経済・産業トレンド

欧州産業連盟、EUの対中政策で提言、対話維持と必要時の対抗措置を支持

最終確認日: 2026-11-04

基本データ

分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年11月05日

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は10月19日、EUの対中政策に関する提言書を発表した(プレスリリース)。EU・中国関係が転換点にあるとの認識の下、相互利益に基づく関係を発展させていくため、産業界の視点からまとめた。EUに対し、中国との関係において、「必要な場合には断固として対応しつつ、可能な限り開放性を維持する」という二元的アプローチをより効果的に実施するよう求めた。

同提言書によると、EU企業は、中国の大規模な政府補助金を背景とする市場歪曲(わいきょく)や貿易不均衡、重要鉱物などにおける過度な対中依存に直面している。また、中国市場では参入障壁や政府調達における差別的措置が依然として存在する。一方で、中国はグローバルなイノベーション拠点としての存在感を高めており、EU企業への調査では、48%が自社の業界において「中国企業は欧州企業よりも革新的である」と回答するなど、中国市場へのアクセス維持は戦略上、引き続き重要だと指摘した。

そこで、産業界と協力し、「安全保障リスク」と「市場歪曲リスク」を明確に区別する要件の策定を提言。そのうえで、前者は対内直接投資審査規則(2025年12月16日記事参照)や反威圧手段規則(2023年11月8日記事参照)などの手段、後者は通商防衛措置などで対応し、リスクが低い貿易は不要な制限を設けるべきではないと述べた。

中国が対抗措置を講じた場合、EU経済が一定の影響を受ける可能性を認めつつも、「対中リスクへの対応を怠り、競争力の低下や産業の空洞化を招くコストも大きい」と指摘。EUに対し、対中関係の是正に伴うコストを精査・明確化したうえで、負担に備えるよう求めるとともに、WTOルールに整合し、対象を限定した均衡がとれた措置を支持した。また、現時点では既存の手段を最大限活用するべきとし、新たな手段の導入には追加の影響評価や産業界を含む幅広い関係者との協議を求めた。

一方で、対話による貿易摩擦の激化回避も重視し、産業界も積極的に参画する必要があると訴えた。多国間貿易体制の改革や脱炭素化などの分野では中国との協力の余地があると指摘し、また実情に合ったペースや範囲で、対中依存リスクの低減(デリスキング)を進めると同時に、同志国との連携強化や貿易の多角化を進めるよう提言した。

さらに、EU産業の強靭(きょうじん)化も並行して進める必要があると指摘し、EU域外とのエネルギー価格差の是正、単一市場の深化、規制負担の軽減、企業の資金調達環境の改善などを要請した。

(滝澤祥子)

(EU、中国)

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公開日: 2026-11-05 / 最終確認: 2026-11-04

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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-11-04

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