経済・産業トレンド

イスラエルのハイテク企業、2026年第2四半期に42億3,000万ドル調達、民間調査会社が報告

イスラエルのハイテク分野調査会社IVCと金融サービス会社レウミテックは、2026年第2四半期のイスラエルハイテク企業の資金調達額が42億3,000万ドルに達したとするレポート「イスラエル・テックレビュー」を公表しました。これは2020年の四半期平均を50%以上上回る水準です。資金は一部の有力企業やサイバーセキュリティ、防衛、AIなどの戦略分野に集中し、1件当たり平均調達額は過去ピークを約25%上回る4,890万ドルとなりました。エグジットも活況を呈し、多国籍企業の研究開発活動も堅調に推移しています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

イスラエル市場への参入や投資を検討する企業、特にハイテク分野の企業は、資金が集中する戦略分野や有力企業を見極める必要があります。また、サイバーセキュリティ、AI、防衛、宇宙、量子技術、半導体分野に関わる企業は、この地域の技術動向や投資機会を注視すべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報 法務 情シス

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-07-23
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月23日

イスラエルのハイテク分野に特化した調査会社IVCと、ハイテク向け金融サービス会社レウミテックは7月20日、2026年第2四半期(4~6月)のイスラエルのハイテク企業の動向をまとめたレポート「イスラエル・テックレビュー」を公表した。レポートによると、同国のハイテク企業の2026年第2四半期の資金調達額は42億3,000万ドルとなり、新型コロナウイルス禍で投資が拡大した2020年の四半期平均(26億8,000万ドル)を50%以上、上回った。

レポートによると、同国のハイテク企業への投資額は回復基調にある一方、資金は一部の有力企業や戦略分野に集中し、市場の選別が進んでいることが明らかになった。また、資金調達件数は87件にとどまり、2019~2020年の平均約140件を大きく下回った。レポートは、市場への資金流入額が大幅に増加しながらも、資金はより限定された企業群に配分されていると分析した。

実際に、2026年第2四半期の1件当たり平均調達額は4,890万ドルとなった。これはイスラエルのテック投資がピークを迎えた2021年第4四半期の平均調達額3,910万ドルを約25%上回る水準だ。総投資額では2021年のピーク時を下回るものの、個社への投資額はむしろ拡大しており、レポートはこれを「前例のない資本の構造的集中」と位置付けている。

投資先の分野別では、サイバーセキュリティおよびエンタープライズソフトウエアが引き続き市場を牽引しているほか、防衛、宇宙、量子技術、半導体分野への投資が急拡大した。一方、ライフサイエンスとフィンテック分野への投資は過去最低水準近くまで低下した。

人工知能(AI)分野では、AIが製品・サービスの中核技術として不可欠な役割を果たす「コアAI」企業への投資額が16億1,000万ドルに達した。レポートは、イスラエルのAI産業が生成AIブームによって生まれたものではなく、米国オープンAIの対話型AI「チャットGPT」が登場する以前から培われてきた機械学習やコンピュータービジョンなどの技術基盤の上に成長してきたと指摘している。

また、スタートアップのエグジット(企業売却やIPOによる投資回収)は活況を呈している。2026年上半期には、50億ドル超の大型案件におけるエグジットの総額が647億5,000万ドルと過去最高を記録した。

さらに、2023年10月以降の戦闘長期化や地政学的リスクにもかかわらず、多国籍企業の研究開発活動は堅調に推移している。イスラエル国内の外国企業R&Dセンター数は575拠点に達し、2026年上半期には15拠点が新設された一方、閉鎖は8拠点にとどまった。

(中溝丘、オデッド・シャファル)

(イスラエル)

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イスラエルのハイテク企業、2026年第2四半期に42億3,000万ドル調達、民間調査会社が報告

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/56568ccbb241cd7d.html

時系列

主な数値

2026年第2四半期の資金調達額 42.3億ドル
2020年の四半期平均調達額 26.8億ドル
2026年第2四半期の資金調達件数 87件
2019~2020年の平均資金調達件数 140件
2026年第2四半期の1件当たり平均調達額 4890万ドル
2021年第4四半期の平均調達額 3910万ドル
コアAI企業への投資額 16.1億ドル
2026年上半期のエグジット総額(50億ドル超の大型案件) 647.5億ドル
イスラエル国内の外国企業R&Dセンター数 575拠点
2026年上半期のR&Dセンター新設数 15拠点
2026年上半期のR&Dセンター閉鎖数 8拠点

この事例から確認すべきポイント

イスラエルのハイテク市場は、地政学的リスクにもかかわらず、資金調達額が回復基調にあることが示されました。特に、資金が一部の有力企業や戦略分野に集中し、「前例のない資本の構造的集中」が見られる点は注目すべきです。1件あたりの平均調達額が過去ピークを上回る一方で、資金調達件数は減少しており、市場の選別が進んでいることを示唆しています。サイバーセキュリティ、エンタープライズソフトウエアに加え、防衛、宇宙、量子技術、半導体といった戦略分野への投資が急拡大している点は、国際情勢や技術トレンドを反映していると考えられます。また、AI分野では、生成AIブーム以前からの技術基盤の上に成長してきた「コアAI」企業への投資が活発であり、イスラエルがこの分野で独自の強みを持つことが示唆されます。エグジットの活況や多国籍企業の研究開発活動の堅調さも、市場の健全性を示す指標と言えるでしょう。企業は、このような市場の構造変化や投資トレンドを理解し、自社の戦略立案に活かす必要があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-23

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