イーライリリーとレジリエンス、米国内製造基盤強化へ7億5,000万ドル投資
この発表の要点
- イーライリリーとレジリエンスが米国内製造基盤強化のため7億5,000万ドルを投資する。
- 糖尿病・肥満症治療薬の需要増加に対応し、ペン型注射デバイス「クイックペン」を生産する。
- オハイオ州シンシナティ地域で少なくとも400人の高技能職の雇用が新たに創出される見込みである。
企業・自治体への影響
製薬企業は、特定の治療薬に対する市場需要の急増に対応するため、製造能力の増強やCDMOとの連携強化が求められます。CDMO企業は、大手製薬企業との協業拡大により、事業機会を拡大できる可能性があります。また、投資が行われる地域(例:オハイオ州)の経済には、雇用創出や関連産業の活性化といった好影響が期待されます。
対応すべきこと
- 医薬品製造企業は、自社製品の需要予測に基づき、製造能力の増強や外部委託(CDMO)の活用を検討する。
- サプライチェーンの国内回帰や強化の動向を注視し、自社の製造戦略やリスク分散策を見直す。
- 地域経済への貢献や雇用創出の観点から、新たな投資機会やパートナーシップの可能性を調査する。
対象部門: 経営者 総務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 製薬 |
| 発表日 | 2026-08-04 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月04日
米国製薬大手のイーライリリー(本社:インディアナ州)とCDMO(医薬品受託開発製造機関)のレジリエンス(Resilience、本社:オハイオ州)は7月30日、総額7億5,000万ドルを投じ、米国内の医薬品製造基盤を強化すると発表した。
オハイオ州シンシナティ地域にあるレジリエンスの製造拠点において、イーライリリーの糖尿病・肥満症治療薬向けペン型注射デバイス「クイックペン(KwikPen)」を新たに生産する。現在、拠点拡張に向けた準備を進めており、全面稼働は2027年初頭を予定している。
今回の投資の背景には、糖尿病・肥満症治療薬に対する需要の増加がある。イーライリリーの主力製品である糖尿病治療薬「マンジャロ」の2026年第1四半期の米国売上高は前年同期比59%増、肥満症治療薬「ゼップバウンド」の米国売上高は同79%増となった。
イーライリリーのエグゼクティブ・バイス・プレジデントで製造部門のプレジデントを務めるエドガルド・ヘルナンデス氏はレジリエンスのプレスリリースで、「当社製品の需要が増加し続ける中、複雑な製造体制の拡大には確かな技術力、品質への妥協のない姿勢、そして安定供給を継続する能力が必要だ」と述べ、レジリエンスが重要なパートナーだと説明した。両社は2023年に提携を開始し、これまで米国患者向けに1億5,000万回分を超える注射製剤を製造してきた。
レジリエンスのウィリアム・S・マース社長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の投資について、イーライリリーとの協業拡大を通じた、米国における医薬品製造基盤強化に向けた長期的な取り組みとの認識を示した。
今回の投資により、シンシナティ地域で少なくとも400人の高技能職の雇用が新たに創出される見込みだ。レジリエンスは6月、製造分野の人材やインフラの充実に加え、顧客や提携先への近接性などを理由に、本社をカリフォルニア州からシンシナティ近郊へ移転した。
オハイオ州のマイク・デワイン知事(共和党)は、今回の両社による提携拡大やレジリエンスの本社移転について、「オハイオ州のライフサイエンス分野の人材、インフラ、経済開発への取り組みの価値を裏付けている」と評価した。
(坂井愛子)
(米国)
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イーライリリーとレジリエンス、米国内製造基盤強化へ7億5,000万ドル投資
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/2a5f527d200592dd.html
時系列
- 2023-XX-XX イーライリリーとレジリエンスが提携を開始
- 2026-06-XX レジリエンスが本社をカリフォルニア州からシンシナティ近郊へ移転
- 2026-07-30 イーライリリーとレジリエンスが米国内製造基盤強化へ7億5,000万ドル投資を発表
- 2027-XX-XX オハイオ州シンシナティ地域の製造拠点が全面稼働予定
主な数値
| 投資総額 | 750000000ドル |
|---|---|
| 新規雇用創出数 | 400人 |
| マンジャロの米国売上高前年同期比増加率(2026年第1四半期) | 59%増 |
| ゼップバウンドの米国売上高前年同期比増加率(2026年第1四半期) | 79%増 |
| 米国患者向け注射製剤製造実績 | 150000000回分超 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、医薬品業界における特定の治療薬(糖尿病・肥満症治療薬)に対する需要の急増が、製造基盤への大規模投資を促している現状を示しています。イーライリリーのような大手製薬企業が、CDMO(医薬品受託開発製造機関)であるレジリエンスと連携し、国内での生産能力を強化する動きは、サプライチェーンの安定化と地域経済への貢献という二重の意義を持ちます。特に、高技能職の雇用創出は、地域活性化の観点からも注目されます。企業は、自社の製品需要予測と製造能力のバランスを見極め、外部パートナーとの協業や国内投資の可能性を戦略的に検討する必要があるでしょう。また、特定の治療分野における市場の成長性や、それに対応する製造技術・インフラの重要性が改めて浮き彫りになります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-04
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