インド5月貿易収支、輸出増もエネルギー輸入拡大で赤字高止まり
この発表の要点
- 2026年5月のインド貿易収支は、約282億1,000万ドルの赤字で、前月からはわずかに改善した。
- 輸出は増加したものの、原油価格高騰とエネルギー需要増による石油製品輸入の拡大が赤字高止まりの主因。
- インドは原油の8割以上を輸入に依存しており、中東情勢の悪化が貿易赤字に影響を与えている。
企業・自治体への影響
日本企業や国際貿易に関わる企業は、インド市場でのビジネス展開において、為替変動リスクやエネルギー価格の動向、サプライチェーンの安定性を考慮する必要があります。特に、エネルギー関連製品や電子製品、機械製品を扱う企業は、インドの輸入動向を注視すべきです。
対応すべきこと
- インド市場への輸出入を行う企業は、最新の貿易統計を定期的に確認し、事業計画に反映させる。
- エネルギー価格の変動が事業に与える影響を評価し、ヘッジ戦略やコスト削減策を検討する。
- インドとのサプライチェーンを持つ企業は、中東情勢などの地政学的リスクが物流や調達に与える影響をモニタリングする。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-06-22 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月22日
添付資料(354 KB)
インド商工省(MoCI)が6月15日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、2026年5月の貿易収支(サービスを除く)は約282億1,000万ドルの赤字で、赤字は前月からわずかに改善した(添付資料図参照)。輸入は734億666万ドルと高水準を維持したが、輸出が451億9,655万ドルと前月(435億5,961万ドル)から増加し、輸出の伸びが輸入の増加を上回ったことで赤字幅は小幅に縮小した。
輸出の内訳は、金額の大きいエンジニアリング製品123億1,133万ドル(前年同月比24.5%増)や石油製品84億2,101万ドル(54.9%増)、電子機器50億9,748万ドル(11.6%増)、医薬品26億2,829万ドル(6.1%増)、有機・無機化学製品27億1,965万ドル(12.7%増)などで、主要品目が輸出増加を牽引した。
輸入については、石油製品226億7,768万ドル(前年同月比53.8%増)、電子製品123億1,573万ドル(35.5%増)、電気・一般機械55億8,842万ドル(11.6%増)、金34億1,604万ドル(34.0%増)などで金額が大きかった。輸入増の背景には、原油価格の高騰とエネルギー需要の増加がある。インドは原油の8割以上を輸入に依存していることから、中東情勢の悪化が輸入額を拡大させ、貿易赤字の高止まりが継続している状況だ。
地場格付け会社ICRAのラフル・アグラワル首席エコノミストは、5月の貿易赤字について「世界的なエネルギー価格上昇に伴う純石油輸入額の増加が主因」と指摘し、輸出が好調でも原油輸入拡大が赤字高止まりの要因になっているとの見方を示している。(「フォーブス・インディア」紙6月15日)。
(野本直希)
(インド)
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インド5月貿易収支、輸出増もエネルギー輸入拡大で赤字高止まり
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/ce13b0039e0712b1.html
時系列
- 2026-06-15 インド商工省(MoCI)が2026年5月の貿易統計(速報値)を発表
- 2026-05 インドの貿易収支(サービスを除く)が約282億1,000万ドルの赤字を記録
主な数値
| 2026年5月貿易収支赤字(サービスを除く) | 282.1億ドル |
|---|---|
| 2026年5月輸入額 | 734.0666億ドル |
| 2026年5月輸出額 | 451.9655億ドル |
| 2026年4月輸出額 | 435.5961億ドル |
| 2026年5月エンジニアリング製品輸出額 | 123.1133億ドル |
| 2026年5月エンジニアリング製品輸出増減率(前年同月比) | 24.5%増 |
| 2026年5月石油製品輸出額 | 84.2101億ドル |
| 2026年5月石油製品輸出増減率(前年同月比) | 54.9%増 |
| 2026年5月電子機器輸出額 | 50.9748億ドル |
| 2026年5月電子機器輸出増減率(前年同月比) | 11.6%増 |
| 2026年5月医薬品輸出額 | 26.2829億ドル |
| 2026年5月医薬品輸出増減率(前年同月比) | 6.1%増 |
| 2026年5月有機・無機化学製品輸出額 | 27.1965億ドル |
| 2026年5月有機・無機化学製品輸出増減率(前年同月比) | 12.7%増 |
| 2026年5月石油製品輸入額 | 226.7768億ドル |
| 2026年5月石油製品輸入増減率(前年同月比) | 53.8%増 |
| 2026年5月電子製品輸入額 | 123.1573億ドル |
| 2026年5月電子製品輸入増減率(前年同月比) | 35.5%増 |
| 2026年5月電気・一般機械輸入額 | 55.8842億ドル |
| 2026年5月電気・一般機械輸入増減率(前年同月比) | 11.6%増 |
| 2026年5月金輸入額 | 34.1604億ドル |
| 2026年5月金輸入増減率(前年同月比) | 34.0%増 |
| インドの原油輸入依存度 | 80%以上 |
この事例から確認すべきポイント
この事例は、インド経済が輸出の好調にもかかわらず、世界的なエネルギー価格の変動と地政学的リスクに起因する輸入コスト増大により、貿易赤字の解消に苦慮している現状を示しています。特に、原油輸入への高い依存度が、国際情勢の不安定化が貿易収支に直接影響を与える脆弱性を浮き彫りにしています。企業は、インド市場における事業展開やサプライチェーン構築において、エネルギー価格の動向、為替リスク、そして地政学的リスクを継続的に評価し、事業計画に織り込む必要性を再認識すべきです。また、エネルギー効率化技術や再生可能エネルギー関連製品・サービスの需要が、インド国内で高まる可能性も示唆しています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-22
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