経済・産業トレンド

ASPAC新潟大会が開催、訪日客から県産清酒への意見を収集

ジェトロは2026年6月12日から14日にかけ、ASPAC新潟大会の「ASPACにいがたEXPO」で、訪日客を対象に新潟県内9社の清酒に関するマーケティング調査を実施しました。国際青年会議所(JCI)のメンバーであるアジア各国の若手経営者ら131人から、食生活やアルコール理解度、酒質、プロモーション、価格などについてヒアリングを行い、293サンプルを収集。得られたBtoC情報は、今後のBtoB商談や輸出戦略、地域酒販店のインバウンド対応に活用される見込みです。

この発表の要点

企業・自治体への影響

新潟県の清酒産業、地域の酒蔵、酒販店、および関連する観光業に影響を与えます。海外市場への輸出戦略やインバウンド客へのアプローチ方法に関する具体的な示唆を提供し、製品開発やプロモーション活動の方向性を検討する上で重要な情報源となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 飲料・食品 / 貿易 / 観光
発表日 2026-06-23
分類 経済・産業トレンド
地域 新潟県

発表された内容

2026年06月23日

ジェトロは6月12~14日、ASPAC新潟大会(注)の「ASPACにいがたEXPO」で、インバウンドの来場者を対象に、新潟県内の酒蔵9社の清酒などのマーケティング調査を実施した。ASPACの来場者は、20~40代の若手経営者を含む国際青年会議所(JCI)のメンバーであり、国・地域は、香港、韓国、モンゴル、マレーシア、フィリピン、インドをはじめとするアジアが中心だ。

本調査はBtoCの海外消費者であるインバウンド客へのヒアリングマーケティングで、得られた情報をBtoB商談で活用する。さまざまな国・地域のインバウンド客に対し、食生活やアルコールへの理解度から、酒質、ラベルデザイン、ペアリング、プロモーション、価格などに関する情報を収集した。ヒアリングは1人当たり15分程度の対話形式で実施し、あらかじめ準備した質問への回答以外の情報を引き出すよう工夫した。3日間で131人に複数銘柄についてヒアリングし、293サンプルを収集した。

マレーシア・サラワク州のインバウンド客からは「Tuak(トゥア)というライスワインがあるサラワクの人にとって、日本酒は受け入れやすいと思う」というコメントがあり、自国の酒類との親和性から原材料(コメ、水)にも関心が及んだ。また、日本酒の認知度を上げるための工夫を尋ねたところ「マレーシアで人気の韓国ドラマにはソジュなどを飲むシーンが多いため、韓国の酒類の認知度が高い。一方、日本のアニメには日本酒を飲むシーンがあまりない」として、日本のアニメへの関心の高さを活用したプロモーションが効果的ではないかという意見があった。

参加酒蔵からは「主力商品である辛口の清酒だけでなくリキュールの評価も良かった。これまでアジア圏のバイヤーとの商談では、辛口の清酒の引き合いが多かったが、リキュールもより積極的に提案していきたい」と、今後の商談や輸出戦略に役立つとのコメントがあった。

清酒のマーケティングを手掛ける酒販店のわたご酒店は、インバウンド客から得られる情報をマーケティングに生かす手法について、「これまでインバウンド客向けに事業を実施したことがなかったが、今後は酒屋としてもインバウンド客に清酒を知ってもらえるよう事業を検討したい。輸出に挑戦するよりも、来日したインバウンド客にしっかりと日本酒を理解した上で楽しんでもらうことが、今後の清酒産業の発展に向けて酒販店が取り組めることだと感じた」とコメントした。今回、初めて酒販店を調査に活用したことで、地域や清酒業界へのさらなる波及効果が見込まれる結果となった。

3日間にわたりインバウンド客に試飲を提供し、ヒアリング調査する様子(JTB提供)

ジェトロは本調査事業だけでなく、バイヤー招聘(しょうへい)・商談会を組み合わせることで、多面的な輸出支援を継続して実施していく予定だ。

(注)ASPAC(JCI Asia Pacific Conference)とは、国際青年会議所(JCI)がエリアごとに開催するアジア・太平洋地域の国際会議のこと。日本での開催は主に4年に1回。新潟青年会議所は新潟の発展と国際化のため、10年の年月をかけて誘致を実現させた。

(卜部眞風)

(日本、アジア)

ビジネス短信 581d7fe3be98ef96

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ASPAC新潟大会が開催、訪日客から県産清酒への意見を収集

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/581d7fe3be98ef96.html

時系列

主な数値

調査対象酒蔵数 9社
ヒアリング対象人数 131人
収集サンプル数 293サンプル
ヒアリング期間 3日間
ヒアリング時間(一人当たり) 15分程度

この事例から確認すべきポイント

本事例は、海外市場への製品展開において、BtoCの直接的な消費者意見をBtoBの商談や輸出戦略に活用する有効性を示唆しています。特に、インバウンド客の出身国・地域の文化背景(例:韓国ドラマとソジュ、日本アニメと日本酒)を深く理解し、プロモーション戦略に落とし込む重要性が浮き彫りになりました。また、主力商品だけでなくリキュールのような多様な製品への評価を把握し、提案の幅を広げる機会も提供します。さらに、地域内の酒販店を巻き込み、輸出だけでなく国内でのインバウンド客への理解促進を図ることで、清酒産業全体の発展に寄与する多角的なアプローチが確認できます。ジェトロがバイヤー招聘や商談会と組み合わせることで、より実効性の高い輸出支援を目指している点も注目すべきです。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-23

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