米国国土安全保障省、留学生・外国報道関係者のビザ滞在期間を制限する最終規則を公表
この発表の要点
- 留学生・研究生(F/Jビザ)の滞在期間が最長4年に制限され、延長申請はUSCIS経由となる。
- 外国報道関係者(Iビザ)の滞在期間が最長240日(中国本土旅券保有者は最長90日)に短縮される。
- 本最終規則は2026年9月15日に発効し、既存のビザ保有者も自動的に新制度へ移行する。
企業・自治体への影響
教育機関、特に大学は、4年を超えるプログラムに在籍する留学生への影響や、USCISへの延長申請手続きの増加による事務負担増を考慮する必要があります。メディア企業は、外国報道関係者のビザ期間短縮に対応した人材計画の見直しが求められます。国際的な人材を雇用する企業は、米国での優秀人材確保の競争力低下や、将来的なイノベーション創出への影響を注視すべきです。
対応すべきこと
- 自社の国際人材採用・派遣計画に与える影響を評価する。
- 関係する留学生、研究者、報道関係者に対し、新規則の内容と対応について情報提供を行う。
- USCISの延長申請プロセスや審査基準に関する詳細情報を継続的に確認する。
- 特に長期プログラムを提供する教育機関は、学生へのサポート体制を検討する。
対象部門: 経営者 総務 法務 人事
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国国土安全保障省(DHS) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-16 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月22日
米国国土安全保障省(DHS)は7月16日、留学生や外国報道関係者向けのビザの滞在期間を制限する最終規則を発表し、翌17日に官報で公示した。本最終規則はF、J、Iビザ(注1)の保有者を対象とし、これらのビザを永住権取得への「橋渡し」ではなく、あくまで一時的な滞在資格として位置付けることを目的としている。これまで留学生は、学業において適切な進捗が認められる限り、米国内に滞在することが認められていた。
DHSの発表によると、主な措置は次のとおり。
留学生(Fビザ)や研究生(Jビザ)の滞在期間は、参加するプログラムの期間に限定し、最長4年とする。
学業または研究・文化交流プログラムの継続のために追加の滞在期間が必要な場合、プログラムを所管する大学や研究機関ではなく、米国市民権・移民局(USCIS)を通じて滞在期間の延長を申請する。
卒業後の出国準備期間(グレースピリオド)を60日から30日に短縮する。
滞在期間中のプログラム変更に関する規則を厳格化する。
報道関係者(Iビザ)の滞在期間を、原則5年間から最長240日間に短縮する。中国本土の旅券保有者については、最長90日間に制限する(注2)。
現在対象となるビザを保有している者は、自動的に新たな制度へ移行する。本最終規則は2026年9月15日に発効する予定だが、議会審査の結果により変更される可能性がある。
本規則は、2025年8月に公表された規則案を修正するものとなる。パブリックコメント期間中、DHSは約2万2,000件のコメントを受け付けた。その中には、不正行為や滞在超過の防止、国家安全保障の強化につながるとして本規則を支持する意見がある一方で、米国での就職やキャリア形成がより困難になり、留学生に悪影響を及ぼすとして反対する意見も寄せられた。
一方で、本規則については、国際的な優秀人材を引き付ける米国の競争力を損なう可能性があるとの批判もある。特に、修了までに4年以上を要するプログラムに在籍する留学生は、予定どおりに学業を修了できるか不透明な状況に置かれることになる。また、米国移民評議会によると、USCISでは現在約1,165万件の未処理案件が滞留しており、案件処理に要する期間は13.8カ月と試算されていることから、事務手続き上の負担増を懸念する声もある。さらに、滞在期間の延長申請について、USCISがどの程度厳格な基準で審査を行うのかは現時点で明らかではない。
本規則により、米国へ渡航する留学生数の減少が見込まれ、留学生が米国経済やイノベーション創出に果たしてきた役割への影響を懸念する声も上がっている。全米政策財団(NFAP)によると、米国のユニコーン企業(注3)の約4分の1は、留学生として渡米した人物が創業に関わっている。また、国際教育交流団体(NAFSA)によると、留学生は2024~2025年度に米国経済へ約429億ドルの経済効果をもたらした。
(注1)Fビザは留学生向けの学生ビザ、Jビザは研究・文化交流プログラムの参加者向けビザ、Iビザは外国報道者向けのビザ。
(注2)Iビザ保有者も延長申請は可能。
(注3)企業価値が10億ドル以上のスタートアップ企業のこと。
(大垣ジャスミン)
(米国)
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米国国土安全保障省、留学生・外国報道関係者のビザ滞在期間を制限する最終規則を公表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/4213c1f5130e3a96.html
時系列
- 2025-08 規則案を公表
- 2026-07-16 米国国土安全保障省(DHS)が最終規則を発表
- 2026-07-17 最終規則が官報で公示
- 2026-09-15 最終規則が発効予定
主な数値
| パブリックコメント件数 | 22000件 |
|---|---|
| USCIS未処理案件数 | 11650000件 |
| USCIS案件処理期間 | 13.8カ月 |
| 留学生による米国経済効果(2024-2025年度) | 429億ドル |
この事例から確認すべきポイント
本規則は、米国がF、J、Iビザ保有者の一時滞在資格としての位置付けを強化し、永住権取得への「橋渡し」としての利用を制限する政策転換を示しています。この変更は、特に長期プログラムを提供する教育機関にとって、4年を超える学業を要する留学生への影響や、USCISへの延長申請手続きの増加による事務負担増を考慮する必要があるでしょう。USCISの未処理案件の現状を鑑みると、手続きの遅延が懸念されます。また、外国報道関係者を雇用するメディア企業も、ビザ期間の短縮に対応した人材計画の見直しが求められます。国際的な優秀人材の獲得競争力や、留学生が米国経済やイノベーション創出に果たしてきた役割への影響も指摘されており、関連企業や団体は今後の動向を注視し、対応策を検討する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-22
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