パキスタン、2025/2026年度の郷里送金受取額が過去最高を記録
この発表の要点
- 2025/2026年度のパキスタンへの海外送金総額が過去最高の415億8,470万ドルを記録した。
- 海外送金は同国の商品輸出額を大きく上回り、国際収支や外貨準備の安定に不可欠な主要外貨獲得源となっている。
- サウジアラビアとアラブ首長国連邦が主要な送金元であり、季節的な要因も送金額に影響を与える。
企業・自治体への影響
パキスタンと取引のある企業や、パキスタン市場への進出を検討している企業は、同国の経済安定性を示す指標としてこのデータを注視する必要がある。特に、外貨準備の安定は輸入取引や投資環境に影響を与えるため、貿易部門や金融部門は関連情報を継続的に確認すべきである。
対応すべきこと
- パキスタン経済に関する最新の公式発表を定期的に確認し、自社の事業への影響を評価する。
- パキスタンとの貿易・投資に関わる部門は、外貨準備や国際収支の動向を注視し、リスク管理に役立てる。
- 海外送金が主要な外貨獲得源である点を踏まえ、パキスタンの経済政策や在外パキスタン人政策の動向を把握する。
- 関連する経済指標を社内関係部門(例: 経理、経営企画、海外事業部門)へ共有し、情報連携を強化する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | パキスタン中央銀行(SBP) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月15日
パキスタン中央銀行(SBP)は7月9日、6月の海外送金(郷里送金)受取額が、前年同月比2.0%増の約34億7,450万ドルになったと発表した。あわせて、2025/2026年度(2025年7月~2026年6月)の年度を通じた送金総額は、前年度比8.6%増の415億8,470万ドルに達し、統計上過去最高値を記録した。海外在住パキスタン人による郷里送金は引き続き増加基調にあり、同国にとって重要な外貨獲得源としての役割を一段と高めている。
一方、6月の送金額は前月比では18.3%減となった。これは、5月の送金額が42億5,220万ドルと、単月ベースで過去最高を記録した反動によるものだ。5月は、アシュラ・モラハムと呼ばれるイスラム教の宗教祝日関連の支出に伴う季節的な送金需要の高まりを背景に、前月比20.2%増と送金の上振れ傾向があった(2026年6月16日記事参照)。
送金元別では、サウジアラビアが約8億2,960万ドルで最大の送金元となり、次いでアラブ首長国連邦(UAE)が約7億9,220万ドルとなった。両国を合わせると6月送金額全体の約47%を占めており、この傾向は年度を通して大きく変わっていない。これに英国約5億1,490万ドル、米国2億9,680万ドルが続いた。
シャバズ・シャリフ首相は、2025/2026年度の送金額が前年度比で8.6%増加したことは、海外在住のパキスタン人が政府の政策に信頼を寄せていることの証左であると言及。海外在住のパキスタン人は国家の貴重な資産であり、国民全体がその貢献を誇りに思っていると述べるとともに、在外パキスタン人の福祉向上に引き続き取り組む考えを示した。
近年の送金額は、2022/2023年度の約273億ドルから2025/2026年度には約416億ドルへと増加し、3年間で約52%拡大した。特に2025/2026年度の送金総額は、同年度の商品輸出額301億2,600万ドル(暫定値)を大きく上回る規模となっている。このことは、海外送金がパキスタンの国際収支や外貨準備の安定を支える主要な外貨流入源となっていることを示しており、今後もパキスタン経済の動向を測る上で重要な指標となっている。
(参考)海外送金額の推移は次のとおり。
2022/2023年度:約273億ドル
2023/2024年度:約303億ドル
2024/2025年度:約383億ドル
2025/2026年度:約416億ドル
(糸長真知)
(パキスタン)
ビジネス短信 384ffdf082dff87f
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パキスタン、2025/2026年度の郷里送金受取額が過去最高を記録
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/384ffdf082dff87f.html
時系列
- 2026-07-09 パキスタン中央銀行(SBP)が6月の海外送金受取額と2025/2026年度の送金総額を発表
- 2026-06-16 5月の送金額が単月ベースで過去最高を記録したことに関する記事が参照された
主な数値
| 6月の海外送金受取額 | 34億7,450万ドル |
|---|---|
| 6月の海外送金受取額の前年同月比増加率 | 2.0%増 |
| 2025/2026年度の送金総額 | 415億8,470万ドル |
| 2025/2026年度の送金総額の前年度比増加率 | 8.6%増 |
| 6月の送金額の前月比減少率 | 18.3%減 |
| 5月の送金額 | 42億5,220万ドル |
| 5月の送金額の前月比増加率 | 20.2%増 |
| サウジアラビアからの6月送金額 | 8億2,960万ドル |
| アラブ首長国連邦(UAE)からの6月送金額 | 7億9,220万ドル |
| サウジアラビアとUAEの6月送金額合計の割合 | 47% |
| 英国からの6月送金額 | 5億1,490万ドル |
| 米国からの6月送金額 | 2億9,680万ドル |
| 2022/2023年度の送金額 | 273億ドル |
| 2023/2024年度の送金額 | 303億ドル |
| 2024/2025年度の送金額 | 383億ドル |
| 2025/2026年度の送金額 | 416億ドル |
| 3年間での送金額拡大率(2022/2023年度から2025/2026年度) | 52% |
| 2025/2026年度の商品輸出額(暫定値) | 301億2,600万ドル |
この事例から確認すべきポイント
この発表は、パキスタン経済における海外送金の極めて重要な役割を明確に示しています。2025/2026年度の送金総額が過去最高を記録し、同年度の商品輸出額を大幅に上回った事実は、国際収支の安定と外貨準備の確保において、海外送金が不可欠な外貨流入源であることを強調しています。また、5月のアシュラ・モラハムのような宗教祝日に関連する季節的な送金需要の変動が示されており、経済指標を分析する際にはこうした特殊要因も考慮に入れるべきです。主要な送金元がサウジアラビアとアラブ首長国連邦であることは、これらの国々との経済的・人的な結びつきがパキスタン経済に与える影響の大きさを物語っています。シャバズ・シャリフ首相が海外在住パキスタン人の貢献を高く評価し、政府の政策への信頼に言及していることから、今後も在外パキスタン人向けの政策が経済安定化策の一環として重視される可能性が高いです。企業は、パキスタン経済の動向を把握する上で、海外送金データを継続的に監視し、事業戦略に反映させる必要があるでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-15
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