中国ドイツ商会、中国企業の海外展開を事業機会として活用する在中国ドイツ企業の事例を分析
最終確認日: 2026-09-25
基本データ
| 分類 | 経済・産業トレンド |
|---|
発表された内容
2026年09月25日
在中国ドイツ企業で構成される中国ドイツ商会は9月10日、「中国から世界へ」と題した報告書を発表した。同報告書は、同商会が2025年12月に発表した年次サーベイ調査結果(注1、2025年12月9日記事参照)と2026年4~6月に同商会の会員企業11社に対して行ったヒアリングを基に構成したものとなっている(注2)。
同サーベイ調査の結果によると、在中国のドイツ企業は自社の中国事業にとっての機会として「中国企業の海外展開」を挙げた回答が36%で最多となった。また、中国企業の海外展開に対して自社がどのように関与しているかとの設問では、(1)「中国企業の海外ビジネスに対して製品・サービスを供給」が44%で最多となり、(2)「中国企業の国際基準への適合支援」が25%、(3)「中国企業への国際経験の伝達」が23%、(4)「中国のパートナー企業と共同での新市場の開拓」が21%、(5)「中国企業の後に続くかたちでの第三国市場への進出」が19%で続いた(注3)。報告書では、これら上位5つの回答項目を5種類の関与モデルとして定義した。(1)のモデルは機械・産業設備の業種に、(5)のモデルは自動車業界に比較的多いとされた。また、(2)に関しては、先進的な運転支援システムの輸出において、中国OEM(完成車メーカー)の規制・コンプライアンス対応を支援するドイツ系サプライヤーの取り組みが紹介されている。
中国企業の海外展開に関与するドイツ企業側の要因としては、既存顧客の需要減に伴う新規顧客開拓の必要性や変化する市場における自社の戦略的重要性の維持が挙げられた。中国企業側の要因としては、ドイツ企業の持つ海外拠点やネットワークの活用、技術的信頼性やブランドイメージの獲得、規制対応や市場参入のノウハウの学習などが挙がった。
他方、中国企業の学習能力、キャッチアップスピードの速さ、競争圧力の高まりなどによって、関与の機会は恒久的なものではなく、時間的猶予は限られているとも指摘している。加えて、中国企業とのパートナーシップについては、「適切なパートナーを見つけるのが困難」「パートナーとの信頼が欠如」などの課題を指摘する声もある。
さらに、中国企業の海外展開への関与は、中国企業の意思決定が中国本社でなされる点、イノベーション拠点としての中国の役割、中国市場での競争を通じて得られる効率性やスピードおよび技術革新、サプライチェーンの強靭(きょうじん)性を考慮すると、中国拠点から開始する必要があると分析している。
このほか、報告書では、在中国ドイツ企業に対して、自社の戦略に適した関与モデルの選択、知的財産権保護や地政学的リスクへの留意、中国企業の海外展開への関与の戦略的価値を本社とともに評価することなどを、ドイツ本社に対して、中国法人を協力のスタート地点として認識すること、自社の中国戦略を中国企業の海外展開の観点から再考することなどを提言している(注4)。
(注1)同調査は2025年の9月1日から10月11日にかけて実施されたもので、回答数は627社。業種別では機械・産業設備が34%、自動車が19%を占める。
(注2)ヒアリング対象企業の業種の内訳は、自動車部品(Tier1)が3社、工業製造が3社、物流、特殊製品製造、技術サービスプロバイダー、自動車関連サプライヤー、自動車関連の合弁企業が各1社となっている。
(注3)いずれの設問も複数回答。
(注4)報告書では、中国政府に対しては、海外展開プロジェクトに必要なデータおよび研究開発・コンプライアンス関連データの域外移転規制の緩和、地方レベルでの知的財産権保護の執行強化、海外市場での公平な競争や持続可能な価格設定の保障などを求めている。
(小宮昇平)
(中国、ドイツ)
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/c18f1502fac34a62.html
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公開日: 2026-09-25 / 最終確認: 2026-09-25
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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-25
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