経済・産業トレンド

広東省、2025年の年間平均賃金を発表、伸び率・水準ともに全国平均を上回る

中国の広東省統計局は2025年の都市部年間平均賃金を発表しました。非民営企業は前年比5.8%増の14万3,284元、民営企業は3.6%増の8万3,930元となり、2024年と比較して賃金上昇ペースが回復しました。情報通信・ソフトウエア業が最も高く、宿泊・飲食業が低いなど業種間格差が見られます。珠江デルタ地域は省平均を上回る一方、粤東・粤西・粤北地区は低水準です。広東省は全国平均を上回る伸びと水準を示しましたが、外資系企業の賃金上昇は相対的に低調でした。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中国広東省に進出している、または進出を検討している企業、特に製造業、IT・ソフトウェア業、金融業、サービス業の人事・経営部門は、現地の労働市場の賃金動向と格差を把握し、人材採用戦略や人件費計画に反映させる必要があります。特に外資系企業は、全国の外資系企業と比較した賃金動向を考慮した戦略が求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 人事 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 広東省統計局
発表日 2026-07-09
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月09日

中国の広東省統計局は6月29日、2025年の広東省都市部の非民営企業(注1)および民営企業(注2)の従業員の年間平均賃金(注3)を発表した。

同省統計局によると、2025年の都市部における非民営企業の従業員の年間平均賃金は前年比5.8%増の14万3,284元(約329万5,532円、1元=約23円)だった。一方、民営企業は3.6%増の8万3,930元だった。非民営企業の平均賃金は民営企業の約1.7倍となった。なお、2024年の伸び率は、非民営企業が3.0%増、民営企業が0.4%増だったことから、2025年は賃金上昇ペースが回復したことがうかがえる。

業種別では、非民営企業では情報通信・ソフトウエア・情報技術サービス業が27万286元と最も高く、金融業(26万3,656元)、鉱業(26万1,381元)が続いた。一方、宿泊・飲食業(6万2,408元)や住民サービス・修理・そのほかのサービス業(6万7,755元)は低水準にとどまり、業種間の格差が依然として大きいことが分かる。

地域別では、広州市や深セン市を中心とする珠江デルタ地域の非民営企業の平均賃金が15万292元と省全体平均を上回った。一方、粤東、粤西、粤北地区(注4)はいずれも10万~11万元台にとどまり、地域間格差が続いている。

また、広東省都市部の外資系企業の平均賃金は、前年比1.5%増の13万8,089元で、伸び率は同省都市部の非民営企業全体(5.8%増、14万3,284元)を大きく下回った。一方、賃金水準は、同省都市部の民営企業(3.6%増、8万3,930元)を約5万4,000元上回った。

なお、中国国家統計局によると、2025年の全国都市部の年間平均賃金は、非民営企業が4.3%増の12万9,441元、民営企業が3.0%増の7万1,590元となった。広東省は非民営企業、民営企業ともに伸び率、賃金水準のいずれも全国平均を上回った。一方、全国都市部の外資系企業の平均賃金(16万4,956元、4.4%増)との比較では、広東省は伸び率、賃金水準とも下回った。広東省では全体として賃金上昇ペースが加速した中、外資系企業の賃金上昇は相対的に低調な状況だ。

(注1)国有企業、香港・マカオ・台湾企業、外資企業などを含む。
(注2)内資企業のうち、民営有限責任公司(2人以上の自然人によって投資される、または単一の自然人によって支配される)、民営株式有限公司(5人以上の自然人によって投資される、または単一の自然人によって支配される)、民営独資企業(単一の自然人によって投資され、投資者が会社の債務に対して無限責任を負う)、パートナー企業(2人以上の自然人によって共同投資され、債務に対して無限責任を負う)が含まれる。
(注3)ボーナス、手当、残業代などを含み、社会保障費・税引き前の金額。
(注4)「粤東地区」は汕頭市、汕尾市、潮州市、揭陽市、「粤西地区」は陽江市、湛江市、茂名市、「粤北地区」は韶関市、河源市、梅州市、清遠市、雲浮市で構成される。

(袁然)

(中国)

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出典: www.jetro.go.jp
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時系列

主な数値

2025年 広東省都市部 非民営企業 年間平均賃金 143284元
2025年 広東省都市部 非民営企業 賃金伸び率 5.8%増
2025年 広東省都市部 民営企業 年間平均賃金 83930元
2025年 広東省都市部 民営企業 賃金伸び率 3.6%増
非民営企業と民営企業の平均賃金比率 1.7倍
2024年 広東省都市部 非民営企業 賃金伸び率 3.0%増
2024年 広東省都市部 民営企業 賃金伸び率 0.4%増
2025年 広東省都市部 非民営企業 業種別最高賃金 270286元
2025年 広東省都市部 非民営企業 業種別最低賃金 62408元
2025年 広東省都市部 外資系企業 年間平均賃金 138089元
2025年 広東省都市部 外資系企業 賃金伸び率 1.5%増
2025年 全国都市部 非民営企業 年間平均賃金 129441元
2025年 全国都市部 非民営企業 賃金伸び率 4.3%増
2025年 全国都市部 民営企業 年間平均賃金 71590元
2025年 全国都市部 民営企業 賃金伸び率 3.0%増
2025年 全国都市部 外資系企業 年間平均賃金 164956元
2025年 全国都市部 外資系企業 賃金伸び率 4.4%増

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中国広東省における2025年の年間平均賃金の動向を示しており、企業が中国市場、特に広東省での事業戦略や人事戦略を検討する上で重要な情報を提供します。非民営企業と民営企業の間、また業種間や地域間での賃金格差が依然として大きいことが明確に示されており、これは人材採用や人件費計画において考慮すべき点です。特に、情報通信・ソフトウエア・情報技術サービス業の賃金水準が高いことは、これらの分野での人材獲得競争が激化している可能性を示唆します。また、広東省全体としては賃金上昇ペースが加速しているものの、外資系企業の賃金上昇が全国平均の外資系企業と比較して相対的に低調である点は、外資系企業が広東省で直面する特定の課題や戦略の違いを反映している可能性があります。企業はこれらのデータを基に、現地の労働市場の特性を深く理解し、競争力のある賃金体系や福利厚生の設計、人材配置の最適化を図る必要があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-09

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