第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会議事録
この発表の要点
- 厚生労働省の検討会で、労働者の健康保持増進に向けた取り組み事例が議論された。
- 関東ITソフトウェア健康保険組合が、若年層の生活習慣病対策、がん予防、歯科健診など多角的な疾病予防事業を発表。
- 健康保険組合は、特定健診義務化以降、体制を強化し、受診率向上のための費用補助や巡回健診を実施している。
企業・自治体への影響
企業の人事・総務部門および健康保険組合は、本検討会で示された労働者の健康保持増進に向けた取り組み事例を参考に、自社の健康経営や疾病予防事業の改善に役立てることができる。特にIT業界の企業は、関東ITソフトウェア健康保険組合の若年層対策やがん予防、歯科健診の具体的な施策から、従業員の健康課題に応じたプログラム設計のヒントを得られるだろう。
対応すべきこと
- 関係部門(人事、総務、健康保険組合)へ本議事録の内容を共有する。
- 自社の従業員の健康課題と照らし合わせ、発表された疾病予防事業(若年層対策、がん検診、歯科健診等)の導入可能性を検討する。
- 健康診断や特定保健指導の受診率向上策について、費用補助や受診しやすい環境整備の事例を参考に改善策を検討する。
- 健康経営の推進に向けたPDCAサイクル構築のヒントとして、本事例を参考に自社の取り組みを見直す。
対応優先度: 中 本議事録は、労働者の健康保持増進に関する国の検討状況と具体的な取り組み事例を示すものであり、企業が健康経営を推進する上で参考となる情報が含まれるため。
対象部門: 経営者 総務 人事 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 厚生労働省 |
|---|---|
| 分類 | 企業プレスリリース |
| 地域 | 東京都 |
発表された内容
令和8年6月1日(月)14:00~
場所
中央合同庁舎5号館専用第23~24会議室
議題
(1)労働者の健康保持増進等に向けた取り組み事例等について
(2)論点についての意見交換
(3)その他
議事
○藤井産業保健支援室長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまより「第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただき誠にありがとうございます。本検討会は、資料及び議事録は原則公開とします。
本日の出欠状況ですが、清田構成員はオンラインで御参加されています。また、鈴木構成員におかれましては15時30分頃に途中退席の御予定と伺っております。
続いて事務局ですが、大変恐縮ですが安全衛生部長の安井、産業保健支援室長の樋口が公務のため、少し遅れての参加を予定しています。また、労働衛生課長の諸冨ですが、公務のため途中で退席する予定ですので、御承知おきいただければ幸いです。
続きまして、構成員の皆様に御発言の仕方について御説明させていただきます。会場の構成員の皆様におかれましては、お手元にお一人1台マイクを御用意していますので、御発言の際は、座長の指名を受けてから、スイッチをオンにしていただいて御発言をお願いいたします。御発言終了後はスイッチをオフにしていただくようお願いいたします。また、オンラインで御参加いただいている構成員の皆様については、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
続いて、資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1~5、参考資料の1-1、1-2、参考資料2となっています。この後、議事に沿って画面共有にて御覧いただきますが、不足等がありましたら事務局よりお送りしますので、コメント又は御発言にてお申し出ください。
報道関係者の方におかれましては、カメラ撮影はここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、以降の議事進行については髙田座長にお願いいたします。
○髙田座長 皆様、お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。それでは本日の1つ目の議題、「労働者の健康保持増進等に向けた取り組み事例等について」になります。こちらについて、まず事務局から説明をお願いいたします。
○藤井産業保健支援室長補佐 本議題においては、お四方からそれぞれの事業場、団体等における取組についてヒアリングを行わせていただきます。ヒアリングについては、それぞれ5分程度で取組を御発表いただいて、その後、10分程度の質疑を予定しています。一団体様、15分程度を想定しています。また、御発表いただく際は、そちらのヒアリング発表者席に、お移りいただいて御発表いただいて御質疑を受けていただきます。終われば、その後、お席にお戻りいただければ幸いです。その後は御退席いただいても構いません。最後の亀澤構成員におかれましては、自席で御発表いただければ幸いです。
資料番号は先ほど申し上げたとおり、それぞれ御発表していただく順に、1、2、3、4となっていますので御承知おきください。また、Web上の発表資料の資料送りについては、事務局で対応させていただきますので、大変恐縮ですが発表の中で「次へ」等とおっしゃっていただければ幸いです。説明は以上です。
○髙田座長 御説明ありがとうございました。それでは、事務局の御説明にありましたとおり、最初のヒアリングに入りたいと思います。
本日は、関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤様にお越しいただいています。本日はお時間を頂きましてありがとうございます。御準備ができましたら、御説明をよろしくお願いいたします。
○関東ITソフトウェア健康保険組合 近藤様 ただいま御紹介いただきました関東ITソフトウェア健康保険組合の近藤と申します。まず資料の1ページですが、健康保険組合は協会けんぽに代わって、健康保険法による事業を国に代わって実施しているところです。その中で疾病予防事業については法令で実施が義務付けられていますので、そちらを中心に御説明させていただきたいと思います。
今、プロフィールを映していただいていますが、SAJという団体を基礎にしまして、昭和61年4月に設立して、今年で40年目を迎えています。この間、IT業界は、皆様も御承知のとおり飛躍的な発展を遂げてきました。これを基礎として、適用事業所数のスタートは83事業所で始まったのですが、令和8年3月末日現在は約7,500社、被保険者数が約71万人、被扶養者と合わせて加入者の総数が約103万人という規模になっています。
保険料率は、今9.27%です。全国の健康保険組合の平均が9.8%ぐらいですので、それよりは若干低めで設定をしています。ただ、健康保険組合全体に言えるのですが、医療費の関係や保険給付が、高齢化も相まって年々膨らんでいます。どこも厳しい舵取りを求められているというような現状にあります。
今やっています業務が健康管理業務です。健康保険組合ですので、健診業務が一丁目一番地、基本、中心になっています。その中で人間ドック、巡回婦人健診など、事業場、勤め方によって健診を受けやすい環境、こういったものの整備に尽力しています。平成20年4月から特定健診、特定保健指導が義務付けられました。そういった制度の転換期を境に、それまでは職員3名で健診業務を回していたのですが、いろいろな疾病予防事業、歯科健診、あらゆるがん健診、こういったものをどんどん組み入れています。特に糖尿病や高血圧の生活習慣病に起因する重症化予防事業に力を入れています。今、スタッフは大体17名、3名から17名まで増やして体制を作って、こちらの疾病予防事業に当たっています。
その中で、まず若年層の生活習慣病対策をやっています。対象は39歳以下です。令和6年度実績で259人が参加しています。これは集合型で、私どもの施設に一旦、お集まりいただいて、その中でいわゆるヒアリングを重ねて最初の進め方を決めていきます。都内のスポーツセンター、スポーツ施設に割り振りまして専用のトレーニングメニューを作ります。もちろん誰でも対象になるということではありません。一番下の検査値という所の閾値に当てはまった人に案内を出しているということです。
こちらの事業なのですが、都内のスポーツジムに一定期間通います。通った後に、もう一度集まっていただいて、開始前と終了後の様々な数値の変化を取っていきます。それを医師に評価していただいて、これでPDCAのようなサイクルを回していくということで、これは毎年実施している事業です。
次に、がん予防対策です。特に女性の健診、がんについては胃がんから肺、あと大腸、こういったものは全て健診の中に取り込んで実施しています。近年は特に胃内視鏡検査に移行して、そちらを集中的に実施できるように胃内視鏡検査、または大腸内視鏡検査もできる病院の選定に力を入れています。また、女性が受けやすいように、乳がん検診、乳腺超音波とマンモグラフィ、それと子宮頸がん、これについては予算の許す限り、どこに行ってもみんな1,000円で受けられるという取組を進めて受診率を上げています。特にマンモグラフィですが、40歳未満と40歳以上で分けています。40歳未満ではマンモグラフィをやっても、初期の効果的な効果は得られないという所見がありますので、こういったところについては、利用料金で差を付けているということです。また、巡回で特にこれは被扶養者、家族をスコープして実施していますが、全国巡回でできるような健診も実施しています。こちらは無料でやっています。
7ページです。がん予防対策としてポータルサイト、Pep Upというサービスを使っていますが、こちらに登録していただいて、情報発信なり、知見なり、知識を深めるためのいろいろなプログラムを用意して実施しています。開催結果については「女性の健康」「乳がん」「たばこ」というものについて、昨年度は実施しています。今年も同様にカテゴリーは変えて、効果的な施策を実施したいと考えています。
8ページです。がん予防対策で教育です。こちらについては、リーフレットやレストランなどに貼るようなポスターを作っています。喫煙率の経年での推移ですが、若干の改善が毎年見られるところです。
最後ですが、9ページです。歯科健診事業です。歯科健診事業は、まだ取り組んで10年たっていないのですが、今、こちらで会場をセットして都内の2か所で実施する健診と、各地方の政令指定都市で年に1回受診するというもの、それと事業所や会社に歯科健診事業会場を設置してもらって、そこに歯科健診のできる医師と衛生士の部隊を送り込んで、会社で歯科健診ができるというような3つの体制で実施しています。
実施を始めた当初はとてもよかったのですが、間にコロナを挟んだ瞬間にほぼほぼ実施できなくなりました。今はコロナ禍が明けて、正常化を目指して進めているという体制です。歯科健診については、歯に自信ある方だけが健診を受診するという傾向がどうもあるみたいですので、そうではなくて、満遍なくどなたにも受けていただけるような歯科健診の実施というものをこれからも目指していきたいと考えています。発表は以上です。
○髙田座長 ありがとうございます。ただいま資料1に基づきまして、保健事業に関する取組について御紹介いただきました。ただいまの御発
出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74072.html
時系列
- 1986-04-01 関東ITソフトウェア健康保険組合が設立される
- 2008-04-01 特定健診、特定保健指導が義務付けられる
- 2026-06-01 第2回事業場における労働者の健康保持増進の在り方に関する検討会が開催される
主な数値
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 適用事業所数(令和8年3月末日現在) | 7500社 |
|---|---|
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 被保険者数(令和8年3月末日現在) | 710000人 |
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 加入者総数(令和8年3月末日現在) | 1030000人 |
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 保険料率 | 9.27% |
| 全国健康保険組合 平均保険料率 | 9.8% |
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 健診業務スタッフ数(特定健診義務化前) | 3名 |
| 関東ITソフトウェア健康保険組合 健診業務スタッフ数(現在) | 17名 |
| 若年層生活習慣病対策 参加者数(令和6年度実績) | 259人 |
| 女性がん検診 費用 | 1000円 |
この事例から確認すべきポイント
本議事録は、厚生労働省が労働者の健康保持増進の在り方を検討する中で、具体的な取り組み事例を共有する場として機能していることを示している。関東ITソフトウェア健康保険組合の事例からは、IT業界という特性を持つ大規模な健康保険組合が、若年層の生活習慣病対策、がん予防対策、歯科健診事業といった多岐にわたる疾病予防事業に注力している実態が明らかになった。特に、特定健診・特定保健指導の義務化以降、健診業務スタッフを大幅に増員し、体制を強化している点は、健康管理業務の重要性と複雑化を反映している。また、女性のがん検診費用を低額に設定したり、被扶養者向けの全国巡回健診を無料で実施したりするなど、受診率向上に向けた具体的な工夫が見られる。一方で、歯科健診事業におけるコロナ禍の影響や、受診者の偏りといった課題も浮き彫りになっており、効果的な健康保持増進策の継続的な改善と普及の必要性が示唆される。企業は、自社の従業員の健康課題に合わせた予防策を検討する上で、このような先進事例や課題を参考にすべきである。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-26
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