商務部、EUの14企業・団体を輸出管理コントロールリストに追加
この発表の要点
- 中国商務部がEUの14の企業・団体を輸出管理コントロールリストに追加した。
- 対象エンティティーへの両用品目の輸出および中国原産の両用品目の移転・提供が即日禁止される。
- 本措置は、EUが中国・香港企業14社を対ロシア制裁対象に追加したことへの対抗措置である。
企業・自治体への影響
EUおよび中国間でデュアルユース品目を取引する企業は、サプライチェーンの見直しや輸出管理体制の強化が求められます。特に、リストに掲載された14のエンティティーと取引のある企業は、直ちに取引停止等の対応が必要となる可能性があります。関連する製造業、研究機関、商社、物流企業に直接的な影響があります。
対応すべきこと
- 自社の取引先やサプライチェーンにリスト掲載のEUエンティティーが含まれていないか確認する。
- デュアルユース品目の輸出・移転に関わる部門は、中国の輸出管理規制の変更点を把握し、コンプライアンス体制を再確認する。
- 特別な事情により輸出が必要な場合は、中国商務部への申請手続きを検討する。
- 国際的な経済安全保障政策の動向を継続的に監視し、事業への影響を評価する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 中国商務部 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-24 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月30日
中国商務部は7月24日、公告2026年第30号において「輸出管理法」「両用品目輸出管理条例」などの法律・法規に基づき、国家の安全と利益を守り、拡散防止などの国際的義務を履行するため、EUの14のエンティティーを輸出管理コントロールリスト(注1)に追加すると発表した(即日施行)。輸出事業者は同14のエンティティー(企業、大学、研究所)に対して両用(デュアルユース)品目を輸出することが禁止されるほか、国外の組織・個人が中国原産の両用品目を同14のエンティティーに移転・提供することも禁止される(注2)。なお、特別な事情により輸出の必要がある場合、輸出事業者は商務部に申請を行う必要がある。
今回リストに追加されたエンティティーについては次のとおり(注3)。
ラファート(Lafert S.p.A.、イタリア)
ガーネット(Garnet S.r.l.、イタリア)
ジントルハウザー・マテリアルズ(Sindlhauser Materials GmbH、ドイツ)
ラインメタル(Rheinmetall AG、ドイツ)
アントラコ・ヘミー(Antraco Chemie-Handelsgesellschaft mbH、ドイツ)
インパクト(InPACT S.A.、フランス)
III-V LAB(フランス)
キャボックUAS(Cavok UAS、フランス)
ビーゴ・フォトニクス(Vigo Photonics S.A.、ポーランド)
ブロツワフ工科大学(Politechnika Wroclawska、ポーランド)
IHCメルウェデ・ホールディング(IHC Merwede Holding B.V.、オランダ)
タトラ・トラックス(TATRA TRUCKS a.s.、チェコ)
オプティコエレクトロン・グループ(Opticoelectron Group、ブルガリア)
エクスプラ(Ekspla UAB、リトアニア)
商務部は公告の発表と同時に公表した報道官談話において、今回の措置はEUが7月23日(中国現地時間)に第21弾となる対ロシア制裁措置として、中国および香港の企業14社を制裁対象に追加したことを受けたものであると説明した。商務部は4月24日にも7つのEUのエンティティー(企業および研究所)を輸出管理コントロールリストに追加しており(2026年4月30日記事参照)、EUのエンティティーに対する同リストへの掲載措置は今回が2回目となる。
中国による外国エンティティーの輸出管理コントロールリストへの追加は、これまで米国の軍需系企業(2026年6月25日記事参照)を中心に、台湾の企業・団体(2025年7月9日記事参照)、日本の企業・団体(2026年2月26日記事、7月1日記事参照)に対しても行われている。
(注1)輸出管理コントロールリストについては、ジェトロ「中国の経済安全保障に関する制度情報(2026年4月)」(1.5MB)参照。
(注2)「現在行っている関連の活動は直ちに停止しなければならない」とされた。
(注3)リスト上には、各エンティティーの住所も記載されている。
(小宮昇平)
(中国、EU)
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商務部、EUの14企業・団体を輸出管理コントロールリストに追加
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/f2d06951c354afad.html
時系列
- 2026-04-24 中国商務部が7つのEUのエンティティーを輸出管理コントロールリストに追加
- 2026-07-23 EUが第21弾となる対ロシア制裁措置として、中国および香港の企業14社を制裁対象に追加
- 2026-07-24 中国商務部がEUの14のエンティティーを輸出管理コントロールリストに追加すると発表(即日施行)
主な数値
| 追加されたEUエンティティー数 | 14社・団体 |
|---|---|
| EUによる対ロシア制裁対象の中国・香港企業数 | 14社 |
| 中国商務部によるEUエンティティー追加回数 | 2回 |
この事例から確認すべきポイント
中国商務部による今回の輸出管理コントロールリストへのEUエンティティー追加は、国際的な経済安全保障を巡る緊張の高まりを示しています。EUの対中制裁への対抗措置と明言されており、経済的な相互依存関係が地政学的な駆け引きに利用される現状を浮き彫りにしています。即日施行されたことで、対象となる両用品目を扱う企業は迅速な対応が求められます。特に、中国とEU間でデュアルユース品目の取引がある企業は、サプライチェーン全体にわたる影響を評価し、輸出管理体制の再確認が不可欠です。また、過去にも米国、台湾、日本の企業・団体がリストに追加されていることから、中国が輸出管理を外交・安全保障政策の重要なツールとして継続的に活用していることがうかがえます。企業は、国際情勢の変化が自社の事業活動に与える影響を常に監視し、法務・コンプライアンス部門と連携してリスク管理を強化する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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