経済・産業トレンド

2026年5月のインド保険市場、生保は伸びが鈍化、損保は医療主導で堅調維持

インドの格付け会社Care Edge Ratingsは、2026年度5月のインド保険市場業績を公表しました。生命保険の新契約保険料は前年同月比5.1%増とプラス成長を維持したものの、前年同月の伸び率からは大幅に鈍化。団体保険の一時払い保険の伸び鈍化が背景にあります。一方、損害保険の保険料収入総額は前年同月比8.7%増と堅調に推移。特に個人向け医療保険が約3割増と高い伸びを示し、自動車保険も堅調でした。法人向け商業保険は低迷し、火災保険は2割超の減少となりました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

インド市場に進出している、または進出を検討している保険会社や関連金融機関は、生保・損保それぞれの市場動向を詳細に分析し、事業戦略を見直す必要があります。特に、医療保険や自動車保険分野での需要拡大は、関連サービスを提供する企業にとっても機会となる可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 Care Edge Ratings
業界 保険
発表日 2026-06-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月24日

添付資料(268 KB)

ムンバイに本社を置く地場大手格付け会社Care Edge Ratingsは、インド保険市場の2026年度(2026年4月~2027年3月)5月業績を公表した(生命保険:6月10日、損害保険:6月23日)。

生保の新契約保険料(New Business Premium:NBP)は、5月単月で約3,203億900万ルピー(約5,445億2,500万円、1ルピー=約1.7円)と前年同月比5.1%増となり前月に引き続きプラス成長を維持するも、前年同月の伸び率(12.7%増)からは大幅に鈍化する結果となった(添付資料表1~3参照)。背景として、団体保険の主力である一時払い保険の伸びが鈍化したことが挙げられる。同分野は保険料収入全体に占める割合が大きく、民間生保会社で1.8%減、国営生保ライフ・インシュランス・コーポレーション・オブ・インディア(LIC)でも4.4%増にとどまり、これまでの高成長からの反動減が生じた。

損保の保険料収入総額(新規、更新の合計)は、5月単月で約2,419億5,000万ルピー(前年同月比8.7%増)と堅調な伸びになった。成長を牽引したのは医療保険で、特に個人向けの医療保険は約3割増と高い伸びを示しており、医療費の上昇や保障ニーズの拡大を背景に需要が拡大しているものとみられる。自動車保険も約1割増と堅調に推移し、新車販売の増加を背景に、車両保険(OD)および対人賠償保険(TP)の双方で安定的な需要がみられた。一方、法人向けの商業保険は低迷が続く。火災保険は2割超の減少となり、価格競争の激化による料率低下が影響した。

生保市場に対する見解について、同社シニア・ディレクターのサンジェイ・アガルワル氏は、「5月は前月比で伸びが鈍化したものの、累計では前年からの成長を維持しており、新契約保険料は前年同期比19.4%増となっている。この成長は、個人向けの貯蓄性および保障性商品の継続的な需要に支えられたものである」と述べている。

損保市場に対する見解について、同社ディレクターのプリイェシュ・ルパレリア氏は、「今後の見通しとしては、保険に対する意識の高まり、医療費の増大、販売網の拡大、デジタル化の進展といった構造的要因が業界の成長を支えると予想される。医療保険と自動車保険が引き続き主要な成長エンジンとなる一方で、法人向けの保険、特に火災保険の競争の激化は、価格設定や保険料収入の伸びに対する下押し圧力となる可能性がある」と述べている。

(野本直希)

(インド)

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2026年5月のインド保険市場、生保は伸びが鈍化、損保は医療主導で堅調維持

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/2784ea0b71cb19aa.html

時系列

主な数値

生保新契約保険料(NBP)5月単月 3203億900万ルピー
生保NBP 5月単月前年同月比 5.1%増
生保NBP 前年同月伸び率 12.7%増
民間生保の一時払い保険伸び率 1.8%減
国営生保LICの一時払い保険伸び率 4.4%増
損保保険料収入総額5月単月 2419億5000万ルピー
損保保険料収入総額5月単月前年同月比 8.7%増
個人向け医療保険伸び率 約3割増
自動車保険伸び率 約1割増
火災保険減少率 2割超減少
生保NBP累計前年同期比 19.4%増

この事例から確認すべきポイント

インド保険市場の2026年5月の動向は、生保と損保で異なる成長パターンを示しています。生保市場の成長鈍化は、団体保険の一時払い保険の伸び悩みという特定セグメントの要因が大きく、市場全体の成長を牽引する新たなドライバーの必要性を示唆しています。一方、損保市場の堅調な成長は、医療費の上昇や保障ニーズの拡大を背景とした医療保険、および新車販売増による自動車保険が主要な牽引役となっており、個人の生活水準向上と健康意識の高まりが市場に与える影響の大きさを浮き彫りにしています。法人向け商業保険、特に火災保険の低迷は、激しい価格競争が収益性に与える圧力を示しており、企業は競争戦略の見直しを迫られる可能性があります。今後の市場は、保険に対する意識の高まり、デジタル化の進展、販売網の拡大といった構造的要因に支えられつつも、セグメントごとの競争環境と需要動向を詳細に分析することが重要となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-24

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