ドイツのプロキシマ・フュージョン、核融合分野で欧州最大規模の資金調達を実施
この発表の要点
- プロキシマ・フュージョンは4億1,100万ユーロの資金調達を実施し、欧州核融合分野で過去最大規模の民間資金調達を達成、ユニコーン企業となった。
- 調達資金は、正味エネルギー生成を目指すステラレータ型核融合実証炉「Alpha」の建設に充てられ、バイエルン州の公的支援条件が満たされた。
- 連邦政府による12億ユーロの支援は未確約であり、RWEやGoogleを含む官民連携で商業用核融合発電所の建設を目指す構想が示されている。
企業・自治体への影響
核融合エネルギー開発に関わるエネルギー企業、研究開発機関、および次世代技術への投資を検討する企業や投資家にとって、大規模な資金調達と官民連携の動向は重要な情報です。特に、ドイツのエネルギー政策やスタートアップ支援策に関心のある企業は、この事例から戦略的な示唆を得られる可能性があります。
対応すべきこと
- 核融合技術の進展と関連する政策動向を継続的にモニタリングする。
- 次世代エネルギー分野における投資機会やパートナーシップの可能性を評価する。
- 自社の事業領域と関連する先端技術開発における官民連携モデルを研究する。
- ドイツのエネルギー市場やスタートアップエコシステムに関する情報を収集し、事業戦略に活かす。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | エネルギー(核融合) |
| 発表日 | 2026-07-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月23日
ドイツ・ミュンヘンの核融合スタートアップのプロキシマ・フュージョンは7月7日、4億1,100万ユーロの資金調達を実施したと発表した(プレスリリース)。同社は今回のラウンドについて、欧州の核融合分野では過去最大規模の民間資金調達だとしている。同社の企業評価額は24億ユーロとなり、ユニコーン企業入りした。資金調達は、英国のXTXベンチャーズとEast Xベンチャーズが主導し、ドイツのエネルギー大手RWEのほか、ドイツ復興金融公庫(KfW)傘下の投資会社・KfWキャピタルや、連邦飛躍的イノベーション機構(SPRIND)なども出資した。
プロキシマ・フュージョンは、2023年にマックス・プランク・プラズマ物理学研究所(IPP)からスピンオフした企業で、今回調達した資金は、ミュンヘン近郊で計画する正味エネルギー生成を目指すステラレータ型核融合実証炉「Alpha」の建設などに充てる。同社は、「Alpha」を数十年にわたる核融合研究と商業展開との間をつなぐ重要な橋渡しと位置付けている。計画は、バイエルン州、IPP、RWEとの連携により進められる。経済紙「ハンデルスブラット」(7月7日付)によると、「Alpha」の総事業費は約20億ユーロと見積もられている。
IPPによると、今回の資金調達により、2026年2月にバイエルン州、プロキシマ・フュージョン、RWE、IPPが締結した覚書で定めた民間資金調達条件が満たされた。同覚書では、民間資金の確保を前提にバイエルン州が公的支援を実施する方針を示しており、今回の調達によって州政府支援実施に向けた条件が整った。一方で、「Alpha」実現には連邦政府による12億ユーロの支援も必要とされているが、現時点では確約されていない。
RWEは同日、今回の資金調達ラウンドに2,500万ユーロを出資したと発表した。同覚書にて各パートナーは、バイエルン州グンドレミンゲンのRWE旧原子力発電所跡地で、世界初の商業用核融合発電所の建設を目指している。長期的には、「Alpha」を基盤とするパイロット発電所「Stellaris」を同地に建設する構想が示されている。米国グーグルも戦略的投資家として参加しており、核融合を将来的な炭素排出のない安定的なエネルギー源として位置付けている。ドイツ連邦政府も、核融合分野を重点研究領域の1つに位置付け、研究開発支援を進めている(2025年8月6日記事、2025年11月25日記事参照)。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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ドイツのプロキシマ・フュージョン、核融合分野で欧州最大規模の資金調達を実施
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/2651eb834f2459c3.html
時系列
- 2023 プロキシマ・フュージョンがマックス・プランク・プラズマ物理学研究所(IPP)からスピンオフ
- 2026-02 バイエルン州、プロキシマ・フュージョン、RWE、IPPが覚書を締結
- 2026-07-07 プロキシマ・フュージョンが4億1,100万ユーロの資金調達を発表
- 2026-07-07 RWEが今回の資金調達ラウンドに2,500万ユーロを出資したと発表
- 2026-07-07 経済紙「ハンデルスブラット」が「Alpha」の総事業費を約20億ユーロと見積もりを報道
- 2026-07-23 ジェトロが本記事を公開
主な数値
| 資金調達額 | 411000000ユーロ |
|---|---|
| 企業評価額 | 2400000000ユーロ |
| RWE出資額 | 25000000ユーロ |
| Alpha総事業費見積もり | 2000000000ユーロ |
| 連邦政府支援必要額 | 1200000000ユーロ |
この事例から確認すべきポイント
ドイツのプロキシマ・フュージョンによる大規模な資金調達は、核融合エネルギー分野への民間投資の加速と、次世代エネルギー技術開発における官民連携の重要性を示唆しています。特に、バイエルン州が民間資金確保を公的支援の条件とするモデルは、リスクの高い先端技術開発における資金調達戦略として注目されます。しかし、連邦政府からの大規模な支援が未確約である点は、プロジェクトの最終的な実現に向けた課題として残ります。RWEやGoogleといった大手企業の参画は、核融合が将来の安定的な脱炭素エネルギー源として期待されていることを裏付けており、関連企業は技術動向と政策支援の動きを注視する必要があります。この事例は、スタートアップが大規模プロジェクトを推進する上での資金調達とパートナーシップ構築の重要性を浮き彫りにしています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-23
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