英政府、CBAMの炭素価格軽減措置を受けられるカーボンプライシング制度の暫定リストを公表、日本のGX-ETSも対象
この発表の要点
- 英政府がCBAMの炭素価格軽減措置(CPR)の暫定リストを公表し、日本のGX-ETSも対象に含まれた。
- 英国のCBAMは2027年1月の導入が予定されており、対象セクターはアルミニウム、セメント、肥料、水素、鉄鋼。
- CPRの適用には輸入者の申請が必要であり、サプライチェーン上の事業者も排出量等の情報提供を求められる可能性がある。
企業・自治体への影響
対象セクター(アルミニウム、セメント、肥料、水素、鉄鋼等)およびそのサプライチェーンに関わる製造業・輸出入部門に対し、英国向け輸出時のCBAM納付額軽減に向けた排出量データ算定・開示の準備を促す影響がある。
対応すべきこと
- 自社製品や前駆体が英国CBAMの対象セクターに該当するか確認する
- サプライチェーン上の取引先と連携し、生産施設の二酸化炭素排出量データの把握・管理体制を整える
- 英国政府による暫定リストの継続的な見直し動向や公式出典の最新情報を注視する
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 英国政府 |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-09-04 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月04日
英国政府は8月27日、炭素国境調整メカニズム(CBAM)において「炭素価格軽減措置(Carbon Price Relief:CPR)」の適用対象となるカーボンプライシング制度の暫定リストを公表した。日本の排出量取引制度(GX-ETS)も含まれる。
CBAMは、カーボンリーケージ対策として、対象製品(注)の輸入に対して排出量取引制度(ETS、2024年5月27日付地域・分析レポート参照)をベースとした炭素価格を課す(カーボンプライシング)制度だ。英国では2027年1月の導入を予定している。同制度には、対象製品が原産国などで英国政府が適格と認めるカーボンプライシング制度の対象となっている場合、二重課税を防ぐために当該カーボンプライシング制度により支払われた炭素価格に相当する額を控除できる措置、CPRが設けられている。しかし、対象となるカーボンプライシング制度についてはこれまで適合基準が示されているのみで、具体的な制度名は公表されていなかった。
CPRの適用を受けられるCBAM対象製品の輸入者はCBAM納付額を軽減できる。ただしCPRは自動では適用されず、輸入者は必要な書類や関連情報を基に控除額を算定して申請する必要がある。そのため、生産者は輸入者から、生産施設の二酸化炭素排出量や適格なカーボンプライシング制度の適用状況など、CPRの算定に必要な情報を求められる可能性がある。また、CPRは前駆体(CBAM対象製品の生産の前段階として合成する物質や材料)に使用されるCBAM対象製品にも適用されるため、製品生産者だけでなく、サプライチェーン上の関係事業者もこれらの情報を求められる可能性がある。
なお、同リストは6月19日時点の情報に基づくもので、英国政府は今後、継続的に見直しを行うとしている。見直しに当たっては、新たなカーボンプライシング制度を追加するだけでなく、制度変更により基準に適合しなくなったカーボンプライシング制度を除外することもあり得るとしている。
(注)UK CBAMの対象セクターは、アルミニウム、セメント、肥料、水素、鉄鋼。具体的な対象製品は合同関税品目分類表(CN)のCNコードによって判断される(詳細は英国政府「CBAM政策要旨」付則を参照)。EU CBAMの対象セクターは、これらに電力が加わる。
(齊藤圭)
(英国、日本)
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英政府、CBAMの炭素価格軽減措置を受けられるカーボンプライシング制度の暫定リストを公表、日本のGX-ETSも対象
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/e49c0ff1b9c252fb.html
時系列
- 2024-05-27 排出量取引制度(ETS)に関する地域・分析レポート参照
- 2026-06-19 暫定リストの基準日
- 2026-08-27 英国政府がCBAMの炭素価格軽減措置(CPR)の適用対象となるカーボンプライシング制度の暫定リストを公表
- 2027-01 英国でのCBAM導入予定
主な数値
| 英国CBAM導入予定時期 | 2027年1月月 |
|---|---|
| リスト基準日 | 2026年06月19日日 |
この事例から確認すべきポイント
英国が導入を予定する炭素国境調整メカニズム(CBAM)において、日本のGX-ETSが炭素価格軽減措置(CPR)の暫定リストに含まれたことは、対英輸出品を持つ日本の製造業にとって二重課税を防ぐ観点で重要な進展である。一方で、CPRの適用は自動ではなく輸入者による申請が必要であり、サプライチェーンを通じて生産施設の排出量や適用状況のデータ提供が求められる。対象セクター(アルミニウム、セメント、肥料、水素、鉄鋼)や前駆体に関わる企業は、正確な排出量算定と情報開示の体制整備を急ぐ必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-04
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