経済・産業トレンド 施行済み

米税関、輸入申告の事後修正プロセス変更に関するガイダンスを発表、8月5日から適用開始

米国国境・税関警備局(CBP)は、輸入申告の事後修正(PSC)手続きに関するプロセス変更のガイダンスを発表しました。主な変更点として、増額関税の電子支払い義務化、追加納付額の全額支払い義務化、利息支払いタイミングの明記、および特定の条件下でのPSC提出期限の例外措置導入が挙げられます。これらの変更は2026年8月5日から適用されます。

最終確認日: 2026-08-06

この発表の要点

企業・自治体への影響

米国へ製品を輸入する製造業、小売業、商社などの企業は、関税支払いプロセスと内部統制の見直しが求められます。特に経理・財務部門および貿易実務部門は、新たな支払い方法への対応と、PSC提出期限の例外措置を理解し、適切な手続きを行う必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 米国国境・税関警備局
業界 小売・EC・運輸・物流
発表日 2026-08-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月05日

米国国境・税関警備局(CBP)は8月3日、輸入申告の事後修正(Post Summary Correction:PSC)手続きに関するプロセス変更のガイダンスを発表した。変更は7月6日に官報で発表されていたもので、8月5日に適用が開始された。

米国では、輸入者が輸入時に納入する関税は暫定的な額(推定関税)となっており、CBPはその後、通常314日以内に最終的な関税額を確定・通知する。ここで確定した関税額と推定関税との間に差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算という(注1)。PSCはこの関税清算前に、輸入者が自主的に輸入申告内容を修正する手続きだ。輸入者は、輸入時に提出した輸入概要書(Entry Summary)に誤りを発見した場合(注2)、一定の条件の下でPSCを提出し、申告内容を修正できる(注3)。PSCは電子申請システム(ACE)を通じて提出する。

ガイダンスでは、今回の変更点に次の4点を挙げた。

支払いの電子化:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、現金や小切手による支払いは認められなくなる。今後、輸入者はCBPによる口座引き落とし(ACH Debit)または銀行に対するCBPへの送金指示(ACH Credit)のいずれかにより、電子的に支払う必要がある(注4)。

全額支払いの義務化:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、追加納付額の一部のみを支払うことは認められなくなる。今後、輸入申告者は追加となった関税などを全額支払うか、CBPの清算まで待つ必要がある。また、追加分の関税を支払うことなく新たなPSCを提出することも認められない。

利息の支払いタイミングの明記:PSCの結果、支払うべき関税などが増額した場合、その利子の支払いは、CBPの清算が終了し、未払い利息に関する請求書が発行された時点で行う必要がある。

PSCの提出期限に関する例外措置の導入:PSCの提出期限は輸入日(Date of Entry)から300日以内、またはCBPの清算予定日の15日前までのうち、早い方となっている。今後、輸入日から301日以上経過していても、清算がアンチダンピング関税(AD)や補助金相殺関税(CVD)の適用などを理由に301日以上保留されている場合、例外的にPSCの提出が認められる(注5)。

なお、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税の還付請求のためにPSCを提出することは認められていない(2026年4月13日記事参照)。IEEPA関税の還付は、「統合通関管理・処理システム(CAPE)」での申請により行われる。CBPは、CAPEを通じ、関税が未清算、または清算後80日までの輸入申告に対して還付申請を受け付けている(注6)。

(注1)関税清算後でも、180日以内であればCBPに対して異議申し立て(Protest)を行うことができ、これが認められれば、再清算となる。申し立ては通常、CBPフォーム19のフォーマットが利用される。詳細はCBPのウェブサイト参照。
(注2)輸入概要書への記載内容のうち、入国港や入国日、自由貿易協定(FTA)などの適用対象であることを示すインジケーターなど、一部項目は修正できない。
(注3)PSCの提出期限内であるほか、CBPが輸入概要書を受理済み(Accepted Status)であることなど。条件の詳細は官報やCBPのウェブサイトを参照。このほか、PSCの詳細は、ユーザーズガイドを参照。
(注4)ACHは銀行間の自動決済ネットワーク「Automated Clearing House」の略称。それぞれの手続きの進め方については、ガイダンスやCBPの解説ページを参照。
(注5)例外措置は、2022年に導入されていたが、今回の官報およびガイダンスを通じて明文化された。詳細はCBPの例外措置導入時のガイダンスを参照。
(注6)CBPは今後、清算が最終確定している輸入に対しても、還付申請の対象とする方針を示している。その場合、CBPは貨物システムメッセージサービス(CSMS)を通じて発表する(2026年6月25日記事参照)。

(滝本慎一郎)

(米国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/08dcbe3f07d19bb0.html

時系列

主な数値

CBPによる最終関税額確定・通知期間 314日
PSC提出期限(通常) 300日
PSC提出期限(例外措置対象期間) 301日以上
関税清算後の異議申し立て可能期間 180日
CAPEを通じた還付申請受付期間(清算後) 80日

この事例から確認すべきポイント

米国国境・税関警備局(CBP)による輸入申告の事後修正(PSC)プロセス変更は、米国へ製品を輸入する企業にとって、コンプライアンスと財務管理に大きな影響を与えます。増額関税の電子支払い義務化と全額支払い要件の導入は、企業の経理・財務部門に対し、既存の支払いシステムとプロセスをCBPの電子プラットフォーム(ACH Debit/Credit)に適合させるための見直しを促します。また、利息支払いタイミングの明確化は、関税増加に伴う財務計画と引当金計上プロセスの調整を必要とします。アンチダンピング関税(AD)や補助金相殺関税(CVD)に関連する長期保留案件におけるPSC提出期限の例外措置は、特定の状況下での修正機会を提供しますが、同時に輸入状況の厳格な追跡管理が不可欠となります。企業は、CBPが提供する詳細なガイダンスやユーザーマニュアルを参照し、内部手続きの更新、関連部門への情報共有、および担当者への研修を速やかに実施することで、新たな規制への円滑な移行とコンプライアンス維持を図るべきです。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-05 / 最終確認: 2026-08-06

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-06

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