「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」の変更について
この発表の要点
- 「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」が2026年6月5日に閣議決定により変更された。
- 新計画は「百年つづく森の国・木の街」を目指し、国産材サプライチェーン構築と多様で健全な森づくりを推進する。
- 国産材利用拡大、スマート林業技術の実装、山村地域の発展、強靱なサプライチェーン構築、国民の安全・安心確保のための森林づくりが主要施策である。
企業・自治体への影響
林業・木材産業に携わる企業は、国産材の需要拡大、供給力強化、スマート林業技術導入、サプライチェーン構築といった新たな施策への対応が求められます。建設業においては、都市の木造化推進や木質系新素材の開発・実装により、木材利用の機会が増加する可能性があります。地方自治体は、山村地域の自立的・持続的発展、国土強靱化に向けた森林整備、野生鳥獣対策、林野火災予防対策など、地域振興や防災計画に本計画を反映させる必要があります。
対応すべきこと
- 林野庁の公式出典にて、変更された「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」の詳細を確認する。
- 自社の事業が計画のどの施策と関連するかを特定し、事業戦略への影響を評価する。
- 国産材利用拡大、スマート林業技術導入、サプライチェーン強化など、関連する施策への対応を検討し、関係部門へ共有する。
- 計画期間(全国森林計画は2024年4月1日〜2039年3月31日)を認識し、中長期的な事業計画に反映させる。
対応優先度: 中 国の基本計画変更であり、林業・木材産業、建設業、地方自治体など広範なステークホルダーに中長期的な影響を与えるため。
対象部門: 経営者 総務 情シス 広報 経理 法務
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 林野庁 |
|---|---|
| 業界 | 林業、木材産業、建設業、環境関連産業 |
| 発表日 | 2026-06-05 |
| 分類 | 制度・法令改正 |
発表された内容
令和8年6月5日
林野庁
~百年つづく「森の国・木の街」へ~
〇令和8年6月5日(金曜日)、「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」の変更が閣議決定。〇森林・林業・木材産業の好循環を生み出し、百年つづく「森の国・木の街」を実現。
新たな「森林・林業基本計画」は、環境に配慮した企業経営やウェルビーイングの観点から木材利用への期待が高まっていることを踏まえ、正の連鎖でつなぐ国産材サプライチェーンを構築し、国民の安全・安心を根底から支える多様で健全な森づくりを着実に進めるものです。これにより、森林・林業・木材産業の好循環を生み出し、百年つづく「森の国・木の街」の実現を目指します。また、これを踏まえ、「全国森林計画」についても変更を行いました。
1.森林・林業基本計画について
森林・林業基本計画(以下「基本計画」という。)は、森林・林業基本法(昭和39年法律第161号)第11条に基づき、森林の有する多面的機能の発揮及び林業の持続的かつ健全な発展等に向け、森林及び林業に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものです。おおむね5年ごとに見直されます。新たな基本計画では、「百年つづく森の国・木の街へ」という副題を初めて掲げました。我が国は、国土の約7割を森林が占める世界有数の森林大国であり、先人から受け継いだこの豊かな森林を適切に循環利用するとともに、木材の活用を通じた木のあふれる街づくりを進めることで、日本列島全体を強く豊かにし、百年先へとつなげていきたいという思いを込めたものです。新たな基本計画における主な施策は次の通りです。<林業・木材産業の成長の実現>○国産材の利用拡大と幅広い需要の創出・SHK制度やLCCO2等による国産材利用効果の見える化・都市の木造化の多角的推進(非住宅・中高層建築物等)・大径材、広葉樹材等を活用した内装材等の需要創出・CLT、ツーバイフォー材等の製品輸出の戦略的拡大・木育の推進・木質系新素材の開発・実装○需要に応じた国産材の供給力強化・施設の生産力強化、工場間連携、ストック機能強化・JAS製材設備、大径材対応設備等の戦略的整備・中小地場の工場等による高付加価値製品の持続的供給の確保○スマート林業技術の実装等による持続的な林業の確立・安全確保や生産性向上に向けた遠隔操作や自動運転機械等の実装・所得向上のためのキャリアに応じた昇給の実現・労働環境の改善に向けた関係者の意識改革の徹底・新規事業者も含めた多様な主体の育成・確保○森業等による山村地域の自立的・持続的発展・山村所得向上や豊かな森林づくりにつなげる森業の推進・関係人口の拡大○ゾーニングと集積・集約化の加速・ゾーニング等による林業適地での確実な再造林・林業適地における路網整備等への支援の重点化・境界明確化や情報透明化等に向けたリモートセンシングとAIの活用・森林経営管理法の最大限の活用・個々の森林境界にとらわれない外縁確定型の普及○強靱なサプライチェーンの構築・再造林コストや森林・木材の持続性に関する情報の共有・相互理解、合理的な価格形成・ICT等による原木流通コーディネート機能の強化<国民生活の安全・安心の確保>○国民の安全・安心を根底から支える多様で健全な森林づくり・国土強靱化に向けた森林整備・治山対策の強化・延焼しにくい多様な林相への転換、林野火災に係る広報等の強化・効率的な病虫害・鳥獣害対策、クマ等の生息環境の保全・整備・生物多様性の保全を図る森林経営の推進・花粉の少ない森林への転換新たな基本計画や林政審議会における議論の経過等については、次のURLを御覧ください。森林・林業基本計画URL:https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/plan/
2.全国森林計画について
全国森林計画は、森林法(昭和26年法律第249号)第4条の規定に基づき、基本計画に即して農林水産大臣が策定する計画で、5年ごとに見直し、15年を1期としています。森林の整備・保全の目標、伐採立木材積等の各種計画量、施業の基準等を定め、都道府県知事が立てる地域森林計画等の指針となります。今回変更した全国森林計画は、令和6年4月1日から令和21年3月31日の15年間を計画期間とするものです。主な変更点は次の通りです。○新たな基本計画に即した目標の区分や各種計画量(伐採立木材積、造林面積等)の見直し○新たな基本計画を踏まえ、次の記述等を追加・林業適地での再造林の確保に向け、特に効率的な施業が可能な森林の区域の設定と森林経営計画の作成等の積極的な推進・生物多様性保全の一層の推進・野生鳥獣対策や林野火災予防対策の推進変更した全国森林計画及び変更の概要については、次のURLを御覧ください。全国森林計画URL:https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/sinrin_keikaku/con_3.html
3.添付資料
報道発表資料(PDF : 453KB)農林水産大臣談話「新たな森林・林業基本計画の閣議決定に当たって」(PDF : 309KB)森林・林業基本計画のポイント(PDF : 3,043KB)森林・林業基本計画~百年つづく「森の国・木の街」へ~(令和8年6月5日閣議決定)(PDF : 717KB)全国森林計画の変更の概要(PDF : 409KB)全国森林計画(令和8年6月5日閣議決定)(PDF : 1,028KB)
お問合せ先(森林・林業基本計画について)林政部企画課担当者:企画第1班代表:03-3502-8111(内線6063)ダイヤルイン:03-3502-8036(全国森林計画について)森林整備部計画課担当者:全国森林計画班代表:03-3502-8111(内線6155)ダイヤルイン:03-6744-2339
出典: 農林水産省 プレスリリース
URL: https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/260605.html
時系列
- 2024-04-01 全国森林計画の新たな計画期間開始
- 2026-06-05 「森林・林業基本計画」及び「全国森林計画」の変更が閣議決定
- 2039-03-31 全国森林計画の計画期間終了
主な数値
| 森林・林業基本計画の見直し頻度 | おおむね5年ごと |
|---|---|
| 国土の森林割合 | 約7割 |
| 全国森林計画の見直し頻度 | 5年ごと |
| 全国森林計画の計画期間 | 15年間 |
この事例から確認すべきポイント
林野庁による「森林・林業基本計画」および「全国森林計画」の変更は、日本の林業・木材産業の持続的な発展と国土の強靭化を目指す重要な政策転換を示すものです。環境配慮型経営やウェルビーイングの観点から木材利用への期待が高まる中、国産材サプライチェーンの構築、スマート林業技術の導入、山村地域の活性化、そして災害に強い森林づくりが重点施策として掲げられています。特に、SHK制度やLCCO2等による国産材利用効果の見える化、都市の木造化推進、CLTやツーバイフォー材等の製品輸出拡大といった具体的な取り組みは、木材需要の創出と供給力強化を両面から図る意図が明確です。また、リモートセンシングとAIの活用による森林情報の透明化や、森林経営管理法の最大限の活用は、効率的かつ持続可能な森林管理への移行を加速させるものと期待されます。これらの計画は、林業・木材産業のみならず、建設業、地域経済、環境保全に関わる幅広いステークホルダーに影響を与えるため、関連企業や自治体は内容を深く理解し、今後の事業戦略や地域振興策に反映させる必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-05
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