| 地域2引き上げ率 | 7.4% |
| 地域3改定後月額 | 445万ドン |
| 地域3引き上げ率 | 7.5% |
| 地域4改定後月額 | 404万ドン |
| 地域4引き上げ率 | 9.2% |
| 地域4引き上げ額 | 34万ドン |
| 地域3引き上げ額 | 31万ドン |
| 2026年上半期CPI上昇率 | 4.38% |
| 住宅・水道光熱費・建設資材上昇率 | 6.7% |
この事例から確認すべきポイント
ベトナムにおける今回の最低賃金引き上げ最終案は、労働者の生活水準向上と政府の経済成長目標達成への貢献を目的としています。特に賃金水準の低い地域4で最も高い引き上げ率が提案されており、地域間の格差是正への意図が伺えます。企業にとっては人件費の増加という直接的なコスト増要因となりますが、労働者の購買力向上による国内市場の活性化という側面も考慮すべきです。使用者代表が経済環境の厳しさを指摘しつつも同意した背景には、労働者側のスキル向上や生産性向上への期待があると考えられます。企業は、正式な政令公布に備え、人件費増加への対応策を具体的に検討し始める必要があります。また、添付資料に記載される詳細な地域区分や適用条件を速やかに確認することが重要です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-03
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