5月の新車販売は前年同月比14.0%増、日本勢シェア8割回復、BYDは前月比8割減
この発表の要点
- インドネシアの5月新車販売台数は前年同月比14.0%増、1~5月累計も12.8%増と好調に推移している。
- 5月単月で日本ブランドのシェアが81.2%に回復する一方、中国ブランドは14.9%に低下し、BYDの販売台数は前月比80.6%減となった。
- EV政策や生産立地の競争力に関する議論が継続しており、日系自動車部品工場の生産ライン移管の可能性が報じられ、政府と異なる見解も示されている。
企業・自治体への影響
インドネシアの自動車市場は、日本および中国の自動車メーカー、EV関連企業に直接的な影響を与えます。特に、市場シェアの変動やEV販売の動向は、各社の販売戦略や生産計画に影響を及ぼす可能性があります。また、生産ライン移管に関する議論は、サプライチェーンを持つ自動車部品メーカーや関連産業の企業にとって、事業継続性や投資判断に影響を与える重要な情報です。
対応すべきこと
- インドネシア市場における最新の自動車販売データ、特にブランド別・燃料別の動向を定期的に確認する。
- インドネシア政府のEV政策や生産立地に関する公式発表、関連報道を継続的に注視し、自社の事業戦略への影響を評価する。
- 競合他社の市場戦略や販売実績の変化を分析し、自社の競争力維持・強化に向けた対策を検討する。
- サプライチェーンに関わる生産拠点の移管可能性について、関連部門(製造、調達、法務など)と連携し、情報収集とリスク評価を行う。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 自動車 |
| 発表日 | 2026-07-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月09日
添付資料(209 KB)
インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)が6月11日に発表した統計によると、インドネシアの2026年5月の新車販売台数(卸売りベース)は6万9,219台となり、前月比14.3%減、前年同月比14.0%増だった。1~5月累計では35万9,015台で、前年同期比12.8%増となった(添付資料表1参照)。
5月の内訳は、乗用車が5万734台(前年同月比7.0%増)、商用車が1万8,485台(前年同月比39.4%増)だった。1~5月累計では、乗用車が26万6,003台(前年同期比2.7%増)、商用車が9万3,012台(56.7%増)で、累計販売の伸びは商用車が押し上げた。商用車の販売押し上げは、プラボウォ・スビアント政権が推進する赤白村落協同組合向けの小型トラック(LDT)の納品が牽引しているとみられる。生産台数は1~5月累計で50万4,020台だった(前年同期比は9.5%増)(添付資料表1参照)。
ブランド別では、1~5月累計でトヨタ自動車が11万1,119台(シェア31.0%)で首位、ダイハツが5万9,420台(16.6%)、スズキが3万262台(8.4%)で続いた。5月単月では、日本ブランド合計のシェアが81.2%となり、8カ月ぶりに8割を上回った。一方、中国ブランド合計の5月シェアは14.9%で、前月から4.7ポイント低下した。BYDは1~5月累計で1万7,993台(5.0%)と上位に入ったが、5月単月は895台にとどまり、4月の4,625台から80.6%減少した(添付資料表2参照)。
燃料別の1~5月累計は、ガソリン車が18万8,614台(シェア52.5%)、ディーゼル車が7万7,896台(21.7%)、バッテリー式電気自動車(BEV)が5万7,399台(16.0%)、ハイブリッド車(HEV)が3万2,523台(9.1%)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が2,581台(0.7%)だった。BEVは4月に1万4,901台まで増えた後、5月は9,351台と1万台を割り込み、前月比37.2%減となった(添付資料表3参照)。
BEVのブランド別では、1~5月累計でBYDが1万7,993台(BEV市場シェア31.3%)で首位を維持した。JAECOOが1万3,949台(24.3%)、GEELYが6,203台(10.8%)、上汽通用五菱汽車が4,693台(8.2%)で続いた。ただし、5月単月ではJAECOOが2,943台、GEELYが1,687台、上汽通用五菱汽車が994台となり、BYDは895台で4位に後退した(添付資料表4参照)。
市場環境を巡っては、EV政策や生産立地の競争力が論点となっている。サイド・イクバル大統領特別顧問(雇用・労働者福祉担当)兼インドネシア労働組合総連合(KSPI)会長が、東ジャワ州パスルアンとモジョケルトの日系自動車部品2工場について、一部生産ラインをベトナムに移管する可能性に言及した(6月22日付「コンパス」)。アグス・グミワン・カルタサスミタ工業相の指示を受けて金属・機械・輸送機器・電子産業総局(ILMATE)が現地確認を行った結果、指摘された同2社の生産施設は通常どおり稼働しており、ベトナムへの生産施設移転計画や人員削減・解雇は確認されていないと説明した(6月23日付工業省プレスリリース)。しかし、その後、サイド氏は当初約50%のライン移管が検討されたものの、協議を経て3~5ライン程度に縮小されたと説明した(6月29日付「コンパス」)。
(大滝泰史、ティアラ・ダルマシャンティ)
(インドネシア)
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5月の新車販売は前年同月比14.0%増、日本勢シェア8割回復、BYDは前月比8割減
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/d2267edc56b5ed9e.html
時系列
- 2026-06-11 インドネシア自動車製造業者協会(ガイキンド)が2026年5月の新車販売統計を発表
- 2026-06-22 サイド・イクバル大統領特別顧問が東ジャワ州の日系自動車部品2工場の一部生産ラインがベトナムに移管される可能性に言及(コンパス報道)
- 2026-06-23 工業省が日系自動車部品2工場の現地確認を行い、生産施設は通常稼働しており、ベトナムへの生産施設移転計画や人員削減・解雇は確認されていないと発表
- 2026-06-29 サイド・イクバル氏が当初約50%のライン移管が検討されたが、協議を経て3~5ライン程度に縮小されたと説明(コンパス報道)
主な数値
| 2026年5月の新車販売台数(卸売りベース) | 69219台 |
|---|---|
| 2026年5月の新車販売台数(前月比) | 14.3%減 |
| 2026年5月の新車販売台数(前年同月比) | 14.0%増 |
| 2026年1~5月累計販売台数 | 359015台 |
| 2026年1~5月累計販売台数(前年同期比) | 12.8%増 |
| 2026年5月単月の日本ブランド合計シェア | 81.2% |
| 2026年5月単月の中国ブランド合計シェア | 14.9% |
| BYDの2026年5月単月販売台数 | 895台 |
| BYDの2026年4月単月販売台数 | 4625台 |
| BYDの2026年5月販売台数(前月比) | 80.6%減 |
| BEVの2026年5月単月販売台数 | 9351台 |
| BEVの2026年4月単月販売台数 | 14901台 |
| BEVの2026年5月販売台数(前月比) | 37.2%減 |
この事例から確認すべきポイント
インドネシアの新車市場は全体として成長を続けていますが、ブランド別・燃料別の動向には顕著な変化が見られます。特に、日本ブランドがシェアを回復する一方で、中国ブランドやBEV市場におけるBYDの販売台数が急減したことは注目すべき点です。これは、市場の競争環境が激化していること、消費者の嗜好や政策の影響が販売に直接反映されている可能性を示唆しています。また、日系自動車部品工場の生産ライン移管に関する報道と、それに対する政府の公式見解の相違は、EV政策や生産立地を巡る不確実性が存在することを示しています。企業は、これらの市場データと政策動向を継続的に監視し、サプライチェーンを含む事業戦略への潜在的な影響を評価する必要があります。現時点で取得できた本文からは、添付資料の詳細を確認できませんでしたが、公式出典にて詳細なデータが提供されている可能性があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-09
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