政府がガス供給申請の承認停止を公社に通知、企業の投資計画にも影響
この発表の要点
- バングラデシュ政府は、ガス供給不足を理由に新規産業向けガス接続および既存工場への供給量増加の承認を停止した。
- この停止措置により、日系企業を含む多くのガス供給申請が承認されないまま滞留している。
- 慢性的なガス不足とFSRU火災が重なり、製造業の事業拡張や新規投資計画に深刻な影響が出ている。
企業・自治体への影響
製造業、特に食用油、化学品、鉄鋼などの分野で、新規投資や事業拡張を計画している企業は、ガス供給の停止により工場の稼働停止や銀行ローンの返済といった財務的負担に直面する可能性があります。これは、企業の経営者や経理部門に直接的な影響を与え、投資計画の見直しを迫るでしょう。
対応すべきこと
- バングラデシュでの事業展開を検討している企業は、現地のエネルギー供給状況と政府の政策動向を継続的に監視する。
- 既存工場を持つ企業は、代替エネルギー源の確保やエネルギー効率化の検討を進める。
- 新規投資計画がある企業は、ガス供給リスクを考慮した事業計画の見直しを行う。
- 関係部門(経営者、経理、事業開発)へ本件を共有し、影響と対応策について議論する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 製造業 |
| 発表日 | 2026-08-05 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月05日
バングラデシュのエネルギー鉱物資源局(EMRD)は7月14日、国営石油・ガス公社のペトロバングラに対し、国内ガス生産の減少と液化天然ガス(LNG)の輸入不足を理由に、新規産業向けガス接続および既存工場のガス供給量増加の承認を停止するよう通知した。これを受けてペトロバングラは17日、配給会社に停止を指示し、日系企業を含む多くのガス供給の申請が承認されないまま滞留することになった。
ペトロバングラによると、国内のガス需要は日量約3,800MMCFD(100万立方フィート/日)であるのに対し、平常時の供給量は2,500~2,600MMCFD程度にとどまり、従来から1,200~1,300MMCFD前後の供給不足が生じていた。供給量のうち800~900MMCFDは、2基の浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)から供給されるガスによって占められている。
こうした中、7月21日には、米国エクセラレート・エナジー社が運営するFSRUで火災が発生した。この事故により、全国のガス供給量は約2,150MMCFDに低下し、需給ギャップは平常時を大きく上回る水準に拡大した。
ガス不足は、企業の投資計画にも影響を及ぼしている。食用油、化学品、鉄鋼などを手掛ける地場大手TKグループのムスタファ・ハイダー取締役は「ガス供給を待つ工場向けに数十億ドルを投じた起業家たちが、工場の稼働が停止している間も銀行ローンの返済に苦慮している。新規ガス接続の停止が続けば、新たな投資を阻害し、政府の雇用目標の達成を妨げることになる」との懸念を示した(「ビジネス・スタンダード」紙7月28日)。
慢性的なガス不足に加え、今回のガス供給承認停止により、製造業の事業拡張や新規投資計画への影響が一段と懸念されている。
(新居大介)
(バングラデシュ)
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政府がガス供給申請の承認停止を公社に通知、企業の投資計画にも影響
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/3463b73c336e674f.html
時系列
- 2026-07-14 バングラデシュのエネルギー鉱物資源局(EMRD)が国営石油・ガス公社のペトロバングラに対し、新規産業向けガス接続および既存工場のガス供給量増加の承認停止を通知
- 2026-07-17 ペトロバングラが配給会社に停止を指示
- 2026-07-21 米国エクセラレート・エナジー社が運営するFSRUで火災が発生
主な数値
| 国内ガス需要 | 3800MMCFD/日 |
|---|---|
| 平常時のガス供給量 | 2500-2600MMCFD/日 |
| 平常時のガス供給不足量 | 1200-1300MMCFD/日 |
| FSRUからのガス供給量 | 800-900MMCFD |
| FSRU火災後の全国ガス供給量 | 2150MMCFD |
| ガス供給を待つ工場への投資額 | 数十億ドル |
この事例から確認すべきポイント
この事例は、国家の資源政策やインフラ事故が産業活動に与える脆弱性を浮き彫りにしています。慢性的なガス不足とFSRU火災によって引き起こされた政府のガス供給承認停止は、製造業の拡張や新規投資に直接的な影響を及ぼしています。日系企業を含む多くの企業が、プロジェクトの停滞や、稼働停止中の工場に対する銀行ローンの返済といった財務的負担に直面しています。このような状況は、特定のエネルギー源に依存する国々で事業を展開する企業にとって、エネルギー政策の変動やサプライチェーンリスクの監視がいかに重要であるかを示唆しています。企業は、堅牢なリスク評価、可能な限りのエネルギー源の多様化、供給途絶に対する緊急時計画を策定し、現地の規制当局や業界団体との明確なコミュニケーションチャネルを維持することが不可欠です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-05
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