経済・産業トレンド

米スケッチャーズ、アルジェリアで生産拠点設立へ

米スニーカー大手のスケッチャーズは、アルジェリアの靴メーカーTradifootと提携し、アフリカ初となる生産拠点をアルジェリアに設立するパートナーシップ協定を締結しました。新工場は2027年第1四半期に稼働開始予定で、年間生産能力は200万足、投資額は1,000万ドル超とされています。当初は国内市場向け、将来的にはアフリカ、アラブ諸国、欧州市場への輸出を目指します。この動きは、価格競争力の維持とアルジェリア市場へのアクセス確保を目的としています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

フットウェア製造業および関連するサプライチェーン企業は、グローバル企業の生産拠点分散戦略や新興市場への進出動向を注視する必要があります。特に、アフリカ市場への展開を検討している企業は、現地の政策動向、貿易協定(AfCFTA)、および競合環境の変化が事業戦略に与える影響を評価することが求められます。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 フットウェア製造
発表日 2026-06-30
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年06月30日

米スニーカー大手のスケッチャーズが6月21日、アルジェリアの靴メーカーであるトラディフットと、アフリカ初となる生産拠点の設立に向けたパートナーシップ協定を締結したと「アルジェリア・プレス・サービス」(6月21日付)などの現地複数メディアが伝えた。トラディフットは国内33店舗を通じ、米国のケイ・スイスやコールハーン、英国のクラークスなど欧米計10ブランドを取り扱う輸入・販売代理店で、これまで製造活動は行っていなかった。同社は、政府の国内生産拡大と輸入代替方針に沿って(2025年9月26日記事参照)、本プロジェクトを進めたとしている。詳細は、調査レポート「アルジェリアの主要輸入規制(2024年8月)」を参照。

新工場は2027年第1四半期の稼働開始を予定し、年間生産能力は200万足とされる(6月21日付国営通信社「アルジェリア・プレス・サービス」)。協定は、トラディフットのドジャメル・ラムール最高経営責任者(CEO)とスケッチャーズのダグラス・パーカー財務担当副社長が首都アルジェで署名し、アルジェリアのカメル・レジグ対外貿易・輸出促進相が立ち会った。工場はアルジェのババ・アリ(Baba Ali)工業地帯に立地し、投資額は1,000万ドル超とされている。プロジェクトにはスケッチャーズの専門家による現地労働者の育成が含まれ、製造技術とノウハウの移転を進める予定だ。詳細は未公表だが、現地報道によると現地調達率は40%が見込まれている。

生産は最終的に4ライン体制とし、当初は国内市場向け、操業2年目以降はアフリカ市場への輸出を計画する。中期的にはアラブ諸国、欧州市場への輸出を目標としている。

スケッチャーズは、外部委託生産(OEM/ODM)を軸としたアセットライト型サプライチェーン(注)を構築し、中国・ベトナムを中心に生産拠点の分散を進めている。今回の動きは、現地製造パートナーとの協業により価格競争力を維持しつつ、アルジェリア市場へのアクセスの確保を狙ったものとみられる。同拠点からアフリカなど輸出市場でシェア拡大を図るには、低価格のアジア製品や東・北アフリカの既存繊維産業との競合が課題となるため、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)(2025年10月24日記事参照)の活用や製造工程の自動化などによる低コスト化が求められる見通しだ(6月21日付「マグレブ・エメルジャン」)。

(注)自社で生産設備を保有せず、OEM/ODM(「貿易・投資相談Q&A」参照)など外部委託を中心に構築する軽資産型の供給網。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、米国、中国、ベトナム)

ビジネス短信 a49dc585014f04fc

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米スケッチャーズ、アルジェリアで生産拠点設立へ

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/a49dc585014f04fc.html

時系列

主な数値

年間生産能力 200万足
投資額 1000万超ドル
現地調達率(見込み) 40%
最終生産ライン体制 4ライン
Tradifootの取り扱いブランド数 10ブランド

この事例から確認すべきポイント

本事例は、グローバル企業が地政学的リスクやサプライチェーンの多様化に対応し、新たな市場開拓を目指す際の戦略的提携の一例として注目されます。特に、政府の国内生産拡大・輸入代替方針に沿った現地企業との協業は、進出先の政策環境への適応と、現地での雇用創出や技術移転を通じた貢献を示すものです。アセットライト型のサプライチェーンを維持しつつ、現地生産により価格競争力を確保し、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の活用を見据えた輸出戦略は、今後の新興市場進出におけるモデルケースとなり得ます。企業は、このような国際的な事業展開において、現地の法規制、市場特性、競合環境を深く分析し、パートナー選定や事業計画に反映させる重要性を再認識すべきです。また、サプライチェーンのレジリエンス強化とコスト効率の両立を図るための戦略的な生産拠点分散の検討も求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-30

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