カナダ-米国貿易担当相、対カナダ338条関税の発表後、米USTRグリア代表と2回目の会談
この発表の要点
- カナダと米国は、米国が課した追加関税を巡り、閣僚級会談を重ねている。
- 米国はカナダ産品に対し、1974年通商法301条に基づく10%の追加関税と、1930年関税法338条に基づく乳製品等への50%の追加関税を適用している。
- 両国政府からの正式発表はないが、カナダ側は包括的合意の実現を目指す意向を示している。
企業・自治体への影響
米国とカナダ間の貿易に関わる企業、特に乳製品、アルコール飲料、自動車部品を扱う企業は、既に適用されている50%の追加関税により、コスト増大やサプライチェーンの見直しを迫られる可能性があります。その他のカナダ産品も10%の追加関税の対象となります。これらの影響は、企業の財務部門、調達部門、販売部門に直接的な影響を与えます。
対応すべきこと
- 自社がカナダ・米国間の貿易に関与している場合、対象品目と適用されている関税率を公式出典で確認する。
- 特に乳製品、アルコール飲料、自動車部品を扱う企業は、50%の追加関税が事業に与える影響を評価し、対応策を検討する。
- 今後の貿易交渉の進展や両国政府からの公式発表を継続的に監視し、情報収集に努める。
- サプライチェーン、調達、販売、法務、経理などの関係部門と情報を共有し、関税影響と対応策について協議する。
対象部門: 経営者 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月10日
カナダのドミニク・ルブラン・カナダ-米国貿易・州政府間関係・国内貿易・ワンカナダ経済担当相とジャニス・シャレット対米首席貿易交渉官は8月6日、米国の首都ワシントンで米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と会談した。ルブラン氏とシャレット氏は7月29日にもグリア代表と会談しており、対カナダ338条関税の発表後2回目となる。
両国の閣僚は、米・カナダ間の通商問題について協議したとみられる。米国は7月24日に1974年通商法301条に基づき、カナダ産品に10%の追加関税の適用を開始した(2026年7月24日記事参照)。7月20日には1930年関税法338条に基づき、カナダ産の乳製品、アルコール飲料、自動車部品に対し、50%の追加関税を課す大統領布告を発表している(2026年7月21日記事参照)。また7月1日には、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、注1)の延長に向けた3カ国協議が開催されたが、延長合意には至らなかった(2026年7月3日記事参照)。
今回の閣僚会談について、両国政府から正式な発表はない。一方、ルブラン氏は自身のSNS投稿で、「分野別関税(注2)への対応を含め、カナダの労働者、農業従事者、企業に利益をもたらす包括的な合意の実現を引き続き目指す」と述べた。「グローブ・アンド・メール」紙(8月6日)によれば、米国の対カナダ338条関税に関して、適用開始予定日の8月19日までに何らかの合意に至る可能性について、会談後に記者団から問われたルブラン氏は「そう願っている」と答えた一方、具体的な協議の進展には言及しなかった。
ルブラン氏は、グリア代表との会談に先立つ8月5日、米国のケビン・クレイマー上院議員(共和党、ノースダコタ州)およびビル・ハガティ上院議員(共和党、テネシー州)とそれぞれ会談した(注3)。ルブラン氏はSNS投稿で、両議員との会談では、両国の労働者と企業を支える安定的で相互利益的な貿易関係を促進する必要があるとの考えを伝達した。一方、クレイマー氏はルブラン氏との会談について、対カナダ338条関税に関する発表を契機に「(両国の)関係改善や交渉進展に向けた前向きな流れができている」と述べ、カナダとの協議が活発化しているとの認識を示した(「CBCニュース」8月6日)。
(注1)米国では「USMCA」、メキシコでは「T-mec」とも呼ばれる。
(注2)具体的な言及はないものの、338条関税および232条関税の分野別関税を指すとみられる。
(注3)クレイマー氏は2025年5月から米国・カナダ議員連盟の共同代表を務めている。ハガティ氏は上院外交委員会の委員を務めている。
(木村勇翔)
(カナダ、米国)
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ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
カナダ-米国貿易担当相、対カナダ338条関税の発表後、米USTRグリア代表と2回目の会談
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/2c28ea04d05b36fa.html
時系列
- 2026-07-01 カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA)の延長に向けた3カ国協議が開催されたが、延長合意には至らなかった
- 2026-07-20 1930年関税法338条に基づき、カナダ産の乳製品、アルコール飲料、自動車部品に対し、50%の追加関税を課す大統領布告を発表
- 2026-07-24 1974年通商法301条に基づき、カナダ産品に10%の追加関税の適用を開始
- 2026-07-29 カナダのルブラン氏とシャレット氏が米USTRのグリア代表と会談(対カナダ338条関税発表後1回目)
- 2026-08-05 カナダのルブラン氏が米国のケビン・クレイマー上院議員およびビル・ハガティ上院議員とそれぞれ会談
- 2026-08-06 カナダのルブラン氏とシャレット氏が米USTRのグリア代表と会談(対カナダ338条関税発表後2回目)
- 2026-08-19 米国の対カナダ338条関税の適用開始予定日
主な数値
| 追加関税率(1974年通商法301条に基づく) | 10% |
|---|---|
| 追加関税率(1930年関税法338条に基づく) | 50% |
| 会談回数(338条関税発表後) | 2回 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、国際的な貿易摩擦が企業活動に与える影響の大きさと、政府間交渉の不確実性を示しています。米国がカナダ産品に課した追加関税は、特に乳製品、アルコール飲料、自動車部品を扱う企業にとって、コスト増大やサプライチェーンの見直しを迫る深刻な課題となります。公式発表が限定的である中で、閣僚のSNS投稿や報道を通じて情報が断片的に開示される状況は、企業広報担当者にとって、多角的な情報源を監視し、正確な状況把握に努めることの重要性を示唆します。また、貿易政策の変更は、関連する法務、経理、調達、販売部門に広範な影響を及ぼすため、部門横断的な情報共有と迅速な対応策の検討が不可欠です。現時点で取得できた本文からは、具体的な関税対象品目の詳細や、企業が取るべき具体的な手続きに関する詳細を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-10
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