経済・産業トレンド

全米2位の貯水量パウエル湖が過去最低の水位に、コロラド川流域で水不足深刻化

米国で2番目に貯水量が大きいパウエル湖の水位が過去最低を記録し、コロラド川流域で深刻な水不足への懸念が高まっている。米国内務省開拓局(USBR)のデータによると、8月15日時点で海抜3,519.91フィートに低下し、西部7州の生活用水や水力発電への影響が危惧されている。また、データセンターの冷却に伴う水消費の増大も課題として指摘されており、長期的な配分協議や水使用量削減に向けた動向が注目されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

米国南西部で事業を展開または計画する製造業、IT・データセンター事業者、エネルギー関連部門において、水資源の制約や取水制限による運用リスクが生じる可能性がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 情シス 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 インフラ・エネルギー
発表日 2026-08-19
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月19日

米国で2番目に貯水量が大きいパウエル湖(注1)の水位が過去最低を記録し、米国南西部のコロラド川流域で進行する深刻な水不足への懸念が高まっている。コロラド川は水力発電や生態系を支えるほか、カリフォルニア州を含む西部7州(注2)の4,000万人以上の生活用水を支える重要な水資源となっている。

米国内務省開拓局(USBR)のデータによると、パウエル湖の水位は8月15日時点で海抜3,519.91フィート(約1.1キロメートル)まで低下した。これは、2024年7月10日に記録した3,587.17フィートを約67フィート下回る水準であり、同湖が過去低水位に達したことを示している。

長年の過剰取水に加え、記録的な少雪・少雨や気候変動の影響により、パウエル湖と下流にあるミード湖では水位低下が続いている。

こうした水位低下によりコロラド川の水資源に依存する地域にも深刻な影響が懸念されており、連邦政府とコロラド川の水を利用する西部7州は、水資源の長期的な配分を巡る協議を続けているものの、合意形成は難航している。

USBRは7月31日、コロラド川流域の貯水池運用に関する長期計画を公表した。同計画では、パウエル湖とミード湖の貯水状況に応じて追加的な取水制限を実施するとともに、カリフォルニア州、アリゾナ州、ネバダ州を含む流域各州に対し水使用量の削減を求める方針を示した。

また、コロラド川の水資源に依存する地域で、データセンター建設の拡大への懸念も高まっている。米国シンクタンクのブルッキングス研究所によると、人工知能(AI)やクラウドサービスを支えるデータセンターは、サーバーや施設の冷却に大量の水を使用する。一般的なデータセンターは1日当たり約30万ガロン(約1,135立方メートル)の水を消費し、これは約1,000世帯分の水使用量に相当するという。同研究所は、水不足は今後さらに頻繁かつ深刻になる可能性があり、特に西部や南西部の水不足が懸念される地域では、増大する需要への対応が課題になると指摘している。

水資源を巡る問題は住民生活のみならず地域経済や産業発展にも大きく影響を及ぼすため、関係者による協議と早期の合意形成が求められている。

(注1)ユタ州とアリゾナ州にまたがる、コロラド川の途中にある貯水池。
(注2)カリフォルニア、アリゾナ、ネバダ、ニューメキシコ、ユタ、ワイオミング、コロラドの7州。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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全米2位の貯水量パウエル湖が過去最低の水位に、コロラド川流域で水不足深刻化

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/e1de0ac428fb31dd.html

時系列

主な数値

パウエル湖の8月15日時点の水位 3519.91フィート
2024年7月10日の水位との差 67フィート
コロラド川流域の生活用水の依存人口 4000万人以上
一般的なデータセンターの水消費量(1日当たり) 300000ガロン
データセンターの水消費量(1日当たりの立方メートル換算) 1135立方メートル
データセンターの水消費量が相当する世帯数 1000世帯分

この事例から確認すべきポイント

米国の主要な水資源であるコロラド川流域での深刻な水不足とパウエル湖の過去最低水位の記録は、同地域に依存する産業活動やインフラ運営に重大な影響を及ぼす可能性がある。特にAIやクラウドサービスの普及に伴い冷却水需要が増大しているデータセンター事業者や関連サプライチェーンにおいては、水資源制約や取水制限のリスクを考慮した立地戦略や持続可能性(サステナビリティ)の評価が不可欠である。実務においては、米国南西部で事業を展開または計画する企業を中心に、中長期的な水リスクのモニタリングと対応方針の確認が求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-19

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