5月の中国自動車市場、国内販売低迷も新エネルギー車(NEV)輸出が好調
この発表の要点
- 2026年5月の中国自動車市場は、国内販売が前年同月比2.1%減と低迷した。
- 新エネルギー車(NEV)は販売台数が14.4%増、総販売の56.9%を占め、好調を維持した。
- 自動車輸出は68.7%増の93万台に達し、特にNEV輸出が2.1倍に大きく伸長した。
企業・自治体への影響
中国の自動車市場は、ガソリン車から新エネルギー車への移行が加速しており、国内販売の低迷と輸出の好調が顕著です。この動向は、自動車製造業、部品サプライヤー、および関連する物流・貿易企業に対し、製品戦略の見直しやサプライチェーンの再構築を促す可能性があります。特に、中国市場への参入を検討している、または既に事業展開している企業は、NEVシフトと中国ブランドの台頭を考慮した事業計画が求められます。
対応すべきこと
- 中国自動車市場における新エネルギー車(NEV)の動向と、自社製品・サービスの関連性を評価する。
- 中国市場での事業展開がある場合、国内販売の低迷要因(政策調整、市場構造変化、マクロ経済圧力)が自社に与える影響を分析する。
- NEV関連技術やサプライチェーンにおける競争力強化の機会を検討し、研究開発や輸出戦略に反映させる。
- 中国ブランドの市場シェア拡大傾向を注視し、競合環境の変化に対応するための戦略を立案する。
対応優先度: 中 中国自動車市場の大きな構造変化と成長分野を示しており、関連企業は中長期的な事業戦略に影響があるため。
対象部門: 経営者 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国自動車工業協会(CAAM) |
|---|---|
| 業界 | 自動車製造 |
| 発表日 | 2026-06-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 中国 |
発表された内容
2026年06月15日
中国自動車工業協会(CAAM)は6月10日、2026年5月の自動車販売台数は前年同月比2.1%減の262万9,000台、生産台数は1.2%減の261万6,000台だったと発表した。前月比ではそれぞれ4.1%増、1.6%増と小幅に回復した。2026年1~5月の累計販売は1,220万7,000台(前年同期比4.2%減)で、減少幅は縮小傾向にある。
5月の乗用車販売台数は225万3,000台(前年同月比4.2%減)と減少した一方、商用車は37万6,000台(12.5%増)と伸びを維持した。
新エネルギー車(NEV、注1)が引き続き好調で、5月の生産は155万4,000台(前年同月比22.4%増)、販売は149万6,000台(14.4%増)を記録し、自動車総販売台数に占める割合は56.9%に達した。1~5月の累計でもNEV販売は580万2,000台(前年同期比3.5%増)と堅調に推移し、総販売台数に占める割合は47.5%となった。NEVの内訳をみると、5月はバッテリー式電気自動車(BEV)が前年同月比22.9%増と伸びた一方で、プラグインハイブリッド車(PHEV)は0.5%減となった。
販売先別にみると、5月の国内販売は170万台(前年同月比20.4%減)と大きく減少した。うち乗用車の国内販売が144万4,000台(23.4%減)だった。これについてCAAMは、政策調整、市場構造の変化、マクロ経済の圧力などの複合的な要因によるものと分析した。一方、輸出は68.7%増の93万台と、2カ月連続で90万台を超えた(2026年5月13日記事参照)。このうち、NEVの輸出が44万6,000台(2.1倍)と大きく伸びた。
2026年1~5月の乗用車販売台数についてメーカーの国・地域別シェアをみると(注2)、中国ブランドは71.0%を占め、2025年通年(69.5%)から上昇した。外資系では、ドイツ系が10.4%、日系が8.7%、米国系が7.0%、韓国系が1.6%だった。
中国国内の自動車市場は、ガソリン車は低迷する一方、NEVは好調だ。この傾向について、CAAMの陳士華副秘書長は、燃料価格の高騰がガソリン車の使用コストを押し上げ、NEVの経済性がより際立っていると分析した。また、国内自動車メーカーが研究開発に注力し、NEVの新モデルを迅速に投入するとともに、多様なニーズに対応することで市場の潜在力を引き出しているとした。さらに、NEVについて、効率的な産業チェーンと規模の経済によって、安定したサプライチェーンを持ち、技術進化によって海外ニーズにも対応することが、競争力向上につながっていると評価した(「新華社」6月10日)。
(注1)バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の合計。
(注2)CAAMの報告書では単月の国別データが公開されていない。
(龐婷婷)
(中国)
ビジネス短信 1315ea72b6ae951c
関連情報
dummy
もっと見る
ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
5月の中国自動車市場、国内販売低迷も新エネルギー車(NEV)輸出が好調
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: JETRO ビジネス短信
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/1315ea72b6ae951c.html
時系列
- 2026-06-10 中国自動車工業協会(CAAM)が2026年5月の自動車販売・生産統計を発表
- 2026-06-15 JETROがCAAMの発表に基づくビジネス短信を公開
主な数値
| 2026年5月自動車販売台数 | 2629000台 |
|---|---|
| 2026年5月自動車生産台数 | 2616000台 |
| 2026年1-5月累計自動車販売台数 | 12207000台 |
| 2026年5月乗用車販売台数 | 2253000台 |
| 2026年5月商用車販売台数 | 376000台 |
| 2026年5月NEV生産台数 | 1554000台 |
| 2026年5月NEV販売台数 | 1496000台 |
| 2026年5月NEV販売割合 | 56.9% |
| 2026年1-5月累計NEV販売台数 | 5802000台 |
| 2026年1-5月累計NEV販売割合 | 47.5% |
| 2026年5月国内自動車販売台数 | 1700000台 |
| 2026年5月国内乗用車販売台数 | 1444000台 |
| 2026年5月自動車輸出台数 | 930000台 |
| 2026年5月NEV輸出台数 | 446000台 |
| 2026年1-5月乗用車販売における中国ブランドシェア | 71.0% |
| 2025年通年乗用車販売における中国ブランドシェア | 69.5% |
| 2026年1-5月乗用車販売におけるドイツ系ブランドシェア | 10.4% |
| 2026年1-5月乗用車販売における日系ブランドシェア | 8.7% |
| 2026年1-5月乗用車販売における米国系ブランドシェア | 7.0% |
| 2026年1-5月乗用車販売における韓国系ブランドシェア | 1.6% |
この事例から確認すべきポイント
2026年5月の中国自動車市場は、国内販売の低迷と新エネルギー車(NEV)の好調な販売・輸出という二極化が鮮明になりました。これは、燃料価格の高騰や国内メーカーの研究開発投資、多様なニーズへの対応といった要因により、消費者の嗜好がガソリン車からNEVへと急速にシフトしていることを示唆しています。特にNEVの輸出が大幅に伸びていることは、中国がグローバルなEV市場における競争力を高めている証拠であり、中国ブランドの国内市場シェア拡大と合わせて、今後の自動車産業の勢力図を大きく変える可能性があります。中国市場で事業を展開する企業は、この構造変化を深く理解し、製品ポートフォートやサプライチェーン戦略の再構築が急務となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-15
関連事例
- 上海汽車集団の自動車累計生産・販売台数が1億台を突破
- 米商務省、ドイツのボッシュに輸出管理違反で罰金、中国ファーウェイに事前許可なしで輸出
- メキシコ政府、国産電気自動車「オリニア」のプロトタイプを発表
- 5月の米小売売上高は前月比0.9%増と予想を上回るも、漂う先行き不透明感
- 「電波有効利用委員会報告(案)」に対する意見募集の結果
自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?
PRazeを見る