米商務省、UAEに対する輸出管理を緩和する最終規則を発表
この発表の要点
- 米国商務省はUAEに対する輸出管理規則を緩和し、2026年7月10日から有効とした。
- UAEは国別グループD:3およびD:4から除外され、A:5に追加されたことで、輸出許可例外の適用範囲が拡大する。
- 先端コンピューティング関連品目については引き続き許可が必要な場合があるが、UAE政府機関や特定の米国AI企業など承認された事業体には許可例外が適用される。
企業・自治体への影響
輸出関連企業、特に米国からUAEへ製品を輸出する企業は、今回の規則緩和により、一部の品目において輸出許可取得の手間が軽減される可能性があります。特に防衛関連品目や、米国に本社を置くAI関連企業は、特定の条件の下で輸出が容易になる可能性があります。一方で、先端コンピューティング関連品目については引き続き厳格な管理が求められるため、関連する製造業、IT・ソフトウェア企業は、自社の製品が対象となるか、また最終荷受人・最終使用者が許可例外の条件を満たすかを確認する必要があります。
対応すべきこと
- 米国からUAEへの輸出を行う企業は、自社の輸出対象品目と最終荷受人・最終使用者が今回の規則変更の対象となるか詳細を確認する。
- 特に先端コンピューティング関連品目を扱う企業は、引き続き輸出許可の要否と許可例外の適用条件を精査する。
- 関係部門(法務、経理、営業、国際貿易担当など)へ本発表の内容を共有し、輸出管理体制への影響を評価する。
- 米国商務省産業安全保障局(BIS)のウェブサイトや公式出典で、詳細なガイダンスや付則8のリストを確認する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国商務省産業安全保障局(BIS) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月15日
米国商務省産業安全保障局(BIS)は7月10日、アラブ首長国連邦(UAE)に対する輸出管理規則(EAR)を緩和する最終規則を発表した。官報での公示は7月14日付だが、最終規則は7月10日から有効となっている。UAEに対する輸出許可(ライセンス)例外の適用範囲を拡大し、事前許可なしで輸出可能な品目を増やす。BISは今回の緩和措置の理由として、「UAEが米国の主要防衛パートナーとしての地位を有し、エピック・フューリー作戦を含む米国の国家安全保障上の利益の推進を支援してきたこと」を挙げた。
今回の最終規則では、主に次の3つを定めている。
UAEを国別グループ(注1)D:3およびD:4から除外すること。
UAEを国別グループA:5に追加し、許可例外(注2)の1つである「戦略的貿易許可(STA)」を適用すること。
先端コンピューティング関連品目の輸出に対しては引き続き許可取得を必要とするが、UAE政府など米国が承認した事業体への輸出などについては許可例外を適用すること。
UAEはこれまで、国別グループBに加え、D:3およびD:4にも指定されていた。国別グループBに指定されている国向けの輸出などには一定の許可例外が適用されるが、UAEはD:3およびD:4にも指定されていたため、一部の許可例外が適用されていなかった。例えば、ミサイル技術(MT)として規制対象となる無人航空機(UAV)は、一時的な輸出に適用される許可例外の1つである「一時的な輸入、輸出、再輸出(TMP)」を利用して、UAEで開催される防衛展示会への展示目的で米国から輸出することができなかった。今回、D:3およびD:4への指定が解除されたことで、こうした許可例外が適用できるようになる。
また、UAEを国別グループA:5に追加することで、UAE向けの輸出には、同盟国などとの貿易や軍事的相互運用の促進を目的とした、STAに基づく許可例外が適用されることになる。ただし、最終規則では一定の制限を課した。UAE向けの適用条件として「脚注5」を追加し、最終荷受人および最終使用者がEAR第740章付則8に記載された事業体である場合に限り、STAの許可例外を適用するとした。現時点でSTAの許可例外の対象となるのは、UAE政府機関や米国に本社を置く人工知能(AI)関連企業となっている。AI関連企業には、アマゾン、アップル、グーグル、メタ、マイクロソフト、オープンAI、オラクル、X(旧Twitter)が指定されている。なお、UAEの国有企業やUAE政府の請負業者・助成金受給者は対象外だ。
さらに、特定の先端コンピューティング関連製品に対する輸出管理については、UAEが国別グループD:4、D:5から除外されても引き続き適用される。BISは5月、2023年11月から施行したD:5またはマカオに親会社がある企業向けの輸出規制について、現時点でも有効であり輸出許可が必要だとするガイダンスを発表していた(2026年6月3日記事参照)。ただし、最終荷受人および最終使用者が、UAE政府機関やEAR第740章付則8に記載され、先端コンピューティング関連品目を輸出許可なしで受領することを認められている場合には、許可例外が適用される。
(注1)EARでは、輸出などする際に必要な事前許可の範囲や許可例外の適用対象を定めるため、対象国を国別グループに分類している。Aには、多国間輸出管理レジームの加盟国や「戦略的貿易許可(STA)」の許可例外に基づいて輸出できる国が指定されている。Bには、特定の許可例外の対象となり、比較的緩やかな輸出許可審査方針が適用される国が指定されている。Dには大量破壊兵器の拡散懸念がある国や武器禁輸措置の対象国、Eにはテロ支援国などが指定されている。詳しくはBISのウェブサイトを参照。
(注2)EARでは、輸出規制対象品目であっても、一定の条件を満たし所定の手続きに従う限り、例外的に輸出許可を取得することなく、輸出、再輸出、移転を行うことが認められている。
(赤平大寿)
(米国、アラブ首長国連邦)
ビジネス短信 e1dea33c05a05c9d
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米商務省、UAEに対する輸出管理を緩和する最終規則を発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/e1dea33c05a05c9d.html
時系列
- 2026-07-10 米国商務省産業安全保障局(BIS)がアラブ首長国連邦(UAE)に対する輸出管理規則(EAR)を緩和する最終規則を発表し、同日から有効となった。
- 2026-07-14 最終規則が官報で公示された。
主な数値
| STA許可例外の対象AI関連企業数 | 8社 |
|---|
この事例から確認すべきポイント
米国商務省産業安全保障局(BIS)によるUAE向け輸出管理規則の緩和は、米国の国家安全保障上の利益とUAEの主要防衛パートナーとしての地位を反映したものです。この変更により、UAEは特定の輸出許可例外の適用対象となり、事前許可なしで輸出可能な品目が増加する可能性があります。特に、国別グループD:3およびD:4からの除外とA:5への追加は、ミサイル技術規制品目(MT)を含む一部の品目の輸出手続きを簡素化する可能性があります。しかし、先端コンピューティング関連品目については引き続き厳格な管理が維持され、特定の承認された事業体(UAE政府機関や米国に本社を置くAI関連企業など)に限定して許可例外が適用される点に注意が必要です。企業は、自社の輸出対象品目と最終荷受人・最終使用者がこれらの変更にどのように影響されるかを詳細に確認し、新たな規則に準拠した輸出管理体制を構築する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-15
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