水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第13回)の結果について
この発表の要点
- 東日本大震災からの水産加工業者の復興状況は、生産能力・売上ともに改善傾向にあるが、売上の回復は生産能力に比べて遅れている。
- 売上回復の主な要因は新規・既存販売チャネルの強化や新商品開発であり、未回復の要因は原材料・販路・人材の不足である。
- 「水産業復興販売加速化支援事業」の活用が販路回復に寄与しており、今後も原材料確保や販路開拓、生産性向上が重要視されている。
企業・自治体への影響
水産加工業者は、原材料調達、販路開拓、人材確保の課題に引き続き直面しており、これらの課題解決に向けた戦略的な取り組みが求められる。特に、事業支援策の活用が販路回復に有効であることが示唆されているため、関連事業の継続的な情報収集と活用が重要となる。
対応すべきこと
- 自社の復興状況を本アンケート結果と比較し、課題を特定する。
- 「水産業復興販売加速化支援事業」など、国や自治体の支援事業に関する情報を収集し、活用を検討する。
- 原材料の安定確保、新たな販路開拓、生産性向上・省人化に向けた具体的な計画を策定・実行する。
- 人材不足への対応策(採用強化、育成、働き方改革など)を検討する。
対応優先度: 中 業界全体の復興状況と課題を客観的に示しており、関連企業にとっては事業戦略や支援策活用の検討に資する情報であるため。
対象部門: 経営者 広報 経理 総務
対応期限:定期確認
基本データ
| 企業・団体 | 水産庁 |
|---|---|
| 業界 | 水産加工業 |
| 発表日 | 2026-06-05 |
| 分類 | 統計・調査データ |
| 地域 | 青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県 |
発表された内容
令和8年6月5日
水産庁
〇生産能力・売上ともに前回より回復状況が改善。〇依然として売上の回復は生産能力に比べ遅れ。
水産庁は、水産加工関係団体の協力を得て、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県及び千葉県の水産加工業者における東日本大震災からの復興状況に関するアンケートを実施し、その結果を取りまとめました。
1.調査時期・方法
令和7年12月から令和8年4月までの間、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県及び千葉県の全国水産加工業協同組合連合会・日本かまぼこ協会・全国珍味商工業協同組合連合会傘下の組合等所属の797企業を対象にアンケートを実施しました。
2.調査結果のポイント
(1)生産能力や売上の回復状況生産能力が8割以上回復した企業は6県全体で74%となりました。一方、売上が8割以上回復した企業は6県全体で56%にとどまっています。昨年度に比べて生産能力・売上ともに数値の改善は見られるものの、依然として生産能力の回復に比べ売上の回復が遅れています。(2)売上が戻った理由と戻らない理由震災前と同水準まで売上が戻った理由として、6県全体で、「新規販売チャネルでの販売」が51%、「既存販売チャネルの強化」が48%、「新商品開発・新ブランドの開発」が46%となっています。また、震災前と同水準まで売上が戻っていない理由として、6県全体で、「原材料の不足」が62%、「販路の不足・喪失」及び「人材の不足」が34%となっています。こうした中で、「水産業復興販売加速化支援事業」を活用した企業(回答者の84%)の83%が、販路の回復に繋がったと回答しました。(3)今後売上を伸ばしていくために重要と考える取組企業が、今後売上を伸ばしていくために重要と考える取組は、「原材料の確保」が74%、「販路の回復・開拓(国内)」及び「生産性向上・省人化の推進」が63%でした。
3.参考
令和7年6月13日付けプレスリリース「水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第12回)の結果について」水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第12回)の結果について水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第13回)の結果(PDF : 465KB)
お問合せ先
漁政部加工流通課
担当者:福島復興支援班代表:03-3502-8111(内線6616)ダイヤルイン:03-6744-2350
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出典: 農林水産省 プレスリリース
URL: https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kakou/260605.html
時系列
- 2025-06-13 水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第12回)の結果がプレスリリースされる。
- 2025-12-01 水産加工業者における東日本大震災からの復興状況に関するアンケート(第13回)の調査が開始される。
- 2026-04-30 水産加工業者における東日本大震災からの復興状況に関するアンケート(第13回)の調査が終了する。
- 2026-06-05 水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケート(第13回)の結果が発表される。
主な数値
| 対象企業数 | 797企業 |
|---|---|
| 生産能力8割以上回復企業割合 | 74% |
| 売上8割以上回復企業割合 | 56% |
| 売上が戻った理由「新規販売チャネルでの販売」の回答割合 | 51% |
| 売上が戻った理由「既存販売チャネルの強化」の回答割合 | 48% |
| 売上が戻った理由「新商品開発・新ブランドの開発」の回答割合 | 46% |
| 売上が戻っていない理由「原材料の不足」の回答割合 | 62% |
| 売上が戻っていない理由「販路の不足・喪失」の回答割合 | 34% |
| 売上が戻っていない理由「人材の不足」の回答割合 | 34% |
| 「水産業復興販売加速化支援事業」を活用した企業の割合 | 84% |
| 同事業活用企業のうち販路回復に繋がったと回答した割合 | 83% |
| 今後売上を伸ばすために重要と考える取組「原材料の確保」の回答割合 | 74% |
| 今後売上を伸ばすために重要と考える取組「販路の回復・開拓(国内)」の回答割合 | 63% |
| 今後売上を伸ばすために重要と考える取組「生産性向上・省人化の推進」の回答割合 | 63% |
この事例から確認すべきポイント
水産庁が実施した東日本大震災からの復興状況に関するアンケート結果は、被災地の水産加工業が着実に回復している一方で、依然として課題を抱えている現状を客観的に示している。生産能力の回復が売上の回復を先行している点は、供給体制は整いつつあるものの、市場での需要創出や販路確保が追いついていないことを示唆する。特に、原材料不足、販路の不足・喪失、人材不足が売上回復を阻む主要因として挙げられており、これらの構造的な課題への継続的な対策が不可欠である。また、「水産業復興販売加速化支援事業」の活用が販路回復に有効であったという結果は、公的支援策の重要性を裏付けている。今後、企業は原材料の安定確保、国内外の販路開拓、生産性向上・省人化を重点的に推進する必要があることが示唆されており、これらの取り組みを通じて持続的な成長を目指すことが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-05
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