経済・産業トレンド

パキスタン、2025/2026年度の郷里送金受取額が過去最高を記録

パキスタン中央銀行(SBP)は7月9日、2025/2026年度の海外送金(郷里送金)総額が前年度比8.6%増の415億8,470万ドルに達し、統計上過去最高を記録したと発表しました。6月の送金額も前年同月比2.0%増の約34億7,450万ドルでした。海外在住パキスタン人からの送金は同国の重要な外貨獲得源であり、国際収支や外貨準備の安定に大きく貢献しています。シャバズ・シャリフ首相もこの成果を評価し、在外パキスタン人の貢献に感謝の意を示しました。主要な送金元はサウジアラビアとアラブ首長国連邦です。

この発表の要点

企業・自治体への影響

パキスタンと取引のある企業や、パキスタン市場への進出を検討している企業は、同国の経済安定性を示す指標としてこのデータを注視する必要がある。特に、外貨準備の安定は輸入取引や投資環境に影響を与えるため、貿易部門や金融部門は関連情報を継続的に確認すべきである。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 パキスタン中央銀行(SBP)
発表日 2026-07-09
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月15日

パキスタン中央銀行(SBP)は7月9日、6月の海外送金(郷里送金)受取額が、前年同月比2.0%増の約34億7,450万ドルになったと発表した。あわせて、2025/2026年度(2025年7月~2026年6月)の年度を通じた送金総額は、前年度比8.6%増の415億8,470万ドルに達し、統計上過去最高値を記録した。海外在住パキスタン人による郷里送金は引き続き増加基調にあり、同国にとって重要な外貨獲得源としての役割を一段と高めている。

一方、6月の送金額は前月比では18.3%減となった。これは、5月の送金額が42億5,220万ドルと、単月ベースで過去最高を記録した反動によるものだ。5月は、アシュラ・モラハムと呼ばれるイスラム教の宗教祝日関連の支出に伴う季節的な送金需要の高まりを背景に、前月比20.2%増と送金の上振れ傾向があった(2026年6月16日記事参照)。

送金元別では、サウジアラビアが約8億2,960万ドルで最大の送金元となり、次いでアラブ首長国連邦(UAE)が約7億9,220万ドルとなった。両国を合わせると6月送金額全体の約47%を占めており、この傾向は年度を通して大きく変わっていない。これに英国約5億1,490万ドル、米国2億9,680万ドルが続いた。

シャバズ・シャリフ首相は、2025/2026年度の送金額が前年度比で8.6%増加したことは、海外在住のパキスタン人が政府の政策に信頼を寄せていることの証左であると言及。海外在住のパキスタン人は国家の貴重な資産であり、国民全体がその貢献を誇りに思っていると述べるとともに、在外パキスタン人の福祉向上に引き続き取り組む考えを示した。

近年の送金額は、2022/2023年度の約273億ドルから2025/2026年度には約416億ドルへと増加し、3年間で約52%拡大した。特に2025/2026年度の送金総額は、同年度の商品輸出額301億2,600万ドル(暫定値)を大きく上回る規模となっている。このことは、海外送金がパキスタンの国際収支や外貨準備の安定を支える主要な外貨流入源となっていることを示しており、今後もパキスタン経済の動向を測る上で重要な指標となっている。

(参考)海外送金額の推移は次のとおり。

2022/2023年度:約273億ドル

2023/2024年度:約303億ドル

2024/2025年度:約383億ドル

2025/2026年度:約416億ドル

(糸長真知)

(パキスタン)

ビジネス短信 384ffdf082dff87f

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パキスタン、2025/2026年度の郷里送金受取額が過去最高を記録

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/384ffdf082dff87f.html

時系列

主な数値

6月の海外送金受取額 34億7,450万ドル
6月の海外送金受取額の前年同月比増加率 2.0%増
2025/2026年度の送金総額 415億8,470万ドル
2025/2026年度の送金総額の前年度比増加率 8.6%増
6月の送金額の前月比減少率 18.3%減
5月の送金額 42億5,220万ドル
5月の送金額の前月比増加率 20.2%増
サウジアラビアからの6月送金額 8億2,960万ドル
アラブ首長国連邦(UAE)からの6月送金額 7億9,220万ドル
サウジアラビアとUAEの6月送金額合計の割合 47%
英国からの6月送金額 5億1,490万ドル
米国からの6月送金額 2億9,680万ドル
2022/2023年度の送金額 273億ドル
2023/2024年度の送金額 303億ドル
2024/2025年度の送金額 383億ドル
2025/2026年度の送金額 416億ドル
3年間での送金額拡大率(2022/2023年度から2025/2026年度) 52%
2025/2026年度の商品輸出額(暫定値) 301億2,600万ドル

この事例から確認すべきポイント

この発表は、パキスタン経済における海外送金の極めて重要な役割を明確に示しています。2025/2026年度の送金総額が過去最高を記録し、同年度の商品輸出額を大幅に上回った事実は、国際収支の安定と外貨準備の確保において、海外送金が不可欠な外貨流入源であることを強調しています。また、5月のアシュラ・モラハムのような宗教祝日に関連する季節的な送金需要の変動が示されており、経済指標を分析する際にはこうした特殊要因も考慮に入れるべきです。主要な送金元がサウジアラビアとアラブ首長国連邦であることは、これらの国々との経済的・人的な結びつきがパキスタン経済に与える影響の大きさを物語っています。シャバズ・シャリフ首相が海外在住パキスタン人の貢献を高く評価し、政府の政策への信頼に言及していることから、今後も在外パキスタン人向けの政策が経済安定化策の一環として重視される可能性が高いです。企業は、パキスタン経済の動向を把握する上で、海外送金データを継続的に監視し、事業戦略に反映させる必要があるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-15

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