経済・産業トレンド 方針発表

米保健福祉省・国務省、高リスクの生命科学研究への資金提供を制限する方針を発表

米国保健福祉省(HHS)と国務省は、2025年5月の大統領令を受け、2026年7月28日に高リスクの生命科学研究への連邦資金提供を制限する方針を発表しました。病原体の危険性を高め得る研究(DGOF)や国際的に懸念される生命科学研究(IROC)が対象で、申請者は該当性を申告し、リスク・ベネフィット分析が求められます。違反時には資金取り消しや最大5年間の受給資格停止措置が科され、生命科学研究への監督強化の一環と位置付けられています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

生命科学分野の研究機関、大学、バイオテクノロジー企業は、連邦資金申請時に新たな申告義務とリスク・ベネフィット分析が求められます。特に、国際共同研究や病原体関連研究を行う組織は、コンプライアンス体制の見直しと強化が必要となります。関連する研究者やプロジェクトマネージャーは、研究計画の策定段階から本方針への適合性を考慮する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 経理

対応期限:施行日まで

基本データ

企業・団体 米国保健福祉省(HHS)と国務省
業界 生命科学・バイオテクノロジー
発表日 2026-07-28
分類 経済・産業トレンド
地域 米国

発表された内容

2026年07月31日

米国保健福祉省(HHS)と国務省は7月28日、高リスクの生命科学研究への連邦資金の提供を制限する方針を発表した(注)。本方針は、2025年5月5日に発令された「生物学的研究の安全性とセキュリティーの向上」に関する大統領令を受けて策定したものだ。

具体的には、「病原体などの危険性を高め得る研究(DGOF)」と「国際的に懸念される生命科学研究(IROC)」の2つのカテゴリーに該当する研究への資金提供を制限または禁止する。IROCには、懸念国や懸念される機関・研究者による研究のほか、公衆衛生、公共の安全、経済安全保障、国家安全保障に対する脅威となり得る海外研究が含まれる。

本方針により、連邦資金の助成を申請する際、申請者は自身の研究がこれらのカテゴリーに該当するかを書面で申告する必要がある。該当する場合には、申請書の提出前にリスク・ベネフィット分析を実施しなければならない。連邦政府から資金提供を受けた場合、政府が承認したリスク軽減計画に基づき研究を実施することが求められ、助成後も少なくとも年1回の継続的な審査・評価を受ける。なお、ベネフィットがリスクを上回ると判断され、かつ当該研究が公衆衛生上または農業上の緊急事態への対応、あるいは国家安全保障上極めて重要である場合には、審査を迅速化できる。また、連邦資金を提供する機関は、これらの審査を行うため、本方針の発効から90日以内に独立した第三者審査機関を設置する。

そのほか、国家情報長官らは、本方針の発効から120日以内に、懸念対象機関などの一覧を公表するとともに、毎年その内容を見直し、更新する。連邦資金を提供する機関は、180日以内に助成対象者による本方針の順守状況を確認できる体制を整備する。違反が確認された場合には、資金提供の取り消しや、最大5年間の連邦政府の生命科学関連資金の受給資格停止などの措置を科す。

トランプ政権は、研究開発を担う機関に対する予算削減を提案しており(2026年4月15日記事参照)、本方針はトランプ政権下で進む生命科学研究への監督強化の一環と位置付けられる。

(注)方針は7月20日付だが、HHSと国務省は7月28日に共同声明を発表している。

(大垣ジャスミン)

(米国)

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米保健福祉省・国務省、高リスクの生命科学研究への資金提供を制限する方針を発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/c1814cb3c9c3d353.html

時系列

主な数値

受給資格停止期間 5年間
独立した第三者審査機関設置期限 90日以内
懸念対象機関などの一覧公表期限 120日以内
助成対象者の順守状況確認体制整備期限 180日以内
助成後の継続審査・評価頻度 1回以上/年

この事例から確認すべきポイント

本方針は、米国における高リスク生命科学研究に対する連邦政府の監督強化を明確に示すものです。特に、病原体の危険性を高め得る研究(DGOF)や国際的に懸念される生命科学研究(IROC)に従事する機関や研究者に対し、厳格なコンプライアンス体制の構築を求めるものです。申請段階での書面申告とリスク・ベネフィット分析の義務化、助成後の継続的な審査・評価、そして違反時の資金取り消しや最大5年間の受給資格停止といった措置は、研究活動における透明性と安全保障上の配慮を徹底させる意図が伺えます。独立した第三者審査機関の設置や懸念対象機関リストの公表といった具体的な実施体制が明記されており、関連する研究機関は、これらの新たな要件を速やかに理解し、対応計画を策定する必要があります。今後の政策動向にも注意が必要です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-31

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