経済・産業トレンド

ドイツ連邦政府、「国家循環型経済戦略」の実施に向けた行動計画を発表

ドイツ連邦政府は6月3日、「国家循環型経済戦略」の実現に向けた行動計画を発表しました。この計画では、2027年末までに12の施策を推進し、2029年までに気候・変革基金から総額2億6,000万ユーロを拠出します。主な施策として、企業・研究者・行政・市民社会向けのプラットフォーム設立、新たな助成プログラム「未来の循環型経済」の開始、公共調達におけるリサイクル製品の発注量増加、デジタル化推進、循環型経済関連法の改正・整備などが含まれます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

この行動計画は、ドイツ国内およびEU圏内で事業を展開する製造業、リサイクル産業、IT・ソフトウェア企業、そして公共調達に関わる企業に大きな影響を与えます。特に、新たなバリューチェーン構築、イノベーション投資、公共調達機会の創出、デジタル製品パスポート対応、法規制順守の面で、企業は事業戦略の見直しを迫られる可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理 広報

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 ドイツ連邦政府
発表日 2026-06-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月22日

ドイツ連邦政府は6月3日、「国家循環型経済戦略」(NKWS、2024年3月8日付地域・分析レポート参照)の実現に向け、短期的に実行可能な措置をまとめた行動計画(ドイツ語)を発表した(プレスリリース)。同計画に基づき、2027年末までに12の施策を推進する。主な施策は次のとおり。

企業、研究者、行政、市民社会が新規プロジェクトのパートナーを見つけるためのプラットフォームを設立し、2026年秋に運用開始する。バッテリーなど重要分野のリサイクルに向けた新たなバリューチェーンの構築、民間資本の動員を目指す。

2026年末から開始される新たな助成プログラム「未来の循環型経済」を通じ、革新的なリサイクル施設や循環型ビジネスモデルを持つスタートアップなどを支援し、生産プロセスや重要原材料の回収などにおけるイノベーションと投資を促進する。

連邦政府が過半数の株式を保有する企業による公共調達において、リサイクル製品の年間発注量を継続的に増加させ、需要を創出する。そのために規制上の障壁を撤廃する。

デジタル製品パスポート(DPP、注)の導入や人工知能(AI)の活用など、複数のプロジェクトを調整するイニシアチブを立ち上げ、デジタル化を推進する。

廃棄物削減、分別回収、リサイクル、拡大生産者責任など、EU規制と調和したかたちで循環型経済法(KrWG)および関連法を改正・整備し、官僚主義を削減する。

カーステン・シュナイダー環境・気候保護・自然保護・原子力安全相は、現在の不安定な世界情勢において、「循環型経済はドイツ経済の自律性を高める意味でますます重要になっている」と述べた。また、循環型経済は「著しい成長市場であり、ドイツ企業のイノベーションを強化する」と述べた。国家循環型経済戦略の実行には、2029年までに気候・変革基金(KTF)から総額2億6,000万ユーロが拠出される。

(注)EUエコデザイン規則の一環として義務付けられる、製品の循環性要件に関する情報を電子的に提供する仕組み。詳細は、ジェトロ調査レポート「EU循環型経済関連法の最新概要(2024年11月)」参照。

(川嶋康子)

(ドイツ)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/e62e37be199f0e7e.html

時系列

主な数値

施策数 12施策
拠出金額 2億6,000万ユーロ

この事例から確認すべきポイント

ドイツ連邦政府が発表した「国家循環型経済戦略」の行動計画は、経済の自律性向上とイノベーション強化を目指すものであり、企業はこれからの事業戦略において循環型経済への対応を不可避と捉えるべきです。特に、2026年秋に運用開始されるプラットフォームは、新規プロジェクトのパートナー探索やバリューチェーン構築の機会を提供し、2026年末から始まる助成プログラム「未来の循環型経済」は、革新的なリサイクル技術やビジネスモデルを持つスタートアップにとって重要な資金源となるでしょう。また、公共調達におけるリサイクル製品の発注量増加は、関連製品・サービスの需要を創出し、デジタル製品パスポート(DPP)導入やAI活用は、製品情報管理やサプライチェーンの透明性向上を促します。企業は、これらの政策動向を注視し、自社の製品開発、生産プロセス、サプライチェーン、そして法務・広報戦略にどのように組み込むかを検討する必要があります。EU規制との調和を目指す法改正も予定されており、国際的な事業展開を行う企業は、早期の情報収集と対応が求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-22

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