経済・産業トレンド

米メタ、カナダで初のデータセンターをアルバータ州に建設へ

米メタは2026年7月8日、カナダ・アルバータ州スタージョン郡に同社初のカナダ拠点となるAIデータセンターを建設すると発表した。投資額は130億カナダ・ドル超で、世界で33カ所目となる。建設時に3,000人超、稼働後に約300人の雇用を創出し、年間約2億5,000万Cドルの経済効果が見込まれる。メタは電力・インフラ費用を全額負担し、クリーンエネルギー100%相殺、高効率冷却システム導入、地域インフラ整備やコミュニティ支援も行う方針を示している。

この発表の要点

企業・自治体への影響

大規模なデータセンター建設は、IT・ソフトウェア業界、建設業界、エネルギー業界に直接的な影響を与える。特に、データセンターの誘致を検討する自治体や、大規模な電力消費を伴う施設を計画する企業は、環境負荷低減策や地域貢献策の具体例として本事例を参考にできる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 総務 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 メタ
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-07-08
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月17日

米国のテクノロジー大手のメタは7月8日、カナダのアルバータ州スタージョン郡に、同社初のカナダ拠点となる人工知能(AI)向けデータセンター(DC)を建設すると発表した。投資額は130億カナダ・ドル(約1兆4,820億円、Cドル、1Cドル=約114円)超で、同社にとって世界で33カ所目のデータセンターとなる。

アルバータ州政府の発表によれば、DCの建設時に3,000人超の雇用を創出し、稼働後には約300人の雇用を支える見通しだ。また、税収やロイヤルティー収入などを通じて、同州に年間約2億5,000万Cドルの経済効果をもたらすとしている。

アルバータ州は豊富な天然ガス資源を有し、米国市場と比べて低コストで安定的なエネルギー供給が可能なことを強みとしている。このため、大量の電力を必要とするAI向けDCなどの誘致を進めており、2024年には「AIデータセンター戦略」を公表した。同州は、大規模DCの立地に当たり、(1)事業者自身による電力確保、(2)事業運営に必要なインフラ費用の自己負担、(3)環境・水資源に関する基準の順守を求めている。

電力面では、メタがDC向けの新たな発電設備や送配電インフラへの投資を全額負担する方針を示した。同社は、送電事業者やアルバータ電力システム運用機関(AESO)との間で、安定的な電力供給に向けた事前調整を完了したとしている。また、同施設で使用する電力については、クリーンエネルギーや再生可能エネルギーで100%相殺する方針を掲げている。

環境面では、水資源への負荷低減を目的に、水使用効率の高い「閉ループ式液冷システム」(注)を採用する。これにより、冷却システムの運用に伴う水使用を実質的になくし、施設内での水利用は生活用水、消防・防火安全対策、設備保守用途に限定される。また、上下水道サービスにかかる費用も、全額メタが負担する。

さらに、メタの発表によれば、同社は道路や水関連設備など地域インフラの整備に約6,000万Cドルを投資するほか、地域の非営利団体を対象とした助成プログラムを実施し、コミュニティ支援にも取り組む方針を示した。計画発表時には地域住民から不安の声も上がったが、同社はこうした取り組みを通じて地域社会との共生を図る考えだ。

アルバータ州のダニエル・スミス州首相は、「このプロジェクトは数千人規模の雇用を創出し、毎年数億Cドルの経済効果を生み出すだけでなく、電力供給の信頼性向上とコスト低減に寄与する」と述べた。また、メタのDC戦略・開発担当副社長のゲイリー・デマシ氏は、「スタージョン郡は、エネルギーやインフラへの優れたアクセスに加え、高度な人材や地域パートナーに恵まれている。今後も雇用創出や地域社会との連携を通じて、長期的な価値を生み出していく」とコメントした。

(注)冷却液を密閉された回路内で循環させ、外部に触れさせることなく発熱機器からの熱を回収・放熱する冷却方式を指す。

(木村勇翔)

(カナダ、米国)

ビジネス短信 b98a784b34b70eca

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

米メタ、カナダで初のデータセンターをアルバータ州に建設へ

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/b98a784b34b70eca.html

時系列

主な数値

投資額 130億カナダ・ドル
世界でのデータセンター数 33カ所
建設時の雇用創出数 3000人超
稼働後の雇用維持数 300人
アルバータ州への年間経済効果 2億5000万Cドル
地域インフラ整備への投資額 6000万Cドル

この事例から確認すべきポイント

本事例は、大手テクノロジー企業が大規模なインフラ投資を行う際の、地域社会との共生に向けた多角的なアプローチを示している。特に、データセンターのような電力消費量の多い施設建設において、環境負荷低減と地域貢献を両立させるための具体的な施策が注目される。アルバータ州が「AIデータセンター戦略」を公表し、事業者に対し電力確保、インフラ費用自己負担、環境基準順守を求めている点から、自治体側も戦略的な誘致と同時に厳しい条件を課していることがわかる。メタはこれに対し、クリーンエネルギー100%相殺、高効率冷却システムの導入、地域インフラへの投資、非営利団体への助成プログラムといった具体的な対応策を提示しており、企業が大規模プロジェクトを推進する上で、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から地域住民の懸念を払拭し、長期的な信頼関係を構築することの重要性を示唆している。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-17

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する