EUの自動車設計・廃車(ELV)規則が施行、2028年から順次適用へ
この発表の要点
- EUで自動車設計・廃車(ELV)規則が8月13日に施行され、原則として2028年9月1日から適用される。
- 新車への再生プラスチック利用率が2032年から15%以上、2036年から25%以上に義務付けられる(うち20%は廃車由来)。
- 2029年のEPR導入や2031年からの二輪車・大型車への対象拡大、技術的に走行不可能な中古車輸出禁止が含まれる。
企業・自治体への影響
EU市場に車両を供給する自動車メーカーや関連サプライチェーン(素材、部品、リサイクル関連業種)の経営・調達・法務部門に対し、設計変更や再生材の調達網構築、EPR対応などの大きな適応圧力が生じる。
対応すべきこと
- 公式出典や今後の委任規則を確認し、自社製品への影響範囲を精査する
- 再生プラスチックの調達比率やリサイクル事業者との連携体制を確認・検討する
- 関係部門(経営・総務・法務・製造等)へ規制施行情報を共有する
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 自動車・製造 |
| 発表日 | 2026-08-19 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月19日
添付資料(68 KB)
EUでは8月13日、自動車設計・廃車(End-of-Life Vehicles:ELV)管理における持続可能性要件に関する規則が施行された。同規則は、欧州委員会が2023年7月に提案し、2025年12月にEU理事会(閣僚理事会)と欧州議会が政治合意した後(2025年12月26日記事参照)、欧州議会が2026年6月18日、EU理事会は6月29日にそれぞれ採択した。規則は原則として2028年9月1日から適用され、各義務は規定された時期に応じて段階的に適用される(添付資料表参照)。
新車への再生材の利用に関し、再生プラスチックの利用率は、2032年から15%以上、2036年以降は25%以上の利用が義務付けられた(うち20%は廃車由来)。鉄、アルミニウム、マグネシウムや重要原材料は、欧州委の実現可能性調査を経て、委任法令で目標値や適用開始時期が定められる。また、自動車メーカーには2029年から拡大生産者責任(EPR)が課される。2031年以降は二輪車や大型車も規則の適用対象に追加されるほか、技術的に走行不可能な中古車の輸出が禁止される。欧州委は2026年8月12日付の発表で、同規則は自動車部門の循環性向上に寄与するだけでなく、一次原材料の輸入依存を低減し、EU域内産の二次原材料の安定供給に資すると強調した。
今後は、再生プラスチックの利用率の計算・検証方法などを定める委任規則の制定などが焦点となり、域内の資源循環基盤の強化も急がれる。例えば、プラスチック産業団体プラスチックス・ヨーロッパの5月19日付の発表によると、EUの循環型プラスチック生産の拡大ペースは鈍化傾向にあり、2024年は需要の19%を輸入品が占めた。背景には、欧州でリサイクル関連インフラへの投資の中止や延期が続く中、中国をはじめとするアジア諸国で生産能力が拡大していることがある。
リサイクル業界団体リサイクリング・ヨーロッパは6月18日付の声明で、高度な選別技術の導入やリサイクル能力拡大への投資を促進するには、再生材需要の予見可能性を高め、市場が適切に機能することが不可欠と指摘した。持続可能なバリューチェーンの構築に向け、自動車メーカーの再生材利用に関する長期的なコミットメントなど、リサイクル事業者との協力が必要との見解を示した。
(滝澤祥子)
(EU)
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EUの自動車設計・廃車(ELV)規則が施行、2028年から順次適用へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/85f21b303f3b88ae.html
時系列
- 2023-07 欧州委員会がELV規則を提案
- 2025-12 EU理事会と欧州議会が政治合意
- 2026-06-18 欧州議会が採択
- 2026-06-29 EU理事会が採択
- 2026-08-13 EUで自動車設計・廃車(ELV)規則が施行
- 2028-09-01 規則が原則として適用開始(順次適用)
主な数値
| 再生プラスチック利用率(2032年から) | 15%以上 |
|---|---|
| 再生プラスチック利用率(2036年以降) | 25%以上 |
| 廃車由来の再生プラスチック割合の内数 | 20% |
| 循環型プラスチック生産における2024年の輸入品需要割合 | 19% |
この事例から確認すべきポイント
本件はEU市場で車両を販売・製造する自動車メーカーおよびサプライチェーン全体に直接的な影響を与える法制度の施行である。2028年からの原則適用を見据え、再生材の調達比率引き上げや拡大生産者責任(EPR)への対応、技術的に走行不可能な中古車輸出禁止への対処が求められる。現時点で取得できた本文からは添付資料等の詳細を確認できないため、企業実務においては公式出典や今後の委任規則の動向を継続して注視し、調達・設計部門での早期の適合性検証を行うことが重要となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-19
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