経済・産業トレンド

消防・救助分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」開催、市民保護やAI活用が主要テーマに

2026年6月1日から6日までドイツ・ハノーファーで開催された国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」は、消防・救助、市民保護、安全・セキュリティ分野の最新技術を紹介しました。「Safeguarding tomorrow」をテーマに、市民保護やAI活用が主要テーマとなり、55カ国から1,772社が出展し、約14万人が来場。海外来場者の割合は24%に上昇しました。日本企業4社による「ジャパンパビリオン」も設置され、防災・消防分野の技術を展示。次回は2030年5月に開催予定です。

この発表の要点

企業・自治体への影響

消防・救助、市民保護、安全・セキュリティ関連製品・技術を開発する製造業、IT・ソフトウェア企業は、国際市場のトレンド把握や技術連携の機会として注目すべきです。特にAI、ロボット、通信システム開発企業は、新たな需要と競争環境を認識する必要があるでしょう。自治体の災害対策、市民保護を担当する部門は、国際的な先端技術や取り組み(AI活用、自然災害対応)を情報収集し、今後の施策立案に役立てるべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 情シス 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
発表日 2026-07-14
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月14日

消防・救助、市民保護(Bevölkerungsschutz、注1)、安全・セキュリティー分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」が6月1~6日に、ドイツ北部ハノーファーで開催された。同見本市は消防をテーマとして1953年に初めて開催され、そのテーマを広げながら規模を拡大。今回は55カ国から1,772社が出展し、展示面積は約12万平方メートルに達した。また144カ国から約14万人が来場。海外来場者の割合は24%となり、新型コロナウイルス感染拡大前としては最後の開催となった2015年の13%から大きく上昇した。

今回のテーマは「Safeguarding tomorrow(未来を守る)」で、市民保護、救助サービス、消防、防護装備、通信・指令センターソリューション、防火の分野で製品・技術が紹介された。車両や装備、資機材に加え、人工知能(AI)を活用した通信・指令システムや救助ロボットなどの先端技術、各種実演プログラムが展示された。自然災害や異常気象、ハイブリッド脅威(注2)への対応を背景に、市民保護が中心テーマに据えられた。

屋外で行われた救助実演プログラムの様子(ジェトロ撮影)

市民保護分野では、ドイツ連邦国民保護・災害支援庁(BBK)が展示スペースを設け、市民保護関連の取り組みなどを紹介し、会期中に約9,000件の来場者対応を行った。BBKは会期を終え、ドイツおよび欧州の市民保護コミュニティーが高まる要求に共同で取り組んでいることが示されたと総括した。

会場ではデジタル化とAIも大きなテーマとなった。展示企業は、多言語の緊急通報を分析し、全体像を自動的に把握しこれまで以上に正確に緊急対応部隊を指揮・調整できる指令センターシステムや、救助要員の活動をより容易かつ安全にするロボットシステムを紹介した。また、気候変動への対応分野では、植生火災や森林火災対策をテーマとしたプラットフォームである「WildfireCamp」が初めて設置され、火災の早期発見や消火活動を支援する技術が展示された。

本展示会には、日本企業による共同出展として「ジャパンパビリオン」が設置された。同パビリオンはドイツメッセ日本代表部と東京ビッグサイトが共同で企画・運営し、日本企業4社が出展。防災・消防分野の関連製品・技術を紹介した。

ジャパンパビリオンの様子(左)と防災トイレの展示ブースに集まる来場者(右)(ともにジェトロ撮影)

前回のINTERSCHUTZは、当初2020年開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2度にわたり延期され、2022年に開催された。次回は2030年5月20~25日に、同じくハノーファーで開催予定。

(注1)災害や危機から市民や生活基盤を守るための非警察的・非軍事的な取り組み。予防・対応・被害抑制を含む。
(注2)サイバー攻撃や偽情報の拡散、経済的圧力、軍事行動など、複数の手段を組み合わせて行われる脅威。

(中山裕貴)

(ドイツ)

ビジネス短信 0230514b584855ff

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消防・救助分野の国際見本市「INTERSCHUTZ 2026」開催、市民保護やAI活用が主要テーマに

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/0230514b584855ff.html

時系列

主な数値

出展企業数 1772社
出展国数 55カ国
展示面積 12万平方メートル
来場者数 14万人
来場国数 144カ国
海外来場者割合 (2026年) 24%
海外来場者割合 (2015年) 13%
BBK来場者対応件数 9000件
日本企業出展数 (ジャパンパビリオン) 4社

この事例から確認すべきポイント

INTERSCHUTZ 2026の開催報告は、消防・救助、市民保護、安全・セキュリティ分野における国際的な技術トレンドと市場の動向を明確に示しています。特に、自然災害やハイブリッド脅威の増加を背景に「市民保護」が中心テーマに据えられ、デジタル化とAI活用が喫緊の課題として浮上していることが確認できます。多言語対応の指令センターシステムや救助ロボット、森林火災対策プラットフォーム「WildfireCamp」などの先端技術の展示は、これらの分野におけるイノベーションの方向性を示唆しています。海外来場者割合の大幅な増加は、国際的な連携と情報共有の重要性が高まっていることを裏付けており、日本企業が「ジャパンパビリオン」を通じて参加したことは、国内技術の国際展開とグローバルな課題解決への貢献意欲を示すものと言えます。企業は、これらのトレンドを自社の研究開発や事業戦略に組み込むことで、新たな市場機会を創出できる可能性があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-14

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