「農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律」に基づき開発供給実施計画を認定しました
この発表の要点
- 農林水産省は「スマート農業技術活用促進法」に基づき、新たに12事業者の開発供給実施計画を認定した。
- 認定された事業者は、金融・税制等の支援措置を受けることが可能となる。
- 認定された技術は、イチゴ摘果・収穫ロボットから灌水ナビゲーション技術まで多岐にわたり、農作業の労働時間削減に貢献すると期待される。
企業・自治体への影響
農業関連企業(農業機械メーカー、IT企業、研究機関など)は、スマート農業技術の開発・普及において、本制度の活用を検討する機会となるでしょう。また、農業従事者や農業法人にとっては、これらの技術導入により労働力不足の解消や生産性向上が期待されます。
対応すべきこと
- スマート農業技術の開発・供給を検討している企業は、本制度の認定要件や支援措置について詳細を確認する。
- 認定された技術に関心のある農業従事者や農業法人は、各技術の詳細や導入メリットについて情報収集を行う。
- 関係省庁や業界団体は、本制度のさらなる周知と活用促進を図る。
- 自社の技術がスマート農業技術活用促進法の対象となり得るか、農林水産省の公式情報を確認する。
対応優先度: 中 国のスマート農業推進政策に基づく認定であり、認定事業者は金融・税制支援を受けられるため、関連企業や農業従事者にとって重要な情報であるため。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 農林水産省 |
|---|---|
| 業界 | 農業 |
| 発表日 | 2026-06-30 |
| 分類 | 行政処分・コンプライアンス |
発表された内容
令和8年6月30日
農林水産省
〇 新たに12事業者から申請のあった開発供給実施計画を認定。
農林水産省は、農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律(令和6年法律第63号。以下「スマート農業技術活用促進法」という。)に基づき、12事業者から申請された開発供給実施計画の認定を行いました。また、既に認定された開発供給実施計画のうち、1事業者から申請された計画変更の認定を行いました。
1.趣旨
スマート農業技術活用促進法では、農業において特に必要性が高いと認められるスマート農業技術等の開発及びその成果の普及に関する計画(開発供給実施計画)を農林水産大臣が認定し、認定を受けた事業者は、金融・税制等の支援措置を受けることができます。
今回、株式会社アイナックシステム、inaho株式会社、株式会社デリカ、国立大学法人鳥取大学、株式会社Eco-Pork、株式会社オプティム、AGRIST株式会社、リックス株式会社、Workauto株式会社、オリオン機械株式会社、シブヤ精機株式会社及び株式会社センシフィアから申請のあった12件の開発供給実施計画について、同法第13条第4項に基づき内容を審査したところ、要件を満たすものと認められることから、農林水産大臣の認定を行いました。
また、令和7年10月に認定された、AutoCover株式会社に係る認定開発供給実施計画について、同社から同法第14条第1項に基づき計画変更の申請があり、同条第6項において準用する同法第13条第4項に基づき内容を審査したところ、要件を満たすものと認められたため、農林水産大臣による認定を行いました。
いずれも、人手を要する農作業の労働時間の削減等に資する技術と認められるものであり、これらのスマート農業技術の開発及び供給を通じて、スマート農業技術の活用が促進され、農業の生産性が向上していくことが期待されます。
2.申請者の開発供給実施計画の概要(新規分)
株式会社アイナックシステム(申請代表者)
イチゴの光合成、成長等の生理生態情報のモニタリング・予測機能を備えるIoP(植物情報連携)モジュールを搭載した自動走行できる多機能型摘果・収穫ロボット及びロボット管理適性が高い品種の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「施設野菜・花き作」の「栽培管理」のうち「自動収穫機の汎用化等を通じた摘葉・摘果等の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術等(イチゴの摘果・収穫作業の自動化・省力化による労働時間の削減)
inaho株式会社(申請代表者)
施設栽培トマトの葉かき・芽かき作業において、茎葉等の遮蔽環境に対応可能な多段型アルゴリズムと副腕付きアームを統合した自動葉かき・芽かきロボットの開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「施設野菜・花き作」の「栽培管理」のうち「自動収穫機等の汎用化等を通じた摘葉・摘果等の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(施設栽培トマトの葉かき・芽かき作業の自動化・省力化による労働時間の削減)
株式会社デリカ(申請代表者)
かんしょの移植作業に係る時間の削減を目的とした、慣行のつる苗を用いて垂直・斜め・水平植えなどの複数の植付姿勢に1台で対応する国内初の乗用型移植機の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「畑作」の「播種及び移植」のうち「全自動移植機等の播種又は移植作業の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(かんしょの畝立て、植付、マルチング作業の一工程化による労働時間の削減)
国立大学法人鳥取大学(申請代表者)
果樹類(ナシ・リンゴ)の受粉作業の省力化を目的とする、傾斜地でも安定して自律走行ができる車両及びその上部に搭載可能な自動噴霧機から構成する自律走行受粉機の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「果樹・茶作」の「栽培管理」のうち「自動収穫機の汎用化等を通じた受粉、摘果、摘粒、摘葉、ジベレリン処理、剪定、剪枝、整枝、被覆等の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(果樹類の受粉作業の労働時間の削減)
株式会社Eco-Pork(申請代表者)
養豚の飼育作業において、画像センシング、マイクアレイ及び環境センサーから取得されるデータを統合して処理することで非接触かつ常時自動で疾病関連症状の検知を行う「豚疾病兆候検知システム」の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「畜産・酪農」の「飼養管理」のうち「画像センシング等による発情・疾病検知等の生体情報取得の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(養豚の飼育作業の自動化・省力化による労働時間の削減)
株式会社オプティム(申請代表者)
ドローン湛水直播において、種籾の射出・停止の自動切換を可能とし、最適な打込強度となるよう調整する播種機構及びウォーターレベリング(均平同時代掻き)により、作業の効率化及び苗立ちの安定化を図る技術の開発及びサービスの供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「水田作」の「育苗及び田植」のうち「ドローンによる直播等の育苗又は田植作業の省力化に係る技術」により労働時間80%削減に資する技術(ドローン湛水直播による労働時間の削減)
AGRIST株式会社(申請代表者)
施設きゅうり(ハイワイヤー・つる下ろし栽培)における下葉かき(下位葉の除去)及び摘果(曲がり果等の除去)を既存の自動収穫ロボットの拡張機能として現場実装する技術の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「施設野菜・花き作」の「栽培管理」のうち「自動収穫機の汎用化等を通じた摘葉・摘果等の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(施設きゅうりの下葉かき・摘果作業の労働時間削減)
リックス株式会社(申請代表者)
酪農・畜産における給餌(餌寄せ)作業を自動化するため、障害物検知センサー等を活用した中小規模酪農家向けの小型の自律走行型餌寄せロボットの開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「畜産・酪農」の「飼養管理」のうち「自動給餌機等の給餌・給水作業の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(小型の自律走行型餌寄せロボットによる酪農・畜産従事者の労働時間の削減)
Workauto株式会社(申請代表者)
施設栽培の農薬散布作業において、地面の条件に関わらず縦横無尽に走行でき、安定してホースを捌き、農薬を葉裏に散布できる仕組みを持つ自動農薬散布機の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「農作業共通」のうち「自動制御技術や遠隔操作技術を用いた既存の農業機械等の操作の省力化に係る技術」により労働時間40%削減に資する技術(農薬散布作業の自動化・省力化による労働時間の削減)
オリオン機械株式会社(申請代表者)
牛舎内に設置した固定カメラの映像をAIで処理することにより、牛の個体識別・位置検知が可能となり、さらに牛の行動トラッキングデータから発情・疾病を検知するシステムの開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「畜産・酪農」の「飼養管理」のうち「画像センシング等による発情・疾病検知等の生体情報取得の省力化に係る技術」により労働時間60%削減に資する技術(牛の発情・疾病検知作業の省力化による労働時間の削減)
シブヤ精機株式会社(申請代表者)
種ばれいしょの抜取り作業の省力化に資する、産業用カメラとAIを活用した種ばれいしょの異常株検出システムと、異常株の検出位置や画像の出力機能等を備えたナビゲーション用ソフトの開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「農作業共通」のうち「衛星やドローン等を用いた農産物の生育、土壌及び病害虫等のセンシングの結果等に連動した農作業の省力化又は高度化に係る技術」により労働時間20%削減に資する技術(AI等を活用した異常株検出システム等による種ばれいしょの異常株抜取り作業に係る労働時間の削減)
株式会社センシフィア(申請代表者)
施設園芸の灌水管理の省力化に資する、土壌中の空隙やEC(電気伝導度)の影響を受けずに長期間安定した土壌水分の測定が可能な新方式センサー(空間周波数領域透過法)と、測定結果を可視化し灌水判断を最適化・自動化する灌水ナビゲーション技術の開発及び供給。
【本技術による生産性向上の効果】・「農作業共通」のうち「衛星やドローン等を用いた農産物の生育、土壌及び病害虫等のセンシングの結果等に連動した農作業の省力化又は高度化に係る技術」により労働時間20%削減に資する技術(長期間安定した計測が可能な土壌水分センサー等を用いて灌水判断を最適化・自動化することによる労働時間の削減)
添付資料
(別添1)申請者の開発供給実施計画の概要(株式会社アイナックシステム)(PDF : 761KB)
(別添2)申請者の開発供給実施計画の概要(inaho株式会社)(PDF : 570KB)
(別添3)申請者の開発供給実施計画の概要(株式会社デリカ)(PDF : 721KB)
(別添4)申請者の開発供給実施計画の概要(国立大学法人鳥取大学)(PDF : 479KB)
(別添5)申請者の開発供給実施計画の概要(株式会社Eco-Pork)(PDF : 379KB)
(別添6)申請者の開発供給実施計画の概要(株式会社オプティム)(PDF : 547KB)
(別添7)申請者の開発供給実施計画の概要(AGRIST株式会社)(PDF : 590KB)
(別添8)申請者の開発供給実施計画の概要(リックス株式会社)(PDF : 582KB)
出典: www.maff.go.jp
URL: https://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/260630.html
時系列
- 2025-10-01 AutoCover株式会社に係る開発供給実施計画が認定(原文では「令和7年10月」と記載されており、日付は仮定)
- 2026-06-30 新たに12事業者の開発供給実施計画を認定、およびAutoCover株式会社の計画変更を認定
主な数値
| 新規認定事業者数 | 12事業者 |
|---|---|
| 計画変更認定事業者数 | 1事業者 |
| スマート農業技術活用促進法 | 令和6年法律第63号法律 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、農林水産省がスマート農業技術活用促進法に基づき、新たな開発供給実施計画を認定したことを示すものです。この認定制度は、農業において特に必要性の高いスマート農業技術の開発とその成果の普及を目的としており、認定を受けた事業者は金融・税制面での支援措置を受けることができます。今回認定された技術は、イチゴやトマトの自動収穫・葉かきロボット、かんしょ移植機、果樹受粉機、豚疾病兆候検知システム、ドローン湛水直播、自動農薬散布機など多岐にわたり、それぞれが農作業の労働時間削減に大きく貢献すると期待されています。これらの技術は、日本の農業が直面する労働力不足の課題解決に資するものであり、スマート農業の普及を加速させる重要な一歩と言えるでしょう。各計画の詳細については、現時点で取得できた本文からは確認できませんでしたが、公式出典に添付資料(PDF)が掲載されており、そちらで詳細を確認できます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-30
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