経済・産業トレンド

米自動車大手2社、EV再編費用で第2四半期は最終損益悪化も、通期見通しは引き上げ

米国の自動車大手フォードとゼネラルモーターズ(GM)は、2026年第2四半期決算を発表しました。両社ともにEV関連の再編費用を計上したことで最終損益は悪化しましたが、高採算車種の販売構成やコスト削減により調整後EBITは改善し、通期見通しを引き上げました。また、両社は防衛関連事業を新たな成長分野として言及しています。

最終確認日: 2026-08-04

この発表の要点

企業・自治体への影響

自動車業界、特にEV関連事業を展開する企業は、再編や戦略見直しに伴う一時的な費用発生を考慮しつつ、収益性の高い既存事業の強化や新たな収益源の模索が重要となります。サプライヤー企業も、大手メーカーの戦略変更や車種構成の変化に注意を払い、事業機会やリスクを評価する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 自動車・輸送機器
発表日 2026-08-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月03日

米国の自動車大手フォードは7月28日、2026年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比3.8%減の483億ドル、最終損益は13億ドルの赤字となった。韓国の電池メーカーSKオンとの合弁会社「ブルー・オーバルSK」の解消に伴う36億ドルを含む計42億ドルの特別費用を計上したことなどが影響した(2025年12月24日記事参照)。一方、同費用などの特殊要因を除く調整後EBIT(利払い・税引き前利益)は、前年同期比で17%増加し、25億ドルとなった。世界卸売台数が減少(注1)する中でも、ピックアップトラックなど採算性の高い車種を中心とする販売構成と、割引などを除く実質販売価格の上昇が利益を押し上げた。関税コストについては、第2四半期単独の負担額は開示せず、通期見通し額を約10億ドルに据え置いた。なお、製品部門別で最大の赤字を計上した電気自動車(EV)部門「Model e」のEBIT赤字は生産・販売規模の適正化とコスト削減、米国での販売奨励金の減少などにより、前年同期の13億ドルから9億ドルへ縮小したものの、同部門の売上高は前年同期比56%減少した。通期の調整後EBIT見通しについては、引き続き良好な販売構成と価格効果を見込み、これまでの85億~105億ドルから100億~110億ドルへ引き上げた。

ゼネラルモーターズ(GM)も7月21日、2026年第2四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比1.9%増の480億ドル、純利益は31.1%減の13億ドルだった。バッテリー事業を含むEV戦略の見直しに伴う23億ドルの特別費用などが影響した。一方、調整後EBITは29.8%増の39億ドルと大きく改善した。北米での大型ピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の堅調な需要に加え、運転支援システム「スーパークルーズ」のサブスクリプション需要の増加、販売奨励金の抑制による価格効果、保証費用や関税負担(注2)、排ガス規制関連費用の減少が利益を押し上げた。特に北米事業の改善が全社の増益を牽引し、同地域の利益率は前年同期比6.1%増から8.6%増へ上昇した。通期の調整後EBIT見通しは、第2四半期の改善傾向が続くと判断して、これまでの135億~155億ドルから140億~160億ドルに引き上げた。

また、両社ともに成長分野として防衛関連事業に言及した。GMが約1,200台を受注済みの米陸軍向け車両について、追加調達に期待する一方、フォードは大型ピックアップトラック「スーパーデューティ」をベースとする軍用車両の試作車3台を米政府向けに製造し、追加案件についても協議していると述べた。両社にとって新たな収益源となるか、注目される。

(注1)世界の卸売台数は前年同期比12%減少。
(注2)第2四半期の総関税コストは約9億ドル。2026年通年の関税負担額は25億~35億ドルを見込む。

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 d813b7eb5cb00caf

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

米自動車大手2社、EV再編費用で第2四半期は最終損益悪化も、通期見通しは引き上げ

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/d813b7eb5cb00caf.html

時系列

主な数値

フォード 2026年第2四半期 売上高 483億ドル
フォード 2026年第2四半期 最終損益 13億ドルの赤字
フォード 2026年第2四半期 特別費用 42億ドル
フォード 2026年第2四半期 SKオン合弁解消費用 36億ドル
フォード 2026年第2四半期 調整後EBIT 25億ドル
フォード 2026年第2四半期 EV部門「Model e」EBIT赤字 9億ドル
フォード 2026年第2四半期 EV部門「Model e」売上高減少率 56%
フォード 2026年通期調整後EBIT見通し 100億~110億ドル
GM 2026年第2四半期 売上高 480億ドル
GM 2026年第2四半期 純利益 13億ドル
GM 2026年第2四半期 特別費用 23億ドル
GM 2026年第2四半期 調整後EBIT 39億ドル
GM 2026年第2四半期 北米事業利益率 8.6%増
GM 2026年通期調整後EBIT見通し 140億~160億ドル
世界の卸売台数 前年同期比減少率 12%
GM 2026年第2四半期 総関税コスト 9億ドル
GM 2026年通年関税負担額見込み 25億~35億ドル
GM 米陸軍向け車両受注数 1200台
フォード 軍用車両試作車製造数 3台

この事例から確認すべきポイント

米国の主要自動車メーカーであるフォードとGMの2026年第2四半期決算は、EVシフトに伴う事業再編費用が最終損益を圧迫したものの、高採算性のピックアップトラックやSUVといった既存事業の堅調な需要、コスト削減、価格効果が調整後EBITの改善に寄与し、通期見通しを引き上げる結果となりました。これは、EVへの大規模投資が続く中で、既存事業の収益力維持が企業業績を支える重要な要素であることを示唆しています。また、両社が防衛関連事業を新たな成長分野として言及している点は、自動車産業が単なるモビリティ提供にとどまらず、多角的な収益源を模索している現状を反映しており、今後の事業戦略の方向性として注目されます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-03 / 最終確認: 2026-08-04

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-04

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する