経済・産業トレンド

主要火力発電所の段階的な再稼働を発表、電力供給の安定化図る

ベネズエラ政府は、震災で稼働停止した主要火力発電所テルモカラボボの段階的な再稼働を発表しました。8月末までに600MWの電力供給回復を目指し、中部・西部の電力安定化を図ります。同国は長年の電力危機に直面しており、震災でさらに深刻化。政府は国際協力で最大7,400MWの供給能力回復を計画し、港湾、地下鉄、インターネット接続などのインフラ復旧も進んでいます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

ベネズエラで事業を展開する製造業、小売業、サービス業など、電力供給、物流、通信インフラに依存する企業は、操業環境の改善が期待されます。特に電力制限の緩和は生産性向上に寄与し、港湾やインターネット接続の復旧はサプライチェーンの安定化や国際ビジネスの円滑化に影響します。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 情シス 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ベネズエラ電気エネルギー省
業界 電力, エネルギー, インフラ
発表日 2026-07-17
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月31日

ベネズエラのロランド・アルカラ電気エネルギー相は7月17日、テルモカラボボ発電所の発電ユニットの段階的な再稼働〔1段階当たり150メガワット(MW)〕を発表した。同発電所は今回の震災で4基全てが稼働停止となる被害を受けたが、国内では主要な火力発電所の1つだ。今後ベネズエラ中部および西部の電力供給を安定化させるために、8月末までに600MWの全容量を回復させる見通しを示した。

ベネズエラの国家電力システム(SEN)は、主に水力発電(65%)と火力発電(30%)に支えられている。名目上の発電容量は3万~3万4,000MWだが、震災以前からメンテナンスの不備やインフラの老朽化により、利用可能な電力はわずか1万2,000~1万4,000MWにまで低下しており、その結果、絶え間ない停電や電力供給制約が発生している。この電力危機は震災をきっかけにさらに深刻化し、実際の火力発電供給量はわずか2,300MW程度にとどまっているのに対し、国内の電力需要は1万3,000MWに達している。SENが深刻な状況にあるため、地震の前後を通じて地域によって1日当たり4~12時間に及ぶ電力制限が続いており、これが政治的な抗議活動を引き起こしている。

政府はこの事態に対処し、今後数年間で最大7,400MWの電力供給能力を回復させるため、米国のゼネラル・エレクトリック(GE)やロシアのINSAと協力する目的の国際的な枠組みに合意した。

そのほかのインフラも復旧が進む
物流およびサービス関連のインフラは、徐々に回復の兆しを見せている。

港湾の運営状況:ベネズエラ北部に位置する国内最大級のカベージョ港とラ・グアイラ港では徐々に通常運営が再開されている。

カラカス地下鉄は6月30日に運行を再開した。

7月26日付の現地報道によると、今回の地震で損傷したラ・グアイラ沖の光ファイバーケーブルの修復が完了し、インターネットの国際接続が完全に復旧した。

なお、石油産業は大きな影響を受けていない。デルシー・ロドリゲス大統領代行は7月14日、1日当たり120万300バレルの生産量を維持し、操業が通常どおり行われていると発表した。
(マガリ・ヨネクラ)

(ベネズエラ)

ビジネス短信 35a4f49f02dcd1a3

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

主要火力発電所の段階的な再稼働を発表、電力供給の安定化図る

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/35a4f49f02dcd1a3.html

時系列

主な数値

テルモカラボボ発電所の1段階当たりの発電量 150MW
テルモカラボボ発電所の被害状況 4基全て稼働停止
テルモカラボボ発電所の目標回復容量 600MW
国家電力システム(SEN)の水力発電比率 65%
国家電力システム(SEN)の火力発電比率 30%
国家電力システム(SEN)の名目上の発電容量 30000MW
震災以前の利用可能な電力 12000MW
震災後の実際の火力発電供給量 2300MW
国内の電力需要 13000MW
電力制限の時間 4時間/日
政府の目標電力供給能力回復 7400MW
石油生産量 1200300バレル/日

この事例から確認すべきポイント

本発表は、ベネズエラが震災と長年のインフラ老朽化によって深刻化した電力危機に対し、具体的な復旧計画と国際協力による解決策を打ち出していることを示しています。主要火力発電所の段階的な再稼働は、国内の電力供給安定化に向けた重要な一歩であり、特に中部・西部地域の企業活動や市民生活に直接的な影響を与えます。また、港湾、地下鉄、インターネット接続といった物流・サービス関連インフラの復旧も進んでおり、これはサプライチェーンの安定化や事業継続性の確保において、現地で活動する企業にとって重要な情報です。政府が米国やロシアとの国際的な枠組みに合意している点は、復旧への強いコミットメントと、外部からの技術・資金導入の意欲を物語っています。企業は、これらのインフラ復旧動向を注視し、事業計画やリスク管理に反映させる必要があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-31

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する