欧州委の研究機関、包装材の傾向を分析、プラスチックは拡大傾向
この発表の要点
- 欧州19カ国で2025年にプラスチック包装材が590万トン市場投入され、1人当たり平均14キログラムに達した。
- PETが主要なプラスチック包装材である一方、国や製品カテゴリーにより素材の代替傾向に差異が見られる。
- 食品・飲料への支出と包装材使用量に相関関係は確認されず、製品価格のばらつきが要因と指摘された。
企業・自治体への影響
欧州市場で事業を展開する製造業、特に食品・飲料、消費財メーカーは、包装材の選択において地域ごとのトレンドや規制動向を考慮する必要がある。環境・リサイクル関連企業は、プラスチック包装材の拡大傾向と素材多様化に対応した技術開発やサービス提供の機会を検討できる。
対応すべきこと
- 自社の製品が欧州市場で展開されている場合、包装材の素材構成や代替動向について本報告書の内容と照らし合わせる。
- 欧州の包装材規制や環境政策の最新動向を継続的に情報収集し、自社のサプライチェーンへの影響を評価する。
- 製品開発部門やマーケティング部門と連携し、地域ごとの包装材ニーズや消費者の行動パターンを分析し、戦略に反映させる。
対象部門: 経営者 広報 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 欧州委員会共同研究センター(JRC) |
|---|---|
| 業界 | 環境・リサイクル |
| 発表日 | 2026-07-06 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月31日
添付資料(164 KB)
欧州委員会の共同研究センター(JRC)は7月6日、域内人口の97%を占める加盟19カ国(注)で市場投入された包装材(ガラス、プラスチック、金属、紙・段ボール、複合材料)のデータ(2011~2025年)を分析した報告書を発表した(2026年7月27日記事参照)。
対象国で2025年に市場投入(上市)されたプラスチック包装材は590万トン、1人当たり平均14キログラムに相当した。国別でみると、スウェーデンの8.03キログラムからドイツの15.62キログラムとばらつきがみられた(添付資料表1参照)。
プラスチックの種類をみると、ペットボトルなどに用いられるPET(ポリエチレンテレフタレート)が消費者向けプラスチック包材の中で最大の割合を占めた。一方で例外もあり、フィンランド、アイルランド、オランダ、スウェーデンでは、PETの使用量は、幅広い食品・飲料包装に利用されるポリプロピレン(PP)を下回った。
報告書はまた、包装材の代替動向を調査するため、2024年のプラスチック包装材の市場投入量(重量ベース)の約45%を占める「飲料水」「フルーツジュース」「牛乳」「炭酸飲料」の4製品カテゴリーを分析した。この結果、使用される包装材の構成や素材間の代替傾向は、国や製品カテゴリーにより大きく異なることが分かった(添付資料表2参照)。
また、食品・飲料に対する1人当たりの支出と包装材の1人当たり使用量との間に相関関係は確認されなかった。その要因として、製品価格のばらつきが大きく、支出額が販売量を必ずしも反映しない点を指摘した。
(注)スウェーデン、ギリシャ、デンマーク、オランダ、フィンランド、スロバキア、チェコ、ポルトガル、オーストリア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、ベルギー、アイルランド、ポーランド、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ
(大中登紀子)
(EU)
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/5188e56b151c68d0.html
時系列
- 2011-01-01 報告書分析対象期間の開始(包装材データ)
- 2025-12-31 報告書分析対象期間の終了(包装材データ)
- 2026-07-06 欧州委員会共同研究センター(JRC)が包装材分析報告書を発表
主な数値
| 報告書分析対象国数 | 19カ国 |
|---|---|
| プラスチック包装材市場投入量 (2025年) | 590万トン |
| 1人当たりプラスチック包装材市場投入量 (2025年) | 14キログラム |
| 4製品カテゴリーが占めるプラスチック包装材市場投入量割合 (2024年) | 45% |
この事例から確認すべきポイント
この報告書は、欧州における包装材、特にプラスチック包装材の現状と傾向を客観的に示しており、企業は今後の包装材戦略を検討する上で重要な情報源となる。プラスチック包装材の市場投入量が拡大傾向にあること、PETが主要な素材である一方で、国や製品カテゴリーによって代替素材の動向が異なる点は、サプライチェーン全体で多様なニーズと規制への対応が求められることを示唆している。特に、食品・飲料分野における包装材の構成や代替傾向の差異は、製品開発やマーケティング戦略において地域ごとの特性を深く理解する必要があることを浮き彫りにする。また、消費者の支出と包装材使用量に相関がないという指摘は、単に消費者の購買力だけでなく、製品価格の変動や市場の多様性が包装材の消費パターンに影響を与える複雑な構造を示しており、企業は多角的な視点から市場を分析する必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-31
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