S&P、ラオスのソブリン格付けを「B-」に引き上げ
最終確認日: 2026-11-02
基本データ
| 分類 | 経済・産業トレンド |
|---|
発表された内容
2026年11月02日
米国の大手格付け会社S&Pグローバル・レーティング(以下、S&P)は10月29日、ラオスの長期ソブリン信用格付けを「CCC+」から「B-」に、短期ソブリン信用格付けを「C」から「B」へ、それぞれ引き上げた(2025年10月27記事参照)。長期格付けの見通しは「安定的」とした(注1)。
S&Pは格上げの理由として、ラオス政府による着実な財政再建、政府債務残高のGDP比率低下、対外債務と国際収支の改善を挙げた。これらの分野で進めてきた改革が、2020年代初頭の経済危機後のマクロ経済の安定化につながったと評価した。
外貨準備高は30億ドルを大きく超えた。一般政府純債務のGDP比(注2)も、2022年のピーク時の114.3%から71.3%へと低下する見通しだ。インフレ圧力や貿易環境の悪化にもかかわらず、現地通貨キープの相場も比較的安定している。
S&Pは、ラオス政府による国際資本市場からの資金調達が、この1年間で改善したことも評価した。政府は2025年11月、5年物の米ドル建て国債を発行し、3億ドルを調達した。表面利率は11.25%だった(2025年12月10日記事参照)。さらに2026年10月7日には、2032年償還の5億ドルの米ドル建て国債を発行した(表面利率9.625%)。
他の格付け会社も、ラオスのマクロ経済の安定化を評価する一方、債務返済負担や外貨流動性を引き続きリスク要因として挙げている。
タイの格付け会社トリスレーティングは2026年5月27日、ラオスのソブリン格付けを「BB+」に据え置く一方、格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更した。資金調達余力や対外収支の改善、財政・債務負担の安定化、インフレの鈍化、為替相場の安定を踏まえ、ラオスの債務返済能力が安定しつつあると判断した。一方、手元資金などの財務余力が限られていること、当面の債務返済負担が大きいこと、それに伴う流動性管理上のリスクを格付けの制約要因として挙げた。
また、フィッチ・レーティングスは10月2日、ラオスの長期発行体デフォルト格付けを「CCC+」に据え置いた。多額の対外債務返済、高水準の政府債務、低い1人当たりGDPに加え、中国による2国間債務の返済繰り延べが続いていることから、対外資金調達上の問題がなお残っていることを示すとした。一方、金融・財政引き締めを柱とするマクロ経済調整策により、インフレ率の低下、国内の外貨流動性の改善、為替相場の安定、外貨準備高の増加、政府債務のGDP比率低下が進んでいることを評価した。
(注1)S&Pによる各種格付けと見通しの定義は、次のとおり。
長期格付けの「B-」は、現時点で債務履行能力はあるものの、経済・金融環境の悪化によってその能力が損なわれる可能性が高いことを示す。投機的とされる区分。-は各カテゴリー内で相対的に弱いことを示す。
短期格付けの「B」は、短期債務の履行能力はあるものの、重大な不確実性があることを示す。投機的とされる区分。
見通し「安定的」は、中期的に格付けが変更される可能性が低いとの見方を表す。
(注2)S&Pの一般政府純債務のGDP比とは、一般政府の総債務から、政府が保有する流動金融資産を差し引いた額のGDP比を示す。
(山田健一郎)
(ラオス)
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公開日: 2026-11-02 / 最終確認: 2026-11-02
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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-11-02
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