補助金・支援制度

中小企業庁担当者に聞く | 業務改善につながるITツールの導入を支援「デジタル化・AI導入補助金」

中小企業庁は、令和7年度補正予算から「IT導入補助金」を「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更したと発表しました。AIを活用した業務改善の可能性を広げる狙いがあり、基本的な制度設計は維持されます。本発表では、通常枠やインボイス枠などの類型、ITツール選定支援ツール「省力化ナビ」「IT戦略ナビwith」、専門家相談窓口「IT経営サポートセンター」、新たな加点措置「デジタル化セカンドオピニオン」など、補助金の活用ポイントが解説されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中小企業・小規模事業者は、デジタル化・AI導入を検討する際に、新たな補助金制度の活用により、ITツール導入費用やコンサルティング費用の一部支援を受けられる可能性があります。特に、AI導入やインボイス制度対応、セキュリティ対策を強化したい企業にとって、具体的な支援策が提供されます。

対応すべきこと

対応優先度:  中小企業・小規模事業者のデジタル化・AI導入を支援する補助金制度の変更であり、事業戦略や投資計画に影響を与えるため。

対象部門: 経営者 総務 情シス 経理 広報

対応期限:公募締切まで

基本データ

企業・団体 中小企業庁
発表日 2026-06-15
分類 補助金・支援制度

発表された内容

2026年6月15日

補助金を活用したい

最終更新日:2026年6月17日

このページでわかること

「デジタル化・AI導入補助金」の基本的な仕組み
自社の課題にあったITツール選びのポイント
新たな加点措置「デジタル化セカンドオピニオン」の内容
補助金のより良い活用のための申請方法

令和7年度補正予算から、中小企業・小規模事業者のデジタル化を支援してきた「IT導入補助金」は、「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更されました。
制度の基本的な仕組みや補助対象は、これまでのIT導入補助金と大きく変わるものではありませんが、中小企業等にもAIを活用した業務改善の可能性を広く知ってもらう狙いがあります。
今回は、事業者の課題解決や業務効率化につなげるための「デジタル化・AI導入補助金」の活用ポイントについて、中小企業庁の担当者にお話をうかがいました。

もくじ

IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更
「省力化ナビ」「IT戦略ナビwith」で課題にあったデジタル化を検討
デジタル化・DX推進の不安や悩みは、専門家に相談
ITツール導入検討から補助金申請までの手順について

IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更

これまでIT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のデジタル化やDXに向けたITツールの導入を支援してきました。名称は「デジタル化・AI導入補助金」に変わりましたが、基本的な制度設計は大きく変わりません。
補助金の対象となるITツールは、IT導入支援事業者(ITベンダー等)が、事前に事務局の審査を受けて登録したものに限られます。また、申請は事業者単独ではなく、IT導入支援事業者との共同申請となります。

デジタル化・AI導入補助金の枠・類型

通常枠は、生産性向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入費用を支援する、最も標準的な枠です。近年は、クラウドサービスを導入する申請事例が増えています。デジタル化・AI導入補助金では、クラウド利用料の最大2年分が補助対象です。
インボイス枠(インボイス対応類型)は、会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトなど、インボイス制度に対応したITツールの導入を支援する枠です。「IT導入補助金2025」では、申請件数・採択件数ともに最も多い人気の枠でした。この枠の特徴は、ITツールの導入に必要なハードウェア(パソコン、タブレット、レジ、券売機等)も補助対象となる点です。
通常枠の場合、パソコンやタブレットなどの汎用機器は補助対象外ですが、この枠ではスマートレジの端末となるタブレット等にも補助金を活用できます。レジや決済システムの見直しを検討している事業者にとって、活用しやすい枠ではないでしょうか。
その他、セキュリティ対策推進枠は、情報処理推進機構(IPA)の「サイバーセキュリティお助け隊」に登録されたサービスの導入を支援する枠。複数者連携デジタル化・AI導入枠は、複数の中小企業・小規模事業者が連携してITツールを導入する際に利用できる枠。インボイス枠(電子取引類型)は、インボイス制度に対応した受発注システムを、商流単位で導入するための枠となっています。

中小企業庁担当者から一言

通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)では、ITツールを使いこなすための導入後のコンサルティング費用なども補助対象となります。また、最低賃金近傍事業者(地域別最低賃金に近い水準で従業員を雇用している事業者)は、通常枠の補助率が2/3に引き上げられます。

デジタル化・AI導入補助金事務局

わかりやすく解説中

デジタル化・AI導入補助金詳細

「省力化ナビ」「IT戦略ナビwith」で課題にあったデジタル化を検討

デジタル化・AI導入補助金の対象となるITツールやIT導入支援事業者は「ITツール・IT導入支援事業者検索」のページから、ツールの機能(業務プロセス)、対応業種、事業者の所在地などを条件に検索することができます。
デジタル化・AI導入補助金では、ITツール検索画面でAI機能の有無も分かるようになりました。検索の時に「生成AI」と「生成AI以外のAI」の2つのタグで選択できます。

現在、文章作成、チャット対応、データ分析、業務予測、書類作成支援など、AIの活用範囲は急速に広がっています。今後は中小企業でも、業務効率化のためにAIを導入するケースが増えていくと思われます。

しかし、次々と新しいITツールが登場するなかで、「どのITツールを選べば良いのか」と迷う経営者も少なくありません。今回は、ITツールの導入検討に役立つ、業務改善・デジタル化の自己診断ツール「省力化ナビ」「IT戦略ナビwith」をご紹介します。「省力化ナビ」と「IT戦略ナビwith」は、デジタル化・AI導入補助金の採択で有利となる加点項目にもなっています。

支援ツールのご紹介

現場の課題から業務改善のヒントが分かる「省力化ナビ」

省力化ナビは、自社の課題に合わせた業務改善や省力化のヒントを見つけることができるWebサイトです。直観的に操作でき、誰でも使いやすいツールになっています。
使い方は、とても簡単です。業種別のビジネスシーンが描かれたイラストの中から、「現場の困りごと」を選択すると、解決策、取組方法、導入ツール、費用の目安、事例、相談先までを一連で確認できます。
会計、人事、勤怠管理など、業種を問わず共通するバックオフィス業務も選択できるため、自社の課題に合ったITツールや省力化設備を検討する際に役立ちます。
省力化ナビは登録不要で利用できますが、デジタル化・AI導入補助金の加点申請を行う場合は、GビズIDプライムの入力が必要です。

省力化ナビ(中小機構)

支援ツールのご紹介

ITの活用策をマップで見える化する「IT戦略ナビwith」

IT戦略ナビwithは、中小企業・小規模事業者のデジタル化支援ポータルサイト「デジWITH」の主要機能です。
自社のデジタル化の現状や経営課題についての簡単なアンケート形式の質問に答えるだけで、自社の経営や業務の課題解決につながる具体的なIT活用方法を「IT戦略マップ」という一枚の図にまとめて、「見える化」します。「IT戦略マップ」は、デジタル化・DX化に向けた社内の情報共有に役立ちます。
IT戦略ナビwithも、省力化ナビと同様に登録不要で利用できますが、デジタル化・AI導入補助金の加点申請を行う場合は、GビズIDプライムの入力が必要です。

IT戦略ナビwith(中小機構)

中小企業庁担当者から一言

「省力化ナビ」や「IT戦略ナビwith」は、自社の課題解決につながるITツールの導入や活用方法の検討ツールです。WEB上から登録不要・無料で使えますので、お気軽にお試しください。

デジタル化・DX推進の不安や悩みは、専門家に相談

事業者の課題やニーズと合致しないITツールを導入してしまうと、期待した効果が得られず、結果的に投資が無駄になってしまう可能性があります。このようなリスクを抑えるためには、導入前にIT専門家のアドバイスを受けることも重要なポイントです。
国が設置した無料相談窓口「IT経営サポートセンター」では、専門家が中小企業・小規模事業者のIT活用やDX化の悩みにお答えします。また、よろず支援機関や商工会・商工会議所等の支援機関でも、デジタル化の相談を受け付けていますので、ぜひご利用ください。

支援ツールのご紹介

ITの専門家にオンライン相談「IT経営サポートセンター」

IT経営サポートセンターは、中小企業・小規模事業者のIT活用やDX化に関する悩みを相談できる、無料のオンライン相談窓口です。実務経験のあるIT専門家が、経営課題の整理からIT導入・活用方法まで実践的にアドバイスします。
センターでは課題が明確でない段階でも相談できます。たとえば、「デジタル化の進め方がわからない」「適切なITツールを選びたい」「ITツールをより効果的に活用したい」といった悩みに対して、課題の見える化や情報提供を行います。また、中小企業だけでなく、支援機関も活用できます。相談の予約はWEBサイト上から可能です。

IT経営サポートセンター

また、2026年6月の第3回公募から、新たに「デジタル化セカンドオピニオン」という制度がスタートし、デジタル化・AI導入補助金の加点項目に追加されました。
これは、第三者との面談を通じて、その取り組みに対するコミットメントを客観的に確認する機会を設けることを促す制度であり、面談を実施した事業者には、取り組み姿勢を評価する観点から加点措置を講じることで、デジタル化への前向きな挑戦を後押しするものです。

支援サービスのご紹介

申請予定のITツールを第三者の専門家が評価「デジタル化セカンドオピニオン」

デジタル化セカンドオピニオンは、(IT導入支援事業者とは異なる)第三者の専門家が経営者本人とオンラインで面談し、デジタル化・AI導入補助金で申請予定のITツールや運用体制等について必要な助言を行う制度です。
第三者の視点から、経営課題を整理し、導入予定のITツールが本当に必要か、課題解決につながるかを客観的に評価します。
デジタル化セカンドオピニオンを受けることにより、デジタル化・AI導入補助金の採択に有利となる加点を受けることができます。

交付申請時点までに、専門家との面談が完了している必要があります。

中小企業庁担当者から一言

導入予定のITツールが自社の課題解決につながるかを、経営者だけで判

出典: ミラサポplus 中小企業支援
URL: https://mirasapo-plus.go.jp/hint/32651/

主な数値

クラウド利用料補助期間 2年

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中小企業・小規模事業者のデジタル化支援がAI導入へと本格的にシフトしたことを示唆しています。単なるITツールの導入支援に留まらず、「省力化ナビ」「IT戦略ナビwith」といった自己診断ツールや、「IT経営サポートセンター」「デジタル化セカンドオピニオン」といった専門家による相談・評価制度を充実させている点が特徴です。これは、事業者が自社の課題に合致しないITツールを導入し、投資が無駄になるリスクを低減させ、より効果的なデジタル化・AI導入を促す狙いがあると考えられます。企業広報の観点からは、自社のデジタル化・AI導入の取り組みを対外的に発信する際、これらの支援ツールや専門家による評価を活用し、客観性や計画性をアピールすることが信頼性向上に繋がるでしょう。また、補助金申請を検討する企業は、加点措置の活用を積極的に検討し、導入計画の精度を高めることが重要です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-06-15

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