習国家主席、世界AI協力機構の発足を表明
この発表の要点
- 世界AI協力機構が上海で発足し、グローバル・サウス諸国のAI発展とガバナンスを支援する。
- 中国は発展途上国向けにAI研修枠5,000人分を提供し、国際AI応用協力センターを建設する。
- 公正で合理的なグローバルAIガバナンス体制構築のため、中国は4項目を提案した。
企業・自治体への影響
AI技術開発企業や、AIを活用したサービスを提供する企業は、中国が提唱するAIガバナンスの原則や国際協力の枠組みが、将来的な国際標準や規制に与える影響を注視する必要があります。特に、中国市場への参入や中国企業との連携を検討する企業は、これらの動向が事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。
対応すべきこと
- 中国が提唱するAIガバナンスの原則と国際協力の動向を継続的に情報収集する。
- 自社のAI開発・利用方針が、国際的なガバナンス動向と整合しているか確認する。
- 関連部門(経営企画、法務、研究開発、国際事業)へ本発表の内容を共有する。
- 中国の「第15次5カ年規画」におけるAI関連政策の詳細を注視し、ビジネス機会やリスクを評価する。
対象部門: 経営者 法務 情シス 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国政府 |
|---|---|
| 業界 | AI |
| 発表日 | 2026-07-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 中国 |
発表された内容
2026年07月23日
中国の習近平国家主席は7月17日、上海市で開催された「2026世界人工知能(AI)大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議」の開幕式で基調講演を行い、世界AI協力機構が上海市で発足したと表明した。習国家主席は同機構について、グローバル・サウス諸国の要請に応え、国際社会が連携してAI発展とガバナンスを推進するための重要な取り組みであるとの認識を示した。AI発展と能力構築を支援するため、中国は今後5年間で発展途上国向けにAI分野の研修・訓練枠5,000人分を提供するほか、ASEAN、アラブ連盟、アフリカ連合(AU)、中南米・カリブ諸国共同体(CELAC)、上海協力機構(SCO)、BRICS向けに国際AI応用協力センターを建設するとした。さらに、気象インテリジェント早期警戒ソリューション「媽祖」を30カ国で展開する方針を示した。
習国家主席は、AI技術革新が活発化する一方で、ガバナンス上の課題も生じているとして、公正で合理的なグローバルAIガバナンス体制の構築を呼びかけた。その上で、(1)開放と互恵によるイノベーション促進、(2)安全で制御可能なAIの実現、(3)文明間交流の促進、(4)グローバルガバナンスの強化の4項目を提案した。
また、中国は近年、AI分野の技術革新や「人工知能+(AIプラス)」行動を推進しており、スマート経済の中核産業の市場規模が1兆元(約24兆円、1元=約24円)を超えたと説明した。併せて、AIに関する法律・規制、政策制度、利用規範、倫理指針の整備を進め、安全性、信頼性、制御可能性の確保に取り組んでいると述べた。さらに、中国は責任ある大国として、AI分野における国際協力やガバナンスの在り方について、中国のソリューションを継続的に示していく考えを表明した。
会議では「2026世界AI大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議議長声明」が発表された。カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領、カンボジアのフン・マネット首相、タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も演説し、上海市で行われた世界AI協力機構協定署名式に際して、AI分野の国際協力とガバナンス強化の重要性を訴えた。
中国は「第15次5カ年(2026~2030年)規画」において、各国が広く参加するAIガバナンス枠組みの構築を推進し、平等な権利、相互信頼、多様性、ウィンウィンを基礎とするグローバルなAI開放エコシステムを共同で構築し、グローバル・サウス諸国のAI能力構築を支援する方針を示している。
(佐川将平)
(中国)
ビジネス短信 32a3bb7cf01d5b70
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ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
習国家主席、世界AI協力機構の発足を表明
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/32a3bb7cf01d5b70.html
時系列
- 2026-07-17 習近平国家主席が「2026世界人工知能(AI)大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議」開幕式で基調講演を行い、世界AI協力機構の発足を表明。
- 2026-07-23 ジェトロが本件に関するビジネス短信を公開。
主な数値
| AI分野の研修・訓練枠 | 5000人分 |
|---|---|
| 気象インテリジェント早期警戒ソリューション「媽祖」展開国数 | 30カ国 |
| 中国のスマート経済の中核産業の市場規模 | 1兆元 |
| 中国の第15次5カ年規画の期間 | 2026~2030年 |
この事例から確認すべきポイント
この発表は、中国がAI技術の国際的な発展とガバナンスにおいて主導的な役割を果たす意図を明確に示しています。特に、グローバル・サウス諸国への支援を強調し、AI分野における国際協力の枠組みを構築することで、中国の国際的な影響力拡大を図る戦略が読み取れます。企業にとっては、中国が提唱するAIガバナンスの原則(開放と互恵、安全性、文明間交流、グローバルガバナンス強化)が、将来的な国際的なAI規制や標準に影響を与える可能性があり、その動向を注視する必要があります。また、中国がAI分野で進める「人工知能+」行動やスマート経済の市場規模拡大は、関連技術やサービスを提供する企業にとって新たなビジネス機会を示唆しています。中国の「第15次5カ年規画」におけるAIガバナンス枠組み構築の方針は、国際的なAIエコシステムへの参画を検討する上で重要な情報となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-23
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