中国、長期介護保険の給付管理の全国統一化に向け、指針を公表
この発表の要点
- 中国国家医療保障局が「長期介護保険支払い管理業務の適切な実施に関する指導意見」を公表し、給付範囲や支払い方式の全国統一化を推進
- 生活介護20項目・医療看護16項目の計36項目が給付範囲となり、既存試行地域には約3年間の移行期間を設定
- 2025年末時点で加入者数は約3億855万人、基金支出は186億4,400万元(約4,475億円)に達する
企業・自治体への影響
中国で医療・介護サービスや関連機器を展開する企業にとって、給付範囲や支払い基準の全国統一化および品質評価制度の導入が事業戦略に直接影響を与える。経営企画部門や海外事業部門における制度動向の把握が必要となる。
対応すべきこと
- 公式出典や関連法規に基づき、自社の提供する介護サービスや機器が「国家長期介護保険サービス項目目録(試行)」の対象に合致するか確認する
- 中国の試行地域および全国展開における移行期間(約3年間)のスケジュールや影響を関連部門で共有・管理する
- スマート介護サービスや介護補助器具に関する今後の国家レベルでの算出方法の統一化に向けた動向を注視する
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:2028年末(全国導入目標)
基本データ
| 企業・団体 | 中国国家医療保障局 |
|---|---|
| 業界 | 医療・福祉 |
| 発表日 | 2026-09-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月03日
中国国家医療保障局は8月26日、「長期介護保険支払い管理業務の適切な実施に関する指導意見」(以下、意見)を公表した。中国政府は2028年末までに長期介護保険制度を全国導入する方針を示していた(2026年4月1日記事参照)。本意見は、地域ごとに異なる給付範囲、支払い方式、支払い基準について統一的な指針を示し、各省・市・自治区などに対し、それに基づく実施を求めるもの。なお、既存の試行地域(注)において関連業務が本意見の要件に合致しない場合は約3年間の移行期間を設けるとした。
指導意見によると、長期介護保険基金は、要介護度の認定評価を行う指定評価機関が実施する要介護度評価に係る費用、認定を受けた介護サービス機関(以下、認定介護サービス機関)が提供する介護サービス費、民間機関などが担う保険運営管理業務の費用などを給付する。介護サービスの給付範囲は、2025年9月に公表された「国家長期介護保険サービス項目目録(試行)」に基づく。同目録は、食事や排せつなどの生活介護20項目と、看護やリハビリテーションなどの医療・看護関連16項目の計36項目を定めている。
支払い方式は、要介護度の評価機関に対しては実施件数ベース、介護サービス機関に対しては提供時間ベースでの支払いを基準とした。また、在宅介護サービス提供者に対しては時間、施設介護サービス提供者に対しては利用者1人当たりの利用日数を基準とし、コミュニティー介護サービス提供者に対しては実際のサービス内容に応じて算定方法を定める。具体的な支払い基準は、長期介護保険基金の財源や介護サービスの需給状況などを踏まえ、各地域が設定し、必要に応じて見直す方針だ。長期介護保険の給付対象に含まれるスマート介護サービスや介護補助器具については、定額払いまたはサービス項目単位での支払いを含む算出方法を、今後、国家レベルで統一的に検討するとした。
また、要介護度の評価機関と認定介護サービス機関のサービス品質を評価し、その結果を各機関に対する費用支払いや契約更新に反映するとした。あわせて、要介護度の評価料金と介護サービス料金を継続的にモニタリングするほか、長期介護保険基金の使用について、立ち入り検査やスマート監督管理などによる常態的な監督体制を整備するとした。
中国において2025年末時点での長期介護保険の加入者数は約3億855万人、2025年中に給付を受けた人は約193万人。同年の長期介護保険基金支出は186億4,400万元(約4,475億円、1元=約24円)で、認定介護サービス機関は約1万3,000カ所、介護従事者は約40万人だった。
(注)中国では2016年から長期介護保険制度の試行導入が開始され、2025年末までに49の都市で実施されてきた。
(呉冬梅)
(中国)
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中国、長期介護保険の給付管理の全国統一化に向け、指針を公表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/69497f8f0a243ab5.html
時系列
- 2016-01-01 中国で長期介護保険制度の試行導入を開始
- 2025-09-01 「国家長期介護保険サービス項目目録(試行)」を公表
- 2026-08-26 中国国家医療保障局が「長期介護保険支払い管理業務の適切な実施に関する指導意見」を公表
- 2026-09-03 ジェトロが本件に関するビジネス短信を公開
主な数値
| 長期介護保険導入目標期限 | 2028年末まで |
|---|---|
| 既存試行地域の移行期間 | 約3年年間 |
| 生活介護項目数 | 20項目 |
| 医療・看護関連項目数 | 16項目 |
| 介護サービス項目合計 | 36項目 |
| 加入者数 | 約3億855万人 |
| 給付受給者数 | 約193万人 |
| 長期介護保険基金支出 | 186億4,400万元 |
| 長期介護保険基金支出(日本円換算) | 約4,475億円 |
| 認定介護サービス機関数 | 約1万3,000カ所 |
| 介護従事者数 | 約40万人 |
| 試行実施都市数 | 49都市 |
この事例から確認すべきポイント
中国における長期介護保険制度の全国統一化に向けた具体的な給付管理指針の公表である。これまで地域ごとに異なっていた給付範囲や支払い方式、基準を整理し、2028年末の全国導入に向けた基盤整備を進める姿勢が示されている。医療・介護関連ビジネスを展開する企業にとっては、サービス項目目録(全36項目)や新たな支払い基準への適合が求められるほか、スマート介護サービスや補助器具の今後の国家レベルでの算出方法の統一化に向けた動向注視が必要となる。現時点で取得できた本文からは、詳細を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-03
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