経済・産業トレンド 規則案公表・意見募集開始

スウェーデン政府、国内独自のPFAS規則案を公表、意見募集を開始

スウェーデン政府は、国内独自の有機フッ素化合物(PFAS)を含む特定製品の市場投入を制限する規則案を公表し、2026年11月30日まで意見募集を開始しました。この措置は2028年1月1日に施行予定で、衣類、靴、化粧品、台所用品などが対象です。EUの規制に先行する形で、環境へのPFAS拡散抑制を目指します。また、「PFASに関する国家行動計画」強化のため、汚染地域の復旧・修復に1,000万スウェーデン・クローナを追加拠出することも決定しました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

スウェーデン市場で対象製品(衣類、靴、化粧品、台所用品、スキー用ワックスなど)を製造・販売する企業は、PFAS含有状況の確認と、規制案の閾値への対応が求められる。化学物質管理、製品開発、サプライチェーン管理に関わる部門は、EUおよびスウェーデンのPFAS規制動向を継続的に監視し、製品戦略を見直す必要がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 広報

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 スウェーデン政府
発表日 2026-08-13
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月13日

スウェーデン政府は7月23日、国内独自の有機フッ素化合物(PFAS)を含む特定の製品の市場投入を制限する規則案を発表し、意見募集を開始した。募集期間は2026年11月30日までとしている。
同規則案は、同日採択されたPFAS問題への対応、特に水域や自然環境へのPFASの拡散を抑制するための「PFASに関する国家行動計画」の一環であり、環境へのPFAS物質の拡散防止に向けた取り組みの目標水準を引き上げることを目的としている。
欧州委員会は現在、EUの化学物質規制であるREACH規則の枠組み内で、PFASの包括的な規制に関する提案を審議しており、2027年中に対象製品を含むPFASの使用を幅広く制限するEUレベルのPFAS規制案を提示する見込みだ。しかし、拘束力のある法制化までには、あと1~2年はかかると見込まれており、スウェーデン政府はEUに先んじて、独自に特定製品のPFAS使用制限措置の準備を進めている。
同措置はEUレベルのPFAS規制案を踏まえて策定されており、EUで提案された閾値(しきいち)を適用し(注)、その閾値を超える当該製品はスウェーデン市場で消費者に提供できなくなる。対象となる製品は、衣類および靴、衣類・靴用撥水(はっすい)・防汚剤、化粧品、台所用品、スキー用ワックスだ。また、それらの中古品や再生素材を含む衣類などの製品は、適用除外となる。
同措置は2028年1月1日から施行される予定だが、EUのPFAS規制が施行された時点で、措置は解除される方針だ。
また、スウェーデン政府は、水域および自然界へのPFASの拡散を削減するため、「PFASに関する国家行動計画」の強化に向けて、2026年度春季補正予算を通じて、「汚染地域の復旧・修復」に関する予算科目にさらに1,000万スウェーデン・クローナ(約1億7,000万円、SEK、1SEK=約17円)を拠出することを決定した。この追加拠出により、各行政機関が多分野で汚染を防止・管理するための、より強力な対策を共同で策定するための基盤を整える。
(注)EUのPFAS規制案は、約1万種類の化合物を対象とし、PFASの濃度に応じて製品の上市を規制する。いずれかのPFAS濃度が25ppb以上、または全てのPFASを合計した濃度が250ppb以上(ppbは10億個中にある対象物質の個数を表す濃度単位)の場合は製造、使用、または上市(市場投入)を禁止する。また、総フッ素濃度が50mgF/kgを超える製品については、事業者に対し、そのフッ素がPFAS由来か否かを証明する義務が課される。なお、規制案では18カ月の移行期間を設けるほか、移行期間終了後に用途に応じて5年または12年の適用除外期間を設ける方針。詳細は欧州化学品庁(ECHA)の“Annex XV Restriction Report”を参照。
(バリオ純枝、篠崎美佐)

(スウェーデン、EU)

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スウェーデン政府、国内独自のPFAS規則案を公表、意見募集を開始

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/17fe3e9e7094f7b0.html

時系列

主な数値

意見募集期間終了日 2026-11-30まで
追加拠出額(スウェーデン・クローナ) 1000万スウェーデン・クローナ
追加拠出額(日本円) 1億7000万円
EU規制案対象化合物数 約1万種類
EU規制案PFAS濃度閾値(いずれかのPFAS) 25ppb以上
EU規制案PFAS濃度閾値(全てのPFAS合計) 250ppb以上
EU規制案総フッ素濃度閾値 50mgF/kgを超える
EU規制案移行期間 18カ月
EU規制案適用除外期間(用途に応じて) 5年または12年年

この事例から確認すべきポイント

スウェーデン政府がEUに先行してPFAS規制を導入する動きは、環境規制の国際的な動向を注視する必要性を示唆しています。企業は、自社製品がスウェーデン市場で販売されている場合、衣類、靴、化粧品、台所用品、スキー用ワックスといった対象製品にPFASが含まれていないか、または閾値を超えていないかを確認する必要があります。EUレベルの規制案の閾値がスウェーデン独自の措置にも適用されるため、EUのREACH規則や欧州化学品庁(ECHA)の動向を継続的にモニタリングすることが重要です。EU規制が施行されればスウェーデン独自の措置は解除される方針であることから、将来的な規制の一元化を見据えた対応計画が求められます。環境汚染対策への追加予算拠出は、PFAS問題に対する政府の強い姿勢を示しており、サプライチェーン全体でのPFASフリー化への圧力が高まる可能性があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-13

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