バングラデシュ、食品事業者の登録・ライセンス制度を導入
この発表の要点
- バングラデシュ政府は食品事業者の登録・ライセンス制度を2026年7月16日に即日施行した。
- 食品事業者は「登録」または「ライセンス」のいずれかの取得が義務付けられ、有効期間は3年間で更新が必要となる。
- 産業界からは規制負担の増加や既存制度との重複に関する懸念が表明されている。
企業・自治体への影響
バングラデシュで食品の製造、加工、輸入、保管、流通、販売を行う日本企業は、新たな登録・ライセンス制度への対応が必須となる。特に輸入事業者や大規模な食品関連事業者は、手数料の変動や既存の許認可制度との整合性について、法務・経理部門と連携し確認する必要がある。
対応すべきこと
- 自社の事業がバングラデシュの新たな食品安全(登録・ライセンス)規則の対象となるか確認する。
- 登録またはライセンス取得の要件、費用、手続き、期限についてバングラデシュ食品安全庁(BFSA)の公式情報を確認する。
- 既存の許認可との重複や、新たな規制が事業運営に与える影響を評価し、関係部門(法務、経理、事業部門)へ共有する。
- バングラデシュ政府が進める関連規則(包装食品表示規則案など)の整備動向を継続的に注視する。
対象部門: 経営者 法務 経理
対応期限:施行済み
基本データ
| 企業・団体 | バングラデシュ政府 |
|---|---|
| 業界 | 食品 |
| 発表日 | 2026-07-28 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月28日
バングラデシュ政府は7月16日、「食品安全(登録・ライセンス)規則2026」を官報公布し、即日施行した。新規則は、食品の製造、加工、輸入、保管、流通、販売に関わる事業者を対象に、バングラデシュ食品安全庁(BFSA)への登録またはライセンス取得を義務付けるもので、食品安全管理の強化と事業者監督の徹底を目的としている。
新規則では、食品事業者を「登録」対象と「ライセンス」対象に区分する。レストラン、ベーカリー、ジュースバー、ケータリング事業者、菓子店、乳製品メーカー、包装食品メーカー、加工食品輸入業者などは登録の対象となるほか、屋台や露店など小規模事業者にも登録義務が課される。一方、乳児用食品や医療・高齢者向け食品、栄養強化食品、有機食品、遺伝子組み換え食品、放射線照射食品、食用油の商業生産・輸入、民間倉庫・冷蔵施設などは、より厳格なライセンス制度の対象となる。登録・ライセンスの有効期間はいずれも3年間で、更新が必要となる。
登録料は1,000タカ(約1,300円、1タカ=約1.3円)、更新料は500タカ。ライセンス料は施設規模などに応じて設定され、特に大型倉庫では最大4万タカとなる。また、一部の手数料は貨物価格(C&F価格)を基準に算定されるため、輸入事業者などでは負担が変動する可能性がある。
これに対し、産業界からは制度の必要性を認めつつも、規制負担の増加を懸念する声が上がっている。大手食品メーカーのプラン・アールエフエル(PRAN-RFL)グループは、食品関連事業の開始に当たり既に17の政府機関から許認可を取得する必要があるとして、新制度は「18番目のライセンス」になりかねないと指摘した。乳製品などを広く手掛けるメグナ・グループも、複数機関による重複規制が企業負担や行政コストを増大させ、政府が進めるシングルウィンドウ政策とも整合しないとの見方を示している(「デーリー・スター紙」7月22日)。レストラン業界からも、約48万店の事業者への一律適用は現実的ではなく、段階的な制度導入を求める声が出ている。
これに対しBFSAは、当面は大規模な工業生産事業者を重点的な監督対象とし、既にバングラデシュ標準試験機関(BSTI)の認証を取得している事業者についても、食品安全の観点から独自に監視を継続すると説明した。また、輸入食品の監視体制を強化するため、港湾4カ所に配置する食品安全担当官25人の採用を進める方針を明らかにしている。
今回の規則は、食品安全基準そのものを改定するものではなく、食品事業者を登録・ライセンス制度の下で一元的に管理する枠組みを整備する点に特徴がある。政府は包装食品表示規則案を含む関連規則の整備も進めており、食品関連事業者には制度全体の動向を注視することが求められる。
(片岡一生)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 ac34c9df10754e06
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バングラデシュ、食品事業者の登録・ライセンス制度を導入
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/ac34c9df10754e06.html
時系列
- 2026-07-16 バングラデシュ政府が「食品安全(登録・ライセンス)規則2026」を官報公布し、即日施行。
- 2026-07-22 「デーリー・スター紙」が産業界の懸念を報道。
主な数値
| 登録料 | 1000タカ |
|---|---|
| 登録料(円換算) | 1300円 |
| 更新料 | 500タカ |
| 登録・ライセンス有効期間 | 3年間 |
| 大型倉庫のライセンス料上限 | 40000タカ |
| PRAN-RFLグループが既に取得している許認可数 | 17の政府機関から許認可 |
| レストラン業界の事業者数 | 480000店 |
| 港湾に配置する食品安全担当官数 | 25人 |
| 食品安全担当官を配置する港湾数 | 4カ所 |
この事例から確認すべきポイント
バングラデシュ政府による食品事業者の登録・ライセンス制度導入は、食品安全管理の強化と事業者監督の徹底を目的としており、国際的な食品安全基準への対応強化の一環と見られる。しかし、産業界からは、既存の許認可制度との重複や新たな規制負担の増加に対する懸念が表明されている。特に、既に多数の許認可が必要な状況下での「18番目のライセンス」という指摘は、企業が直面する行政手続きの複雑さを浮き彫りにしている。BFSAは大規模事業者への重点監督や輸入食品監視体制の強化を進める方針を示しているが、中小規模事業者への影響や、政府が推進するシングルウィンドウ政策との整合性については、今後の運用状況を注視する必要がある。日本企業がバングラデシュで食品関連事業を展開する際、この新制度への対応は不可欠であり、関連規則の整備動向を含め、継続的な情報収集と適切な手続きが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-28
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