経済・産業トレンド

ドイツ大統領がウズベキスタン訪問、2国間でサプライチェーンや輸送について議論

ドイツのシュタインマイヤー大統領がウズベキスタンを訪問し、ミルジヨエフ大統領と共同声明を採択。中央アジアと欧州を結ぶ中央回廊の戦略的重要性を強調しました。サプライチェーンの多様化や輸送課題が議論され、カスピ海経由の遅延やコスト高に対し、運賃割引協定やドイツのレヌス・グループによる1,100万ユーロ規模の物流ターミナル近代化プロジェクトが始動したことが報告されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

国際物流に依存する製造業、商社、運輸・物流企業は、中央アジアを経由する新たなサプライチェーンルートの可能性を検討する必要があるでしょう。特に、欧州とアジア間の貿易を行う企業は、輸送コスト削減やリードタイム短縮の機会を探る上で、この地域のインフラ整備動向を注視すべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 物流・運輸
発表日 2026-06-29
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月29日

ドイツのフランク=バルター・シュタインマイヤー大統領は6月17~18日、アジア諸国歴訪の一環としてビジネス代表団を伴いウズベキスタンを公式訪問した。ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領とシュタインマイヤー大統領は共同声明を採択し、中央アジアと欧州を結ぶ中央回廊(カスピ海横断国際輸送ルート)の戦略的重要性を強調した。

シュタインマイヤー大統領の訪問期間中、第5回タシケント国際投資フォーラムの中で17日に開催された「ウズベキスタン・ドイツ政治経済対話」セッションでも、両国の連携が議論された。ドイツ経済・エネルギー省のシュテファン・ルーエンホフ政務次官は、地政学的観点からサプライチェーンの多様化に対するドイツ側の関心を表明した上で、ウズベキスタンは有望なパートナーであると述べた。ウズベキスタン運輸省付属輸送・物流開発問題研究センターのベクゾド・ホルマトフ所長は、中央回廊の発展に向けたこれまでの取り組みについて紹介。同回廊を通じて、同国の対外貿易の最大30%が輸送されているものの、カスピ海を経由する輸送では最長30日程度の遅延が発生することがあり、ロシア経由のルートと比較して輸送コストが20~30%上昇していたとの課題を指摘した。この対策として、ウズベキスタン、キルギス、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、トルコの鉄道当局が2021年12月、コンテナ・ブロックトレインに対して、既存運賃の最大70%の割引を適用する協定を締結したことに言及した。

さらに、大統領訪問に合わせ、ドイツの総合物流企業レヌス・グループによるウズベキスタン東部アンディジャンの物流ターミナルの近代化プロジェクト(総額1,100万ユーロ)が始動した。本プロジェクトは、貨物処理能力の向上と鉄道コンテナ輸送の発展を目的としている。第1段階の完了後、年間処理能力は約20万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)に達し、倉庫では同時に約2,000TEUの保管が可能となる見込み。2030年に中国~キルギス~ウズベキスタン鉄道(2025年1月9日記事参照)が完成すれば、同物流ターミナルの重要性はさらに高まるとみられる。同鉄道により、アンディジャンは中国からウズベキスタンに入る貨物の最初の輸送ハブとなり、その後、タシケントを経て西方へと既存鉄道網で輸送されることになる。レヌス・グループは、本プロジェクトが中央回廊における持続可能な貿易ルートの形成に寄与すると指摘している。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、ドイツ)

ビジネス短信 78ebc1960622c0e5

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ドイツ大統領がウズベキスタン訪問、2国間でサプライチェーンや輸送について議論

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/78ebc1960622c0e5.html

時系列

主な数値

中央回廊を通じたウズベキスタンの対外貿易輸送量 30%
カスピ海経由輸送の遅延 30日程度
カスピ海経由輸送のコスト上昇 20~30%
コンテナ・ブロックトレイン運賃割引率 70%
レヌス・グループの物流ターミナル近代化プロジェクト総額 1100万ユーロ
第1段階完了後の年間処理能力 20万TEU
倉庫での同時保管可能量 2000TEU

この事例から確認すべきポイント

地政学的リスクの高まりを背景に、サプライチェーンの多様化が国際的な重要課題となっています。本事例は、ドイツとウズベキスタンが中央回廊の戦略的重要性を再認識し、輸送インフラの強化と効率化に向けた具体的な取り組みを進めていることを示しています。カスピ海経由の輸送における遅延やコスト高といった課題に対し、運賃割引協定や大規模な物流ターミナル近代化プロジェクトが進行中であり、2030年完成予定の中国~キルギス~ウズベキスタン鉄道と連携することで、この地域の物流ハブとしての役割がさらに強化される見込みです。企業は、この地域の物流インフラ整備の進捗を注視し、サプライチェーン戦略の見直しや新たな市場開拓の機会を検討する必要があるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-29

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