経済・産業トレンド

理想汽車、カザフスタンで新型車を発売、現地生産も開始へ

中国EVメーカーの理想汽車は7月24日、カザフスタンで新型SUV「理想L9」を発売し、同国大手アリュールとの戦略提携により初の海外生産を開始すると発表した。ヤンデックス、高徳地図とも提携し、車載デジタルサービスを強化。同社は中央アジアをグローバル戦略の重要拠点と位置付け、2025年からの海外展開を加速し、東南アジア、中東、欧州市場への進出も計画している。

この発表の要点

企業・自治体への影響

本発表は、自動車製造業、特にEVメーカーに対し、中国企業の積極的なグローバル展開戦略、現地生産への移行、およびデジタルサービス統合の重要性を示唆します。中央アジア、東南アジア、中東、欧州市場で事業を展開する企業や、自動車サプライチェーン、デジタルサービスプロバイダーにも影響を与える可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 法務 情シス

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 理想汽車(Li Auto)
業界 自動車製造
発表日 2026-07-24
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月05日

中国の新興電気自動車(EV)メーカーの理想汽車(Li Auto)は7月24日、カザフスタンでフラッグシップスポーツ用多目的車(SUV)「新型理想L9」(以下、新型L9)を発売したと発表した。同社によると、新型L9は、同社初のグローバルモデルだ。カザフスタン市場では「新型L9 Livis」と「新型L9 Ultra」の2仕様を投入する。

また、カザフスタンの大手自動車グループであるアリュールと戦略提携し、同国で組み立て生産を開始すると発表した。理想汽車にとって初の海外生産となる。発表によると、両社はアリュールのコスタナイ工場で生産する計画で、販売網やアフターサービス体制の整備でも協力する。理想汽車の馬東輝共同創業者兼総裁兼チーフエンジニアは、中央アジアを同社グローバル戦略の重要拠点と位置付ける考えを示した。また、アリュールとの戦略提携については、カシムジョマルト・トカエフ大統領立ち会いの下で締結されたと明らかにし、同社が製品輸出から現地生産へ移行する新たな段階を象徴するものだとの認識を示した。

また、理想汽車は、ロシアのIT大手ヤンデックスおよび中国の地図サービス大手の高徳地図(Amap)とも戦略提携した。車載システムに両社のナビゲーションやリアルタイム交通情報サービスを導入するほか、音楽・動画コンテンツなども統合し、カザフスタン向けのデジタルサービスの強化を図る。

今回、カザフスタン市場に投入した「新型L9 Livis」の販売価格は5,190万テンゲ(約1,785万円、1テンゲ=約0.34円)、「新型L9 Ultra」は4,399万テンゲとなる。駆動方式は、同社独自開発の第3世代レンジエクステンダーシステムを採用し、国際的な走行試験基準(WLTC)で電動航続距離350キロメートル、総合航続距離1,370キロメートルを実現したという。

理想汽車は2025年から海外展開を本格化し、これまでにカザフスタンのほか、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、エジプトなどに進出している。今後はカンボジア、ラオス、ミャンマーなど東南アジア市場への進出を進めるほか、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなど中東市場でも事業展開を加速する方針だ。さらに、2026年下半期には欧州市場でバッテリー式電気自動車(BEV)を投入し、年末には右ハンドル仕様の「理想MEGA」を香港やシンガポール市場へ投入する計画としている。

(宋青青)

(中国)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/ed9cd272fffb198b.html

時系列

主な数値

新型L9 Livis販売価格 5190万テンゲ
新型L9 Livis販売価格(日本円換算) 1785万円
1テンゲあたりの日本円換算 0.34円
新型L9 Ultra販売価格 4399万テンゲ
新型L9電動航続距離(WLTC) 350キロメートル
新型L9総合航続距離(WLTC) 1370キロメートル

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中国の新興EVメーカーである理想汽車が、製品輸出から現地生産へとグローバル戦略を転換する重要な一歩を示している。中央アジアを戦略的拠点と位置付け、カザフスタンの大手自動車グループとの提携による初の海外組み立て生産は、新興市場における事業展開のモデルケースとなり得る。また、ヤンデックスや高徳地図との連携によるデジタルサービスの強化は、単なる車両販売に留まらない顧客体験の提供を目指す同社の戦略を反映している。今後、東南アジア、中東、欧州市場への展開を加速する方針は、世界のEV市場における競争激化と、地域ごとの特性に合わせた戦略の重要性を示唆している。特に、2026年下半期に欧州市場でBEVを投入し、年末には右ハンドル仕様車を香港やシンガポールに投入する計画は、地域ごとの規制や消費者の嗜好への対応を重視する姿勢がうかがえる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-05

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